新たまねぎ、なぜ甘い？　涙を抑える切り方を野菜ソムリエプロが伝授「よく冷やすことが大事」

　3月になるとスーパーなどで新たまねぎを見かけます。新たまねぎは、温暖な地域で3〜4月頃に出荷される早取りのたまねぎの総称です。普通のたまねぎより甘みを感じ、色も白く、みずみずしい印象があります。新たまねぎの甘い理由や涙を抑える切り方について、野菜ソムリエプロで管理栄養士の小島香住さんに聞きました。

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◆水分が多く、収穫からの時間が短いことで普通のたまねぎより糖度が倍近くある

――新たまねぎが甘い理由を教えてください。

【小島香住さん】　普通のたまねぎの糖度は、5度前後であるのに対し、新たまねぎの糖度は9度ほどと倍近くになります。保存性を高めるために乾燥させると、水分が抜け辛味成分が凝縮されます。乾燥させない新たまねぎは、水分を豊富に含んでいることや、収穫からの時間が短いため、糖度が高くなります。

――美味しいたまねぎの見分け方を教えてください。

【小島香住さん】　球全体がしまっていて重みがあるもの、皮が乾いていてツヤがあるもの、根があまり伸びていないもの、肩先がやわらかくへこみや空洞があるものは、中が傷んでいる可能性があるので避けましょう。

――たまねぎの皮をツルンとむく方法を教えてください。

【小島香住さん】　たまねぎの皮は球体のままでは、むきにくく時間がかかってしまいます。ツルンとむくには、まず上下を切り落とし、皮がついた状態のまま縦に半分に切ります。切った端の皮をつまんでめくれば、一気にツルンとむくことができます。

――たまねぎを切ると涙が出ることがあります。涙を抑える方法はありますか？

【小島香住さん】　匂い・辛味成分でもある硫化アリルは、揮発する性質があるため、たまねぎを切ると揮発して目に入り涙が出ます。涙を抑える方法としては、たまねぎをよく冷やしておくと揮発しにくくなります。また、包丁は切れ味の良いものを使うと、細胞が潰されずに硫化アリルの流出が抑えられます。

――たまねぎの皮は、食べない方が良いのでしょうか？

【小島香住さん】　たまねぎの皮にはケルセチンというポリフェノールが含まれます。そのまま食べると硬く使いにくいので、煮出して野菜出汁（ベジブロス）に活用することができます。

――たまねぎは「血液をサラサラにする効果がある」と聞きますが、その理由を教えてください。

【小島香住さん】　たまねぎには、アリシンという硫化アリルが含まれます。このアリシンは、消化液の分泌を促進して新陳代謝を盛んにし、血液をサラサラにする働きがあると言われています。