【トレーナー解説】犬を花火大会に連れて行くのは危険? 知っておきたい、大きな音に怖がる犬の心理と行動を徹底解説

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2024年03月28日 16:08  ねとらぼ

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画像:ペトコト編集部

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【画像】花火と犬


 ペトコトメディアは獣医師やトリマーをはじめ、100人以上の専門家が執筆。病気・しつけなどの専門知識から、ドッグカフェ・宿などのレジャーまで、信頼できる情報を幅広く伝えています。


 今回はそんなペトコトメディアから「犬を花火大会に連れて行く危険性」についてご紹介します。


●著者:ペトコト編集部


獣医師やトリマーをはじめ、100人以上の専門家が執筆・監修し、病気・しつけなどの専門知識から、ドッグカフェ・宿などのレジャーまで、信頼できる最新情報を幅広くお伝えします。


 夏の一大イベントといえば「花火大会」。愛犬と一緒に楽しみたいと思う一方で、花火を怖がる犬が多いのが現実です。全国でそれぞれ特徴のある花火が打ち上がる花火大会は、旅行のプランに入れている人も多いと思います。しかし、愛犬を花火大会に連れて行くのにはリスクが伴います。注意点や対策をしっかり確認しておきましょう。


●犬を花火大会へ連れて行く危険性


 花火大会は、たくさんの人で混雑します。普段よりも見通しも悪く、足元にいる犬に気がつかない人もいるでしょう。


 また、犬自身が花火や人混みを怖がることもあります。


 せっかくの楽しいイベントも思わぬトラブルになってしまうことがあるため、事前に犬と一緒に行く花火大会の危険性を確認しておきましょう。


01 パニックを起こす恐れがある


 大きな音や人混みが苦手な犬の場合、逃げることも隠れることもできない花火大会では、パニックを起こす恐れがあります。


 パニックになった犬は、いくらしつけができていても「いつも通りの行動」はできません。


02 脱走・迷子の恐れがある


 花火が始まって大きな音がしたらびっくりして走り出してしまうことも考えられます。


 人混みの中でうっかりリードから手が外れてしまったら、一瞬で迷子になってしまうでしょう。


03 怪我や骨折などの恐れがある


 愛犬を抱っこしながら花火を鑑賞する場合、普段とは異なる環境にパニック、または大きな音にビックリして飼い主さんの腕から飛び降りてしまうことも考えられます。


 その際に骨折してしまったり、逃走により人に蹴られてしまったり、交通事故に遭ったりする恐れがあります。


04 過剰なストレスがかかる恐れがある


 慣れない環境に、ストレスがかかる恐れがあります。


 犬のストレスサインとして以下の行動が見られるため、愛犬にストレスがかかっているようであれば、早めに帰宅しましょう。


・震える


・しっぽを内股に挟む


・荒い呼吸(パンティング)をする


・耳を後ろに倒す


・目を見開く


・落ち着きがない


・呼んでも反応しない(いつもできる行動ができない)


・あくびをする


・座る・伏せる


・鼻を舐める


 緊張の度合いは犬によって異なりますが、飼い主が愛犬の気持ちにいち早く気付いてあげられるよう、日頃からよく観察しておきましょう。


05 誤飲の恐れがある


 花火大会会場には屋台や出店が立ち並び、会場に来るほとんどの人が食べたり飲んだりしています。


 その食べこぼしや、食べ終わったゴミが落ちていることも多いため、犬にとって誘惑いっぱいの会場といえるでしょう。


 特に、拾い食いの癖がある犬は要注意です。


06 熱中症の危険性がある


 夜だからと安心するのは危険です。


 夜であっても湿度が高く風がない日や人の熱気、水分補給ができないと熱中症になる恐れは十分にあります。


07 犬が原因でトラブルが起きる恐れがある


 花火大会には犬が苦手な人や小さな子どもから年配の方まで幅広い年齢の人がいます。


 犬に悪気がなくても、急に舐めたり、吠えたりすることで相手に恐怖心を与えてしまう場合があります。


 特に、小さな子どもは舐められてびっくりして泣いてしまうなど、たとえ噛まれていなくても、トラブルになりやすいといえるでしょう。


●犬が花火の音を怖がる理由


 犬は人よりも聴覚が鋭く、自然界に無い音や突然の大きな音を本能的に回避しようとします。


 特に、花火や太鼓、雷というのは「聞こえる音」だけでなく「体に響く音(振動)」というのも怖い理由の一つだと考えられます。


 人間でも花火など響く音が苦手な人がいるように、人よりも体の小さい犬たちはかなりの振動を感じているのではないでしょうか。


●犬が花火の音を怖がるときの対処法


 1番良いのは、花火の音が聞こえない場所に移動してあげることですが、それが難しい場合怖がっている犬に対して「どうやったら安心させてあげられるか」を考える必要があります。


 犬によって「安心する条件」は異なります。怖がっているからと抱っこすればいいというわけではありません。


 抱っこが嫌いな犬を抱っこすれば、安心するどころか余計にストレスを与えてしまうことになりますので「愛犬の好きなこと」「落ち着く場所や状況」を日頃からよく観察しておくことが大切です。


まず飼い主が落ち着く


 怖がっている愛犬を落ち着かせてあげるためには、まず飼い主が落ち着くことが大切です。


 犬は人の気持ちに敏感です。飼い主が怖がっていると犬も不安になってしまいます。


 まずは、飼い主が落ち着くこと。それから、優しい声をかけながら撫でたり、抱いたりしてあげてください。触られるのが嫌いな子なら声をかけてそばにいてあげるだけでもいいです。


クレートなど安心できる環境作り


 犬はもともと巣穴を掘って暮らしていたため、狭くて暗い場所が落ち着きます。しかし、知らない場所ではいくら狭くて暗い場所であっても、安心することはできません。


 クレートトレーニングを日頃からしておくことで「ここにいれば安心だ」と犬にわかってもらうことができます。


 雷の光や大きな音がしている場合には、大きめのバスタオルで覆ってあげるといいでしょう。


犬の気がそれることをする


 「怖い」のレベルにもよりますが、おやつやおもちゃなど、その子が好きなことで気をそらしてあげましょう。


 びっくりしただけならすぐに楽しいことに夢中になれるでしょう。本当に怖がっている犬の場合には、声をかけてもおやつを目の前に出しても無視します。


 怖くて食べられない子には無理にあげず、落ち着いてからご褒美としてあげます。怖い経験で終わらせないことが大切です。


 愛犬の好きなものは事前に把握しておくといいでしょう。


●まとめ


 大切な家族だからこそ、愛犬も一緒に花火大会に連れて行きたいという気持ちはわかりますが、万が一のことを考え愛犬はお留守番させるという選択をするのも飼い主として大切なことです。


 花火大会には行かなくても、花火の音でパニックになってしまう犬は一度ドッグトレーナーや獣医師に相談することをおすすめします。


 愛犬が花火の音に怖がらず、一緒に花火を見たいという人は、ルーフバルコニーや屋上など安全に見られる場所から見るようにしましょう。


 抱っこして見るときは腕の中からの飛び出しや転落に注意してくださいね。


●著者:ペトコト編集部


獣医師やトリマーをはじめ、100人以上の専門家が執筆・監修し、病気・しつけなどの専門知識から、ドッグカフェ・宿などのレジャーまで、信頼できる最新情報を幅広くお伝えします。


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