人気ゲーム「原神」が快適に動くスマホはどれ? 選んではいけない機種とオススメ4機種

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2024年03月31日 11:21  ITmedia Mobile

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原神は日本でも多くの人気を集めるタイトルだ

 若い世代を中心に支持を集める「原神」。スマートフォンでも楽しめるゲームだが、それには一定の性能が求められる。今回は原神が快適に動くスマートフォンをまとめてみよう。


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●日本でも人気を集める原神 スマホで遊ぶにはある程度の性能が必要


 原神は若い世代を中心に人気を集めるオープンワールドゲームだ。基本はRPGの要素を持つアクションゲームであるが、基本的に無料で楽しむことができる。キレイなグラフィックスやワールドの自由度の高さ、イベント、サイドストーリーの濃密さ、豪華声優陣演じる多種多様なキャラクター、マルチプレイ要素なども人気の理由と考える。


 2024年にはスマホ向けプラットフォームでの世界総売り上げが50億ドル(約7500億円)に達し、世界で最も売り上げを記録したゲームの1つとして名を挙げた。リリースから3年4カ月での50億ドル突破は世界最速ペースだという。ちなみに国別の売り上げは中国、日本、米国の順に続いており、日本でも累計で約1600億円の売り上げを記録している。


 そんな人気コンテンツの原神だが、スマートフォンの他にもPCやプレイステーション 4やプレイステーション 5でも遊ぶことができるマルチプラットフォームコンテンツだ。PCやプレイステーション向けを基準にしているため、スマートフォンでは画質に制限(720P)をかけている。この制限下でもスマホ向けには高負荷で、快適に動かせるボーダーラインは高い。それでもなお、原神はスマートフォンで遊ぶユーザーが半数以上を占めるようだ。


 こんな重たいコンテンツをスマホで遊ぶのはむちゃだ、と思うかもしれないが、ここには中国の事情が絡んでいる。中国では政府が家庭用ゲーム機を青少年保護の観点から長らく販売を原則禁止しており、厳しい検閲付きながら全面解禁されたのが2015年と比較的最近という背景がある。


 そのため家庭用ゲーム機のなじみが薄く、ゲームといったらもっぱらPCやスマートフォンというプラットフォームの印象が強い。これは数字にも表れており、JETRO(日本貿易振興機構)が公表している「中国でのモバイルゲームが同国のゲーム市場に占める割合」は2022年で72.61%と、かなり大きな割合を占める。中国ゲームメーカーの超大作ゲームがPC向けのみならず、スマホ向けに多く展開されたり、同国で「ゲーミングスマートフォン」という市場が確立できる背景にはこのような事情もあるのだ。


●原神を快適に遊ぶスマートフォン選び 注意点はストレージと「Google Pixel」


 原神を高画質で楽しむなら、スマートフォンもしっかり選びたい。まず、スマホ版原神の最低ラインはiPhone 8以降、Androidスマートフォンでは64bit対応SoC 搭載機でメモリ4GB以上、Android 8.0以降としている。


 推奨環境はAndroidスマートフォンでSnapdragon 855以上、Kirin 820以上でメモリ6GB以上としているが、これは2020年のリリース当初から変わっていない。しかしこの推奨環境は実態に沿っていないのだ。


 筆者としては、スマホ版の原神を高画質、60fpsの設定で満足に動かすならiPhoneはiPhone 13(A15 Bionic)以降、AndroidスマートフォンではSnapdragon 8+ Gen 1以降の機種をお勧めしたい。具体例としては2022年秋以降発売のハイエンドスマートフォンで、「Zenfone 9」や「Xiaomi 12T Pro」以降が目安だ。メモリは最低でも8GBは欲しい。


 もっとも、画質を落とせばある程度古い機種や性能の低い機種でも楽しめる。画質「中」、30fps(初期設定)なら当初の推奨環境のSnapdragon 855以上、Kirin 820以上でも不満は少なく動作するが、筆者としてはここを妥協できる最低ラインとしたい。このラインにはSnapdragonでいうところの7 Gen 1や778Gといったアッパーミドル、MediaTekのDimensity 1100(6020)などが含まれる。


 ベンチマークスコアで比較したいところではあるが、原神の場合は機種によっては相性の悪いものが存在し、単純にスコアだけで判断することは難しい。参考程度になるが、GeekBench 6というソフトでCPUのマルチスレッドのスコアが3000点前後ものが、原神を画質を落として満足に遊べる最低ラインと評価したい。


 なお、「Google Pixel」についてはあまりオススメできない。性能的には申し分ないが、搭載するTensorプロセッサと原神をはじめとしたゲームとは相性が悪く、最新の「Pixel 8 Pro」をもってしても高画質環境では30〜40fps止まりだ。


 比較的廉価なaシリーズなら画質を落としても気持ち的に割り切れるが、iPhone並みに高価な上位モデルでは「価格に見合わない」と感じる。原神だけでなく、ハードにゲームで遊ぶことを視野に入れる場合は選択肢に含まない方がよさそうだ。


 筆者としては、原神で遊ぶスマホは上記の基本性能はもちろん「ストレージ容量」も重視すべきと考える。直近のVer4.5のアップデート後の原神の容量は32GBを超える。このデータはmicroSDに逃がすこともできず、本体のストレージに鎮座することになる。これでは64GBはもとより128GBでもかなり厳しくなってくる。最低でも256GBの容量を選べる機種を選択したい。


●これらを踏まえ、オススメの機種をピックアップ


 ここからは筆者のオススメをピックアップしよう。原神が満足に遊べる性能の高さに加え、容量不足にならないよう256GB以上のストレージ容量の設定がある機種を選定した。


iPhone 15 Pro


 iPhoneについては高度な最適化と高い性能を備えていること、全キャリア取り扱いで入手性が高いことから、オススメの筆頭に君臨する。特に「iPhone 13 Pro」以降の「Pro」を冠する機種や一部のiPad Proでは120Hzのリフレッシュレートで楽しむこともできる。


 その中でも、「iPhone 15 Pro」は性能の高さはもちろん、USB Type-C端子になったことで拡張性も向上し、画面出力などの面で優位だ。大画面が欲しい場合はiPhone 15 Pro Maxもアリだ。こちらを選ぶ際には容量の多いモデルを選ぶことを強くお勧めする。


ROG Phone 8


 Androidスマートフォンの中では現状トップクラスの性能を持つ1台だ。最新のSnapdragon 8 Gen 3を搭載し、高い性能も持ち合わせている。ゲーミングスマートフォンらしく、本体側面のAirTriggerでコントローラーのL/Rボタン相当の機能を割り当てることもできる。


 オプションの空冷ファンを組み合わせれば長時間のプレイも難なく可能だ。今作ではAIアシスト機能も備え、日々のプレイングに便利な機能が備わっている。原神ではテキストのスキップやアイテムの自動回収が可能だ。


 先行した海外版に技適マークが確認できるなど、日本でも発売は秒読み段階。価格は高価になることが想定されるが、現状では最も原神を楽しめる1台になるはずだ。


Xperia 1 V


 現行のソニーのフラグシップモデル。ソニーストア限定で原神とのコラボ展開が行われるなど、タイアップも行われている。プロセッサにSnapdragon 8 Gen 2を採用し、高い性能を確保している。ストレージも直販版は512GBを選択できるなど、容量不足にもなりにくそうだ。


 純正アクセサリーの「Xperia Stream」を装着すると、ある種のリミッターが解除されてゲーミングスマートフォンさながらの性能を発揮できる。2023年の東京ゲームショウの原神ブースにあった試遊機はこの構成であり、ある種の推奨スマホとして君臨する。


Xiaomi 13T Pro


 Xiaomiが販売するコストパフォーマンス重視のスマートフォンだ。日本ではソフトバンク、各種MVNOをはじめ家電量販店などで取り扱いがある。


 ROG Phone 8とXperia 1 Vは最低構成でも10万円を優に超えるため手を出しにくいが、こちらは9万円台で購入可能だ。プロセッサはDimensity 9200+と他社ハイエンドにも引けを取らないもので、ストレージ容量も256GBと要件は満たしている。


 これよりも価格を抑えるなら、ソフトバンクの「Xiaomi 12T Pro」やauの「Galaxy S22」という選択もある。ショップでの契約は在庫が少ない関係から難しいが、白ロム店では新品が5万から6万円台で購入できる。性能は上記で紹介した機種に劣るが、どちらもストレージ容量は256GBのため安心して利用できる。


 ここまで、オススメの機種をいくつかピックアップしたが、筆者としてはストレージ容量→基本性能の順に選択してほしいと思う。性能不足は画質を落とせば対処できるが、容量不足となったら遊ぶことすらできない。両者をてんびんにかけるなら、端末の性能よりもストレージ容量の方を優先すべきだ。


 これは原神に限ったことではない。近年のゲームは高画質、大容量化が進み、少ない容量や性能が低いスマートフォンでは満足に遊べなくなっている。確かに画質中限定なら「Google Pixel 7a」もアリだが、ストレージ容量が128GBと少ないことがネックだ。「iPhone SE(第3世代)」も性能的には文句ないが、256GBモデルを選ばないと容量面で厳しいと感じる。


 また、発熱が気になる機種ではゲーミング用の空冷ファンなどもあわせて利用しよう。ROG Phoneのように専用オプションで用意されるものから、機種を選ばない汎用(はんよう)品まで多く存在する。このようなものと組みあわせることで長時間楽しむことができる。


 スマートフォンで原神を存分に楽しみたいのであれば、ある程度性能の高い機種を選ぶこと、本体の容量が256GB以上で普段利用するアプリを入れても余裕のあるものを選ぶとが、原神に限らず多くのコンテンツを快適に楽しめるはずだ。


●著者プロフィール


佐藤颯


 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。


 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。


・X:https://twitter.com/Hayaponlog


・Webサイト:https://www.hayaponlog.site/


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  • 記事を斜め読みで申し訳ないんだが、今も中華スマホって独自OSなの?
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