どう買うべき? 新生活でスマートフォンを購入する際に知っておきたいこと

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2024年03月31日 17:20  ITmedia NEWS

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 春の新入学、新生活でスマートフォンを購入する人は多いだろう。すでに購入している人、まだこれからという人がいると思うが、スマートフォンを買って後悔しないために、知っておいた方がいいことがある。これから買う予定という人は参考にしてほしい。


【クリックで表示】新生活には新スマホ、でもどうやって買うべき?


●積極的に使うならミドルレンジ以上


 最近はそれほど騒がれないが、スマホの最大の商戦期は春だ。いくつかのメーカーからは新モデルも投入される。ただ、春商戦向け端末は、初めて(自分で)スマホを購入する人をターゲットにしているので、ハイスペックな高額モデルはそれほど多くなく、ミドルからミドルハイの端末が中心。価格としては一括価格で7万円前後、携帯電話会社の購入補助プログラムを利用することで5万円以下になるものが多い。


 一括価格で3万円以下という非常に安いスマホもあるが、型落ちでそうなっているモデル以外は、筆者としてはあまりお勧めしない。安価なスマホは、いわゆるガラケーと呼ばれるケータイからスマホに乗り換えさせる目的で投入されるものが多い。スマホになっても電話とメールしか使わないといった人ならいいが、カメラ、動画視聴、ビデオ会議、ゲームなど、様々な用途でスマホを積極的に活用していこうと思っているなら、高性能な機種の方が使いやすい。当然価格は高くなるが、財布と相談の上、高いスペックを備える高性能モデルを買った方が満足度は高い。


 スペック自体はあまり気にしなくてもいいが、ポイントとなるのはパソコンと同じで、CPU、メモリ、ストレージ、バッテリー容量など。Androidスマホの場合、CPUは、Qualcomm(クアルコム)、MediaTek(メディアテック)が2大メーカーだ。クアルコムはSnapdragon(スナップドラゴン)、メディアテックはDemensity(ディメンシティ)というブランドを展開しており、どちらも製品名に付いている数字が大きい方が基本的に高性能だ。ミドルレンジのスマホの場合、Snapdragonは600から700番台、あるいは6や7が採用されている。Demensityの場合は700番台がよく使われている。


 メモリ、ストレージ、バッテリー容量は基本的に多ければ多いほどいい。スマホによってはメモリとストレージ容量の違いで複数モデルが用意されていることがあるので、そこは予算との相談だ。これらに加え、ディスプレイのサイズ、カメラの性能、重さ、デザインなどが選びのポイントとなってくるだろう。


 iPhoneのチップはアップルが独自に開発しており、最新のハイエンドモデル、iPhone 15 Pro/Pro Maxに搭載されているのはA17 Proチップ。iPhoneは比較的価格が高く、Androidのミドルレンジスマホと同等価格のモデルはiPhone SE(第3世代)だ。発売は2022年3月と2年以上前のモデルだが、A15 Bionicチップを搭載し、動作的に問題はない。ディスプレイは4.7インチと小型で、指紋認証機能に対応している点で根強い人気がある。


●Androidスマホのオススメは?


 2023年末から24年春に発売されたミドルレンジのAndroidスマホは、中国Xiaomi製の「Xiaomi 13T」(au、UQ mobile)、韓国サムスン電子製の「Galaxy S23 FE」(au)、ソニーの「Xperia 10 V Fun Edition」(ドコモ)、中国ZTE製の「Libero Flip」(Y!mobile)、京セラ製の「DuraForce EX」(ドコモ、ソフトバンク)など。


 Xiaomi 13Tは充実のカメラ機能、67Wの急速充電が魅力。Galaxy S23 FEはフラグシップ端末S23の廉価版モデルだ。CPUは1世代前のもので、カメラも一部で画素数を落としているが、ディスプレイは大きくなりバッテリー容量も増している。


 Xperia 10 V Fun Editionは、スペックの数値についてはXperia 10 Vとまったく同じ。違いは限定カラー「ミストグレー」になったことと、「Google One ベーシック 100GBプラン」が1年無料で使えること。Libero Flipは今注目の縦型折りたたみスタイルで、たたんでコンパクトに持ち運べ、開くと6.9インチのディスプレイが使える。折りたたみスマホは非常に高額だったが、昨年から値段抑えめの機種が出始め、Libero Flipは一括で6万3200円と驚きの低価格。割引を適用すると4万円を切る価格になる。DuraForce EXは過酷な使用環境にも耐えるタフネススマホだ。


 発売から少し時間がたっているが、Googleの「Pixel 8」や「Pixel 7a」、「AQUOS sense8」も使いやすさ、コストパフォーマンスの高さに提供がある。


●大手キャリアもSIMのみ契約、端末のみ購入が可能


 4月になると、すぐにゴールデンウイークが迫り、今度は夏モデルの話題も出始める。1カ月少々待てばハイスペック機種も数多く出る夏モデルから選べるので、とりあえず回線だけ契約し、新モデルが出てくる時期まで、お下がりや安い中古端末でしのぐという手もある。通信と端末の分離が義務化され、今は格安SIMだけでなく、ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリアでもSIMのみ契約や端末のみ購入ができるようになっている。


 もちろん、格安SIM、格安スマホと呼ばれるMVNOで契約、端末購入することも可能だ。特にインターネットイニシアティブが運営しているIIJmioはラインアップが充実している。シェア上位のMVNOはチェックしておいて損はない。


●4年以上使うならメーカー直販の方が安くなる


 大手キャリアでは、端末を返却することで割賦の支払いが不要になり、実質負担額を抑える端末購入プログラムが提供されている。ドコモの「いつでもカエドキプログラム」、auの「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクの「新トクするサポート」、楽天モバイルの「買い替え超トクプログラム(iPhone)」だ。2年間、あるいは1年間で端末を返却することで、定価の約半額、ときにはそれ以下の価格でスマホを利用できる。


 例えば、ソフトバンクのXiaomi 13T Proを新トクするサポートを利用して購入すると、最初の2年間の分割支払い金は月額1000円未満と安いが、3年目以降は約3倍に。25カ月目に端末を返却すると負担額が2万2000円程度で非常に安価に使えることになるが、3年目以降も使うと負担が増す。


 車を購入する人にはお馴染みの残価設定ローンと同じシステムで、設定された期間でどんどんスマホを買い換えていくなら非常にお得だ。しかし、3年、4年と使い続けるとお得度は下がっていく。大手キャリアのスマホはメーカー直販よりも価格が高めに設定されているので、4年かけて分割払いを払いきってしまうと、自分のものにはできるが価格的には高くつく。iPhoneがその典型だ(アップルとほぼ同額の価格設定をしている楽天モバイルは除く)。4年以上使うならメーカーの直販サイトで購入した方が安くなることが多いことを覚えておきたい。


 最近では金利0円で分割払いが可能になっているメーカー直販サイトもある。例えばアップルは最大36回まで金利0円での分割払いが可能で、24回目に新しいiPhoneに買い替えられるオプションもあるなど、キャリアと同レベルの購入補助プログラムを用意している。サムスン電子やソニーも、やや発売は遅いものの、オープン市場モデル、いわゆるSIMフリースマホを直販サイトで販売している。キャリアで気になるモデルがあったら、メーカーでも販売していないかチェックしてみることをお勧めしたい。


 ちなみに、前述したY!mobileのLibero Flipは、ZTEのサイトで「nubia Flip 5G」として紹介されているモデルと、ほぼ同じだ。nubia Flip 5Gの方が価格が1万円ほど高いが、メモリとストレージの容量が多い。


●中古端末購入時の注意ポイント


 近年は大手キャリアも中古端末を販売しているほど中古スマホ市場が大きくなった。中古スマホを購入する場合は、バッテリーの劣化具合を確認できる中古スマホショップで買うことをお勧めしたい。一般的には最大容量の80%を維持できていれば合格とされている。


 また、中古スマホといえども、使い勝手の面、セキュリティ面からも、OSアップデートの対象外になっているモデルは避けたい。iPhoneならiPhone X以降となる。根強い人気の指紋センサーはiPhone SEを除きなくなっているが、iPhone 12以降ならマスク対応の顔認証も搭載されているので、それほど困ることはないはずだ。


 滅多にないことではあるが、端末の分割支払いが終わっていないものだった場合、支払いが滞ってネットワーク利用制限がかかり、使えなくなるケースがある。いわゆる「赤ロム」と呼ばれる端末だ。ただ、一般の中古ショップでは赤ロムの場合、その旨が記載され、万が一使えなくなった場合は、その端末と同等の端末に交換してくれるショップがほとんどだ。赤ロムは若干安いと聞くが、急に使えなくなる可能性があることは覚えておきたい。


●夏モデルも間もなく登場


 例年、夏モデルは、フラグシップのGalaxy Sシリーズ、AQUOS Rシリーズ、Xperia 1や10の新モデルなどが出てくる。また、Google Pixelの廉価版、Pixel 8aの登場も期待されている。これまでのPixel Xaシリーズは、廉価版といってもCPUが通常機種と同じで、カメラや筐体の素材を抑えめにすることでリーズナブルな価格を実現している非常に人気の高いスマホだ。


 2024年のスマホは生成AIの活用が注目されており、グローバルですでに発売されているGalaxy S24シリーズではAIが通話時に外国語を翻訳してくれるリアルタイム通訳機能や、文字起こし&要約機能が搭載されている。Pixelも消しゴムマジックなど、AIによる写真の自然な加工が評判だ。


 最近のスマホは大きな進化が見られないと言われているが、今年のスマホはAIでこれまでとちょっと違った使い方ができるかもしれない。夏モデルも要注目だ。

このニュースに関するつぶやき

  • ○○貧困とか、貧困○○とか言う系の人達をマスコミが報じるけど、内訳でスマホ代1万円、2万円ってなんなん?って思うよね。スマホのサブスクでもやってのかって思うわ。先ずそこ削れよと思う。
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