安楽死直前、胃にウジが湧いていた5本脚の子羊 保護され歩けるまでに(米)<動画あり>

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2024年04月02日 11:21  Techinsight Japan

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米ミシシッピ州の農場で誕生した5本脚の子羊。胃の中にウジが湧いていて命の危険もあったが、保護されてなんとか歩けるまでに(『Fox News 「Five-legged lamb gets second chance after Mississippi woman opens home and heart for rehabilitation」(Natalie Renot via Facebook)』より)
米ミシシッピ州の農場で先月下旬、5本脚の子羊が誕生した。子羊は通常ならば安楽死されてしまうところだったが、動物のリハビリに尽力する女性に保護され、命の危機を乗り越えてなんとか歩けるまでになった。米ニュースメディア『Fox News』などが伝えている。

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ミシシッピ州ストーン郡ウィギンズに住むナタリー・リノットさん(Natalie Renot、35)は3月25日、同郡パーキンストンの農場主から連絡を受け、5本脚で誕生した雄の子羊を引き取った。

ナタリーさんはこれまで同農場から9匹の動物たちを保護し、リハビリを行ってきたそうで、5本脚の子羊に“スパイダー・ラム(Spider-Lamb)”と名付け、自宅でケアすることにしたという。

同州ハリソン郡ビロクシに40エーカー(東京ドーム3.4個分)の農場を持つナタリーさんは、「スパイダー・ラムのような子が産まれると通常、農場経営者のほとんどは安楽死を選ぶの。でもその農場主は『あの子羊はとても可愛くて、どうしても処分できなかった』と言ってきてね。それで引き取ることにしたの」と、当時を振り返る。

スパイダー・ラムを自宅に連れて帰ったナタリーさんはまず、被毛にこびりつき固まっていた排泄物を洗おうしたところ、腹部に無数のウジ虫を発見し衝撃を受けた。そして、その場でできるだけウジ虫を振り落とすと、スパイダー・ラムをブランケットでくるみ、ファー・ベイビーズ動物病院に車を走らせた。

スパイダー・ラムは胃の中にウジ虫が寄生し、ひどい感染症で高熱を出しており、ナタリーさんはその晩、獣医に「このままではダメかもしれない」と言われたものの、子羊は奇跡的に山を越えたという。


しかしながらスパイダー・ラムは、腸が睾丸の中に入っている状態のヘルニアで、手術が必要であることが判明。ナタリーさんはクラウドファンディングサイト「GoFundMe」に専用ページを設置して寄付金を集めることにした。そうしてSNSにスパイダー・ラムの動画を投稿するとメディアによって取り上げられ、目標額2500ドル(約37万9000円)のところ、6日間で5100ドル(約77万3600円)以上の寄付金が集まった。

さらに嬉しいことに、獣医はスパイダー・ラムの今後についてこう語ったのだった。

「子羊は誕生してから15分ほどで歩くことを始める。スパイダー・ラムは生後1週間も経っていないが、だいぶ力をつけ、なんとかバランスを取って立ち上がることができるようになった。もちろん他の羊と比べると普通とは言えないものの、“この子なりの普通の人生”を歩むことができる。」


こうしてスパイダー・ラムは退院後、ナタリーさんの家の囲いの中で過ごし、歩くことにも挑戦。SNSには、よろめきそうになりながらも頑張って前に進む姿が投稿されている。また、今では経管栄養から哺乳瓶でミルクを飲めるまでになり、日本時間3月31日にはナタリーさんの農場で過ごす様子がシェアされていた。ヘルニアの手術は4月末に予定しているそうで、5本目の脚は歩くのに邪魔ではないため、そのまま残す予定だという。


なお、ナタリーさんは夫と16歳の娘の3人暮らしで、小売業者として働く傍ら、7年前から動物たちのリハビリを始めたという。最初は猫を受け入れ、徐々に農場の動物を保護するようになったそうで、今では100匹以上の動物たちをケアしている。それでも時には「リハビリなどせずに安楽死させるべき」といった声も届くそうで、最後にこう述べていた。

「私は『たとえ他の子たちと違って生まれても、全ての生き物は“幸せな人生を歩むため”に挑戦すべきだ』と信じているの。それは私にとって時にストレスとなり、落胆することもあるし、睡眠不足にもなる。でも自分の時間を、動物たちに再び生きるチャンスを与えるために捧げることは、最高にやりがいのあることだと思っているの。」


テックインサイト編集部からは、現在のスパイダー・ラムの体調について質問するとともに、多くの動物の保護、リハビリに尽力するナタリーさんに感謝の言葉を届けている。

ちなみに昨年5月には、腫瘍で顔が2倍になり複数の獣医から安楽死を勧められたスペインのシベリアン・ハスキーが、飼い主のTikTokでの訴えがきっかけで救われた。約900キロ離れた動物クリニックが手術を引き受けていた。



画像は『Fox News 「Five-legged lamb gets second chance after Mississippi woman opens home and heart for rehabilitation」(Natalie Renot via Facebook)』『GoFundMe 「Help Spider Lamb on his surgeries!」』『WLOX Instagram「A Wiggins woman rescued a lamb born with five legs from a South Mississippi farm」』『El Periódico Mediterráneo 「Una clínica veterinaria de Castellón salva la vida a un perro al que nadie quería operar」(JAVIER FLORES)』『The Mirror 「Extremely rare puppy born with six legs, four testicles & extra penis survives odds」(Image: Robert Scheer/IndyStar / USA TODAY NETWORK)』『Tilly Instagram「Standing proud for what we believe:」』『Greenacres Rescue Facebook「APPEAL FOR INFORMATION」』『Daily Star 「Miracle puppy born with six legs and two tails in world first is ‘happy and healthy’」(Image: Neel Veterinary Hospital)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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