80年代レトロファミコン風のミニPC「AYANEO Retro Mini PC AM02」の実力をチェックする

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2024年04月03日 14:11  ITmedia PC USER

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「AYANEO Retro Mini PC AM02」

 前回、前々回と紹介してきたNES風レトロルックのミニデスクトップPC「AYANEO Retro Mini PC AM02」(以下、AM02)は、CPUにAMD Ryzen 7 7840HS、メモリは16GB(DDR5)、ストレージは512GB(M.2 NVMe SSD)を搭載している。


【その他の画像】


 メモリとストレージの容量はハイスペックとはいえないが、決して低すぎるわけはない。このスペックで記事執筆や画像編集、動画編集を行う筆者のような仕事環境で使い物になるだろうか。


 実際に2週間ほど仕事で使い倒し、さらにベンチマークテストも行ってみたので、参考にしてほしい。


●そのまま仕事用として使い続けたくなるサクサク感


 セットアップしたときは、キーボードに「LIFEBOOK UH Keyboard」、ディスプレイに「DomyFan」を利用した。


 実際の仕事環境では、キーボードに「HHKB Professional HYBRID Type-S」、マウスにキングジムのスキャナーマウス「MSC10」(一太郎バージョン)、ディスプレイにアイ・オー・データ機器の21型「LCD-MF225XBR」とアイティプロテックの 15.6型フルHDモバイルディスプレイ「LCD15HCC-IPS」を利用してみた。


 AM02本体には4基のUSB Standard-A端子の他に、HDMI出力とDisplayPort出力も搭載しているので2画面出力が可能だ。よって本体だけでも十分そうだが、DisplayPortで使えるケーブルを持っていなかったこともあり、本体の前面にあるUSB4(USB Type-C)端子に「Anker PowerExpand 8-in-1 USB-C PD 10Gbps データ ハブ」を接続して2画面出力を行った。こうしたハブと組み合わせれば、SDメモリーカードに保存した写真などの読み込みにも対応できるので便利だ。


 試した作業は、Google ドキュメント上へテキストの入力、「PhotoScape X」を利用した画像編集、「Microsoft Clipchamp」を用いた動画編集などだ。写真は1枚4.4MB程度のJPGファイルを使った。


 テキスト入力では、高速タッチタイピングを行ってもしっかりついてくるイメージで、「変換のためにスペースキーを押しても候補が表示されない」「入力したはずのテキストが表示されない」などといったもたつきは全くなかった。


 動作の遅いPCでは「タイピングしても入力できていない、表示されない」ということが頻発し、作業効率が悪くなってしまう。AM02に関してはそういったレベルの心配は不要だ。


 写真編集でも、1枚あたりの容量が大きいにもかかわらず、読み込みも編集もスイスイできて快適だ。筆者がメインPCとして使っている「GPD Pocket 3」の問題なのかアプリの問題なのかは不明だが、筆者の普段の環境では5〜6回に1度は編集中にPhotoScape Xが落ちてしまうのだが、AM02での作業中は1度も発生しなかった。


 では、4枚、9枚、12枚の写真をタイル状に並べる「連結」機能で負荷をかけてみたらどうだろうか。試してみた。


 4枚連結で9728×7296ピクセルの20.1MB、9枚連結で14592×10944ピクセルの43.2MBという大きなサイズの画像ファイルが完成したが、どちらも作成中に重いと感じることはなかった。CPUは2%程度の使用率、メモリは多くても60%の使用量となった。


 では、12枚ではどうだろうか。こちらは出来上がりサイズが19456×10944ピクセルの55.7MBというデータサイズになった


 連結した巨大な画像をそのままPhotoScape Xで編集してみたところ、もたつきは感じられなかった。ただ、保存には3秒ほど時間がかかり、CPUやメモリの負荷もそれなりにかかっていた。


 たまに必要になる動画編集を想定して、字幕やトランジションの挿入などを試してみたが、スムーズであった。とはいえ、10分程度の元動画から1分半程度の尺の動画を切り貼りしながら作る程度なので、本格的に動画作成をしたいという人にはあまり参考にならないかもしれない。


●ベンチマークスコアはどうか?


 ここまで実際の使用感を紹介したが、客観的な判断も欲しい。そこで各種ベンチマークテストを行ってみた。


「CrystalDiscMark 8.0.4×64」


 まずは「CrystalDiscMark 8.0.4×64」(ひよひよ氏作)からだ。こちらを使い、SSDの読み書き速度を計測した。設定で「NVMe SSD」を選んでから5回計測し、その平均は読み出し速度が毎秒4782.2MB、書き込み速度が毎秒3330.5MBとなった。最高では読み出し速度毎秒5252.5MB、書き込み速度毎秒4720.6MBであった。


「CINEBENCH R23」


 次に、CPUの処理性能を3Dレンダリングで測定する「CINEBENCH R23」を走らせてみた。こちらも5回行ったテストの平均スコアを計算したところ、マルチコアで「8991」、シングルコアで「1604」であった。


 今回のスコアを見ると、シングルコアのスコアがかなり高いようだ。


「PCMark 10 Extended」


 総合性能を詳細にテストする「PCMark 10 Extended」では、総合スコアが「5952」、かんたんなPC作業での快適度を表すEssentialsは「10445」、オフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作の快適度を表すProductivityは「9864」、写真や動画などデジタルコンテンツ編集のDigital Content Creationは「7420」、Gamingでは「4437」となった。


 一般的に、Essentialsで「4100」以上、Productivityで「4500」以上、Digital Content Creationで「3450」以上が望ましいとのことなので、全体的にとても快適に使えるということが分かる。


「ドラゴンクエストXベンチマークテストVer.1.6.1」


 NES風デザインのミニデスクトップPCなので、ゲームにも耐えられるかチェックしたい。まずは「ドラゴンクエストXベンチマークテストVer.1.6.1」からだ。


 フルウィンドウかつ標準品質でのスコアは「10570」で「すごく快適」との判定。そこでフルウィンドウのまま最高品質に切り替えてみたところ、こちらも「すごく快適」となった。スコアは「10176」だ。


「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」


 「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」でもフルウィンドウでテストした。「高品質(デスクトップPC)」でのスコアが「4467」で「普通」「最高品質」が「4030」で「普通」。「標準品質(デスクトップPC)」に設定してようやくスコア「6743」の「やや快適」という結果が得られた。


「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」


 「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」ではどうだろうか。こちらもフルスクリーン、解像度1920×1080ピクセルのままで複数の品質での動作を確認してみたが、標準品質では「2359」で「重い」、高品質では「1845」で「動作困難」となってしまった。


 そこで、軽量品質に変えてみたが、やはりスコアはふるわず「2930」の「やや重い」となった。


 「FINAL FANTASY XVは遊べないのか……?」と思いつつ、解像度を1280×720ピクセルにしてみたところ、スコアは「4498」の「普通」となった。これならギリギリ遊べるかもしれない。


 オフィスワークはそつなくこなすが、AAAタイトルの最新ゲームをプレイするのはさすがに厳しそうなAM02──次回はオプションで購入した「8bitDo Controller」をつなげてのゲームプレイの模様を紹介したい。


※評価機は技適未取得機器でしたが、実験棟の特例制度の開設届出は提出、受付を完了した上で操作しています。


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