国税局のガサ入れに税理士を逆恨み!「ヤバすぎる社長の発言」に退職を決意するまで

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2024年04月05日 16:01  日刊SPA!

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※画像はイメージです
 入社した会社で違和感を覚えても、すぐには退職と直結しないことも多いのではないだろうか。けれど、水宮美由紀さん(仮名)は自身の体験から、「勤務中に違和感を覚えたら、退職までの計画だけでも早いうちに立てたほうがいい」とアドバイスしてくれた。
 以前に勤めていた会社の人間関係に悩み、退職を考えていたという水宮さん。そんなとき、仕事関係で知り合い、仲良くしてもらっていたTさん(男性・40代)から「ちょうど欠員が出そうなので、ウチの会社で働かないか」と声をかけられる。

◆転職先でドン引きした社長の行動

「Tさんとは1年以上前にクライアント先が同じだったことがキッカケで知り合い、仲良くしてもらっていたこともあり、正直すごく嬉しいお誘いでした。そして、Tさんから社長に話をしてくれ、めでたく転職することになったのです」

 ところが入社して早々、次々と違和感に直面する。社長は陽気な人だったが、しゃべりすぎるところがあり、あからさまに有頂天になるタイプ。あるとき営業から戻ると、社長が上機嫌でデスクの上に座って足を組んでいてドン引きしたこともあった。

「個人情報や情報漏洩に厳しくなっているこのご時世にもかかわらず、お客さんから別のお客さんについて聞かれると、ペラペラと話していることも日常茶飯事。そして、週2〜3回は飲み会を開催し、私を含む従業員4人全員に誘いの声をかけていました」

◆二重帳簿が発覚して国税局が突入

 水宮さんは「この会社は、毎日のように飲みに行けるほど儲かっているのだろうか?」と、日を追うごとに疑問が湧いてくる。けれど、自分自身はほとんど飲みに行かなかったため、そこには触れずに過ごしていた。

「そんななか、使用した収入印紙を水に浸して再利用しているのを専属の税理士さんにみつかり、叱られている社長を目撃したんです。ほかにも、勤務中に先輩社員と社長が話している内容で『それって、大丈夫なの?』と思うことが何度もありました」

 でも、まさか社長が二重帳簿を付けていて、国税局が突入してくるとは想像もしていなかったという。従業員は4人と少ないが、法人としての届け出もしている会社。水宮さんにとっては、「まさか」の出来事だった。

「ある日、会社の電話を取った社長が青ざめた声で『国税が……!』と、あたふた。電話を切るとすぐに『いまから国税が入るらしい!』と、会社の隅にある金庫から資料のようなものをたくさん取り出し、小さいダンボールに詰めはじめたのです」

◆新しい税理士がやってきた裏で

 そしてなんと、水宮さんたち4人の従業員に、それぞれそのダンボールを持って行くよう指示。「え……これって、隠蔽では?」と青ざめる水宮さんを救ったのは、国税局の到着だった。やってきた国税職員たちから「触らないように」「手を放して」と注意があり、全員が手を放す。

「国税局の調査により、社長の二重帳簿が発覚。社長は追徴課税を支払うことになり、その後は飲み会も自粛せざるをえなくなってストレスが溜まっているようでした。そんな社長のもとへやってきたのが新しい税理士さんだったので、それはもう大騒ぎです」

 国税局が入る前のタイミングで前の税理士は辞職しており、同じ税理士事務所から別の税理士が派遣されてくることとなったのだ。辞めた税理士から挨拶がなかったこと、国税局が入ったタイミングで税理士が交代になったことについても、新しい税理士に猛追及。

◆犯罪の片棒を担がされる前に

「新しい税理士さんは否定しているのに、前に来ていた税理士が国税局に密告したのではないかと決めつけて怒り狂っていました。そして、『飲みにも連れて行ってやって、あんなに可愛がってやったのに…』と、憤慨。辞めた税理士さんに電話をかけまくっていました」

 電話に出ない税理士に対し、社長は留守電攻撃。怒りが滲んだ声で「連絡してほしい」とメッセージを残していたとか。とにかくヤバすぎる社長に、水宮さんは退職を決意するが、生活のこともあるためすぐには辞められなかった。

「国税局が入ったことで秘密にすることもなくなったと思ったのか、Tさんを含む先輩社員からは、嘘とも本当とも取れない社長の悪事についても聞くようになり、ますます嫌な気持ちに。犯罪の片棒を担がされないうちに、とにかく早く辞めたかったです」

 いまは無事に辞めることができ、ホッとしているという水宮さん。「誰かの紹介やヘッドハンティングだからと安心せず、入社予定の会社についてはよくリサーチするのがおすすめ。そして違和感を覚えたときは、退職も視野に入れてほしい」とアドバイスしてくれた。

<TEXT/夏川夏実>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5

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