15年負け続けた投資家が3年で資産1億円つくった投資法「100社程度から10倍株を選ぶだけ」その見極め方は?

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2024年04月05日 16:01  日刊SPA!

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IPOセカンダリー投資は仕事で忙しい兼業投資家にも向いている(写真はイメージ)
投資歴20年のうち15年間は負け続け。それでもひたすら相場に向き合い、遂には資産1億円間近まで躍進した男がいる。それが、テンバガー投資家X氏だ。

2020年時点では運用資産が700万円だった彼。コロナ禍では残高100万円にまで追い込まれた瞬間もあった。そこから4年弱で1億円間近まで増やせた要因が、IPO直後の株を買う「セカンダリー投資」に目覚めたことだった。

とはいえ、IPO直後の株を買えばどれでも上昇するわけではない。むしろ底値で買ったつもりがさらなる二番底に突入するリスクだってある。にもかかわらず資産を爆増させた裏にはどのような銘柄選びの目があるのか。気鋭の投資家がやっている、「10倍になる銘柄(テンバガー)」を見極めるコツに迫った。(記事は全3回の1回目)

◆持ち株が「〇〇ショック」でことごとく暴落

私の投資歴は20年ほどですが、投資で勝てるようになったのはここ最近のことです。そもそも投資を始めたのは、大学生の頃に振り込まれた奨学金を投資の原資に回したことがキッカケでした。でも、なかなか思うような結果は出ず、稼ぐことができない日々が続いたのです。

当時は新興株であったライブドアなどに投資をしていましたが、ライブドアショックにより暴落。その後は東芝、三菱重工、日立、シャープのような大型株投資に移行したものの、リーマン・ショックや東日本大震災などで仕込んだ銘柄が軒並み急落し、さらにはアベノミクス相場でも出遅れるなど15年間は負けてばかりの投資生活でした。

そんな私が勝てるようになったのは、5年ほど前に「IPOセカンダリー投資」という手法を知ったからです。知ったきっかけはたしか、新聞記事にサラリーマン投資家の弐億貯男さんの記事を読んだことだったと思います。「この手法は自分に合っている」と感じ切り替えたところ、私の投資人生に大きな転機が訪れました。

◆IPO銘柄に絞るのが「最も効果的な10倍株の見つけ方」

IPOセカンダリー投資とは何かというと、上場後間もない銘柄に投資をする手法となります。この手法であればIPO抽選に外れたとしても、銘柄を購入することができるので誰でもマネができる手法だと考えています。

そもそも株式投資において、約4000社ある上場企業の中からいわゆる「10倍株」を見つけ出すのは非効率的だと私は考えています。一方で、新規上場する会社は毎年約100社ほどです。そこに絞ってテンバガー候補を選ぶほうが効率的で確率も高いと言えます。

とある新聞記事によると、上場後の安値から数年かけてテンバガーになる銘柄の割合は、30〜50%に達する年もあるそうです。また、テンバガーにこだわらなければ、2、3倍に成長する銘柄はさらに多く存在することになります。

◆銘柄リサーチも「会社のトイレで済ませられる」

このような理由から、テンバガー候補を見つけるには上場後数年以内の銘柄に絞ったほうが効率がいいということになります。私自身は上場承認された銘柄をすべてチェックしているため、上場前の銘柄に絞っています。

上場予定銘柄のチェックは、「やさしいIPO株のはじめ方」というサイトに事業内容が書かれているので大まかに確認します。加えて、各銘柄の目論見書なども確認し、よさそうであれば投資を検討するという流れです。

これなら1ヶ月に換算すると10社にも満たない程度のリサーチで済みます。会社員でもトイレなどのスキマ時間で確認できる程度の作業量です。なので、私のような兼業投資家にとってIPOセカンダリー投資は、効率も確率も良い手法なのではないかと考えております。

◆駐車場運営の「アズーム」でテンバガー達成

私は実際に、この手法を用いてテンバガーを達成しました。テンバガーを達成した銘柄は、月極駐車場のサブリース事業を行っているアズーム(東G・3496)です。駐車場サブリース事業を通じて安定収入を得ながら、駐車場の拡大と月額利用者数の積み上げで業績拡大を続けてきた会社です。

私がアズームの株を買ったのは、ちょうどIPOして一年後くらいの頃でした。ただ当時はPERが100倍くらいで、買った直後に株価が下がってしまい、一時は100万円近く損をしました。

しかしその後、コロナショックでさらに株価が下がった時にはPERが20倍を切ったあたりで買い直し。その時の株価が今の株価に換算すると500円くらいでした。その後にアズームは高騰し、最高値の時には買値の17倍まで株価が上がりました。

今は少し下がって13倍くらいですが、それでも利益はかなりのものです。このアズームは、今現在も売上や利益も伸び続けているので、まだまだ長期で持ち続けられる銘柄だと私は思っています。

◆日経平均が好調だからこそ、IPO市場にチャンスあり

現在は日経平均が史上最高値を更新し、いったん調整局面を迎えているものの、私は再び高値を更新していくと考えています。

理由としては、現在の株価上昇はバブル期のような過熱感はなく、業績の裏づけがあるからです。そして、円安傾向が続いていることや普段の生活で感じるくらいインフレ傾向が続いていること。さらに東証が上場企業に対してPBR1割れに対する対策を求めていること、日本株の見直しによる外国人主導の買いが入っていることなどから、日本株は米国株のように今後も右肩上がりに上昇していくと期待しています。

一方でグロース指数はさほど上がっておらず、出遅れが指摘されています。ただ、グロース市場に多く上場されるIPO銘柄が冷え込んだほうが、私のようなセカンダリー勢にとってはチャンスが増えると思っています。株価が割安のままの上場直後の銘柄が多く、その中には大化けする可能性を秘めた銘柄が放置されているからです。

もちろん、どの銘柄でも上がるわけではないので、スクリーニングで見極めることが重要になります。私の場合、時価総額や株主構成なども見ますが、なによりも重視しているのはビジネスモデルです。堅固なビジネスモデルを持っている会社であれば、市場動向に左右されずいずれは伸びてくることがわかっているからです。

日経平均や円相場などの将来を予測することは不可能です。そのため、私は株価を予測すること自体が意味のないことだと考えています。インデックス投資も行っていません。むしろ、「どんな市況でも上がるであろう銘柄」を見つけることこそ、資産を増やす最適解だと思っています。(1回目/全3回)

<取材・構成/渡辺大樹(ミドルマン)>

―[資産[10倍]にする投資術]―

【個人投資家 テンバガー投資家X】
IPOセカンダリー投資を駆使して“億トレ”目前に。著書に「トイレスマホで『無限10倍株』」。Xは@Investor__X

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