『ONE PIECE』イムとニカの関係は? 考察によって浮かび上がる「羊」モチーフと古代エジプトの神

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2024年04月06日 07:10  リアルサウンド

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photo:Armando Castillejos(Unsplash)

※本稿は『ONE PIECE』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。


 現在、激動の展開を迎えているマンガ『ONE PIECE』。なかでも衝撃的なのは、これまで謎に包まれていた“世界最高権力の闇”が露わになりつつあることだ。今回は第1110話「降星」における五老星についての描写を糸口として、イムの正体について考察してみたい。


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  同エピソードでは、Dr.ベガパンクが世界に向けて発信し始めたメッセージを止めるため、未来島エッグヘッドに五老星のメンバーが集結。それぞれが“怪物”のようなフォルムに変身しており、ジェイガルシア・サターン聖は「牛鬼」(ぎゅうき)、マーカス・マーズ聖は「以津真天」(いつまで)、トップマン・ウォーキュリー聖は「封豨」(ほうき)、イーザンバロン・V・ナス寿郎聖は「馬骨」(ばこつ)、シェパード・十・ピーター聖は「サンドワーム」と呼称されていた。


  なぜかこの怪物たちのモチーフは、代表的な家畜と対応しており、前半の4人は牛、鳥、豚、馬になぞらえられる。そして東洋の思想では「五畜」という考え方があり、諸説あるが牛・鳥・豚・馬・羊が挙げられることが多いようだ。これを五老星と比較してみると、羊が空席となっていることが分かるだろう。


  そこで一部の読者のあいだでは、五老星の上に君臨するイムが羊もしくは山羊と結びつくのではないかという考察が盛り上がっている。


  実はイムを羊(山羊)と対応させる説は、以前から存在していた。というのも単行本の25巻では、表紙にシャンクス、ルフィ、黒ひげ、バギーの4人が並んでおり、その中心にセンゴクのペットである山羊が描かれている。奇しくもこの4人は後に四皇となるメンバーであるため、中央にいる山羊が世界の中心であるイムを示唆しているのではないか……と言われていたのだ。


  ともあれ問題は、イムが羊もしくは山羊をモチーフにしているとして、その正体は何なのかということだろう。五老星が動物をもとにした妖怪や空想上の生き物に変身できるのと同じように、イムの正体も超常的な存在である可能性が高いはずだ。


イムの正体は古代エジプトの神話に関わる?


  羊や山羊をモチーフとした神話生物にはさまざまな種類があるが、代表格としてはやはりバフォメットが思い浮かぶ。人間と山羊が一体化したような見た目で、キリスト教における悪魔とされている生き物だが、「イムの正体は悪魔である」という説が存在することを考えると、1つの有力候補と言えるかもしれない。


  ただ、それよりも重要だと思われるのが、古代エジプトで信仰を集めていたアメン神の存在だ。アメン神は上エジプトの都市・テーベの守護神であり、後に太陽神ラーと習合することでアモン=ラー信仰として国家規模にまで影響を拡大したという。


  そんなアモン神の象徴は羊だとされており、ヨーロッパにおけるアモン(悪魔)の由来になったという話もある。なにかとイムを連想させる概念と結びついているように見えないだろうか。さらに、イムの独特なシルエットは古代エジプトにおける正体不明の神・メジェドに似ているが、一説によるとメジェドの中身はアメン神ではないかとも言われているそうだ。


  そう考えると、アメン神が太陽神と習合していることも示唆的だ。『ONE PIECE』において太陽神といえばニカであり、真っ向からイムと対立する存在として描かれてきたが、実は両者のあいだには何らかの強い結びつきがあったのかもしれない……。


  今のところすべては憶測に過ぎないが、ニカとイムはどちらも赤い瞳という共通点を持っている。今後の展開によって、イムの正体の核心に迫るような情報が出てくることを期待するばかりだ。


(文=キットゥン希美)


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