パナソニック、家電10カテゴリーで「リファービッシュ品」の販売を本格化

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2024年04月11日 11:01  BCN+R

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「Panasonic Factory Refresh」は指定価格製品のうち10カテゴリーが対象
 パナソニックは4月10日、国内BtoCマーケティングにおける「新たな商売の基準」と題する説明会を開催。その中でサーキュラーエコノミーの実現に向けた新サービスとして、同社の厳格な基準で検査した再生品(保証付)を「Panasonic Factory Refresh」ブランドで自社ECのPanasonic Store Plusで販売、または定額利用サービス販売すると発表した。指定価格製品のうち10カテゴリーが対象になる。

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●冷蔵庫や洗濯機で約2割引き

 「Panasonic Factory Refresh」は、パナソニックグループ製造事業部が監修する、厳格な出荷基準を満たした高品質なリファービッシュ品のこと。主に初期不良や店頭展示品、定額利用の契約終了品などをクリーニングしたりして再生する。

 あまり広く知られていないが、実は2023年12月から1年間の保証を適用したドラム式洗濯乾燥機と4K有機ELテレビは、リファービッシュ品をスタートしている。

 また、リファービッシュ品の定額利用サービスは、23年6月からヘアードライヤー ナノケアで、24年2月から卓上型食器洗い乾燥機で提供。今回、ラインアップにポータブルテレビ、ブルーレイディスクレコーダー、ミラーレス一眼カメラ、冷蔵庫を加えるとともに、24年9月には電子レンジと炊飯器を加えて計10カテゴリーで事業を展開する予定だ。

 価格は年数や傷、修理、使用状況により変わるが、4月10日現在、冷蔵庫や洗濯機で約2割引きとなる。

●サーキュラーエコノミーの実現に向けた意思表明

 パナソニック 執行役員 コンシューマーマーケティング ジャパン本部長 兼 くらしアプライアンス社 副社長 国内マーケティング担当で、パナソニック マーケティング ジャパン 代表取締役社長でもある宮地 晋治氏は「ボリュームは決して多いわけではないが、世の中の流れや経済産業省のCE戦略(成長志向型の資源自律経済戦略)に沿って、日本の企業として積極的に参画し、貢献していきたい。トレーサービリティやガイドライン、ルール整備が必要になるケースもあるだろうが、国の指導や支援を受けながら、その仕組みを日本の社会につくっていきたい。そのスキームを立ち上げるためのスタートとして受け止めてもらいたい」と語った。

 Panasonic Factory Refreshの目標とする売上高や取扱台数などは決まっていない。まずはスモールスタートで始めて、調整しながら推進していく。

 課題もある。サーキュラーエコノミーを実現させるには、行政や自治体、パートナー企業との協力が必要になる場面も出てくるという。

 例えば10カテゴリーの再生施設は、多くは宇都宮工場で手掛ける。ドライヤーと炊飯器、電子レンジは奈良の拠点、冷蔵庫は愛知のパートナー拠点などとなる。

 現状では、再生するための製品を遠方から回収するほど物流コストが膨らむ。そのためリファービッシュ品の扱い規模が大きくなるにつれ、地域ごとで再生できるスキームをつくっていく必要性が生じる可能性もある。

●IoTで約900万の顧客とつながり

 パナソニックは23年4月に「新・商売の基準」を発表。従来の売り切り型モデルではなく、1年のメーカー保証に加え、2年の延長保証を無料で適用する「IoT延長保証サービス」で顧客とつながるモデルの提供を開始した。

 アプリ接続を通じて、クリーニングサービスや相談、故障時の遠隔診断など顧客とつながり続けることで、購入後の満足度を向上させるのが狙い。

 24年度の目標として、同社の家電全体の販売に占める「IoT家電構成比6割」の達成と、「1000万のお客様と深くつながりつづける」ことの二つを掲げた。今回はその進捗状況の発表もあり、IoT延長保証サービス対象機種は7カテゴリーで約500品番、23年度末で約900万の顧客とつながっているという。

 今回の「新・商売の基準」は、昨年に続く第二弾としてサーキュラーエコノミーの実現に具体的に取り組んでいくというパナソニックの強い意思を表明した形だ。(BCN・細田 立圭志)

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