着脱式スタンドで縦置きや壁掛けも対応! 14型モバイルディスプレイ「GeChic On-Lap M141E」を試す

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2024年04月12日 12:11  ITmedia PC USER

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14型のモバイルディスプレイ「On-Lap M141E」。ボディーサイズは約316(幅)×215(奥行き)×7.1〜17.3(厚さ)mmだ

 今回取り上げる「GeChic On-Lap M141E」は、14型のモバイルディスプレイだ。独自設計のバータイプのスタンドにより、縦置きにも対応するのはもちろん、オプションのデスクトップ用スタンドや壁掛けキットによる設置も可能など、設置性の高さはピカイチのモデルである。販売代理店から機材を借用したので、レビューをお届けする。


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●差し替え自在なバータイプのスタンドを採用


 まずは、基本的な仕様を押さえておこう。画面サイズは14型で、解像度は1920×1200ピクセル、パネルはノングレアで、視野角は水平/垂直ともに178度だ。コントラスト比は1200:1、輝度は250ニト、応答速度は12.5msで、タッチ操作には非対応となる。


 接続方法はUSB Type-CとHDMIの2系統だ。USB Type-Cは2ポートを搭載しているが、片方は電源入力専用で、試してみた限りパススルー充電にも対応しない。ちなみに、イヤフォンジャックやスピーカーを内蔵しないなど、音声出力系の機能は省かれている。


 デザイン上の特色として、上下のベゼル幅が等しいことが挙げられる。多くのモバイルディスプレイは上部よりも下部のベゼル幅が広く、縦置きにした時にアンバランスに見えるが、本製品はそうしたこともない。縦置きで使う機会が多い人には最適だろう。


 スタンドはフォトフレームに似たバータイプで、背面に折りたためるだけでなく、挿す方向を変えれば縦置きにも対応する。同社がクイックリリーススタンドIIと呼ぶこの機構は、以前紹介した「On-Lap M152H」にもその前身が搭載されていたが、本製品では縦置きにも対応するなど進化している。


 ちなみに、横置き時は40〜80度、縦置き時は30〜75度まで角度を変更できる。


 この他、本製品はデスクトップ上で使うための高さ調節が可能な専用スタンドや、壁に掛ける際に使うブラケット(いずれも別売)も利用できる。クイックリリーススタンドIIと差し替えるだけなので、交換のためにわざわざネジを外すような手間もかからない。他のモバイルディスプレイにはない、本製品の最大の利点と言っていい。


 重量は公称値で696g、実測だとスタンド込みで702gと14型としては軽量な部類に入る。持ち歩きやすいのはもちろんのこと、オプションのスタンドやブラケットに取り付ける場合でも、重量のせいで不安定になる場合は少ないだろう。


 付属品はUSB Type-CとHDMIの両接続方式それぞれに使うケーブルに加え、USB Type-CをUSB Type-Aに変換するアダプター、クイックリリーススタンドII、収納ケースが用意される。収納ケースは片面が硬い仕様で、画面が押されて割れるのを防止できる。おまけレベルの保護ケースと一線を画したタイプが付属するのはポイントが高い。


 それでは、早速使って見よう。


●背面の仕様は独特だがメリットはあり


 では実際に使ってみよう。接続方式はUSB Type-CもしくはHDMIのどちらかで、HDMIの場合は給電のためにUSBケーブルも挿す必要がある。


 一般的なモバイルディスプレイとの大きな違いとして、ケーブルの差し込み口が本体側面ではなく背面中央にある構造物の側面にあることが挙げられる。この構造物は前述のクイックリリーススタンドIIを差し込む基部にあたり、背面のかなり上にあることから、側面にあるポートにケーブルを接続すると、垂れ下がった状態になってしまう。


 これは一長一短がある。ケーブルの余剰部分が長くなるため、引っ掛けて本体を倒してしまうなどの事故が起こりやすくなる一方、本体の両側面から出ている場合のように左右に置いたノートPCに干渉することはなく、縦置き時にケーブルの向きが変わっても対応しやすい。横から見るとケーブルがやや上方から出ていて見た目はギョッとするが、メリットは十分ある印象だ。


 多少気になるのは、クイックリリーススタンドIIの奥行きが想像以上にあることだろう。そのため壁際に設置したり、ノートPCと背中合わせに設置したりする場合は、やや間隔を開けなくてはいけない。そういった使い方が多くなる場合は気をつけた方がよい。


 OSDメニューを操作するためのボタン類は背面上部に配置されている。前述のポートと同様、他の製品ではあまり見かけない配置だが、横置きはもちろん縦置きでも、壁掛けなど背面がふさがった状態でも操作できる合理的な配置だ。


 ちなみに、ボタンはLEDを挟んで5つある。いちばん左が電源ボタンで、右の4つは「戻る」「実行」「移動ボタン×2」となっている。昨今のモバイルディスプレイは部品点数を減らすためか電源ボタンと「戻る」「実行」が共用だったり、「戻る」の割当自体がない場合もあったりするが、本製品は役割ごとにボタンが用意されており、直感的に使える。


 ただし、2つの移動ボタンについて、右移動させるには左側、左移動させるには右側と、割当が逆になっているのはいただけない。これがタブレットならば画面の向きによって音量ボタンの向きが結果的に逆になってしまうことはあるが、本製品のそれはさすがに何らかのミスのように思える。早期に修正されることを期待したい。


 なお、OSDメニューを表示させずに移動ボタンを押した場合のショートカットには、輝度調整が割り当てられている。この辺りの設計もオーソドックスで使いやすい。ちなみに本製品は音声出力機能がないこともあり、左右の移動ボタンのどちらにも輝度調整が割り当てられている。


●優秀な使い勝手 縦置きでの利用頻度が多い人向け


 以上ざっと使ってみたが、基本をしっかり押さえた設計で、なおかつクイックリリーススタンドIIなどによる多彩な設置方法に対応するなど、使い勝手に優れたモデルだ。ポートやボタンの位置こそ独特だが、実際に使ってみた限りでは合理的で違和感もない。


 人によって気になるかもしれないのは、スピーカーおよびイヤフォンジャックという音声出力系の機能が皆無なことだが、その場合は以前紹介したOn-Lap M152Hなどスピーカー搭載モデルを選べば済むので、ラインアップとしての整合性は(画面サイズは違うが)きちんと取れている。


 実売価格は2万円台半ば〜後半ということで、付加価値の多さを考えればお買い得感は高い。特に縦置きで使えるモデルを探している人に、おすすめできる製品と言えそうだ。


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