少年ジャンプ『魔々勇々』なぜ連載終了に? 芥見下々「転換点になり得る傑作」の高評価も……

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2024年04月14日 07:00  リアルサウンド

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(c) 林快彦/集英社

  林快彦によるバトルファンタジーマンガ『魔々勇々』が、4月8日発売の『週刊少年ジャンプ』19号(集英社)に掲載された第29話をもって完結を迎えた。魅力あふれる展開によってファンの心を鷲づかみにしてきた作品だったため、完結を惜しむ声が相次いで上がっている。


  同作は、勇者と魔王が共存しているファンタジー世界が舞台。平和な時代に生まれて自分のアイデンティティを失いかけていた勇者・コルレオのもとに、別の世界からやってきたという勇者や魔王が次々と現れ、戦乱に巻き込まれていく。


  ユニークな設定に「紋章術」を使った能力バトル、『チェンソーマン』作者・藤本タツキの影響を感じさせるスタイリッシュなコマ割りなど、同作にはさまざまな面白さが詰まっているが、とくにキャラクターの魅力に関しては唯一無二と言えるものがあった。最初に仲間になったエリシアは人懐っこい大型犬のような勇者で、その後も自称“大アイドル魔王”のミネルヴァや変人勇者のサディコなど、インパクトの強いヒロインが次々と登場していった。


  設定や言動の奇抜さだけでなく、それぞれ胸に宿した“信念”を表現するためのエピソードがしっかり用意されており、主人公・コルレオとの関係性を築いていくところも丁寧に描写されている。


  熱狂的な読者も数多く生まれており、2月に発売されたコミックスの1巻は発売後に即重版がかかった上、4月にはふたたび重版。また、『呪術廻戦』の芥見下々からは1巻発売時の推薦コメントで「センスがあるってこういうこと!! 私は林先生をジャンプの転換点だと思っています!!」と激賞されていた。


  だからこそ、約7カ月という連載期間で物語が終了することを受け入れがたいというファンも多いようで、SNS上ではさまざまな意見が交わされている様子だ。


  実のところ短期間で連載が終了したことは、必ずしも作品の良し悪しとは関係していないように思われる。『週刊少年ジャンプ』には少々特殊な環境があり、いわゆる読者アンケートシステムとの相性が大きく影響しているからだ。


  今年に入ってからも、『暗号学園のいろは』や『アスミカケル』などの連載作品が熱狂的な人気を博しつつ、アンケートシステムと馴染めずに終了を迎えている。


なぜアンケートシステムとかみ合わなかったのか

  他方で『魔々勇々』に関しては、「勇者と魔王」という題材が意外に世代や読者層を限定するものだったのではないか……という説もちらほら見受けられる。『ドラゴンクエスト』シリーズなどを始めとして、ファンタジーでは王道の設定ではあるものの、たしかに小中学生の読者なども含めて誰もが知っているとは断言しにくい。


  冗談のような話だが、最近では『葬送のフリーレン』がアニメ化された際にも、エルフやドワーフといったファンタジーの定番設定が“世代によっては意外と伝わらない”という話題が盛り上がっていた。


  とくにアンケートシステムで動いている『週刊少年ジャンプ』の場合には、少しでも間口を広げることが重要になる。そうした前提を考えると、そもそも「王道の設定をあえてひねる」という手法自体が、新連載には向いていないのかもしれない。あるいは多少凝った設定でも受け入れられる『少年ジャンプ+』であれば、長期連載が可能だったのかもしれないが……。


  ともあれ作者はこれまでに『へのへのもへじと棒人間とパンツ』や『絵に描いた餅を描いた餅』などのすぐれた短編を発表し、そのたびに大きな話題を呼んできた。稀有な才能をもつ作家であることは間違いないので、次なる作品への挑戦を心から応援したい。



 


 


このニュースに関するつぶやき

  • ほんとに最序盤のなんか凄そう感はあったんだけどなぁな印象。あの時期の新規で残ったの今のところ鵺とキルアオてのも残当かなと思う。
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