少しでも借入金を減らしたいです…住宅ローンを「繰り上げ返済」したら損なのでしょうか? 心配なのは3つのリスク…FPに聞いた

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2024年04月16日 07:00  まいどなニュース

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繰り上げ返済に潜むリスク ※画像はイメージです(MP Studio/stock.adobe.com)

「残っている住宅ローンのことなんて考えたくもない」

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月々の支払いを考えると、とても憂鬱になる方もいるのではないでしょうか。家は多くの人にとって一生の買い物。大抵はローンを組んで購入し、数十年という年月をかけて、上乗せされた利息とともに返済します。ある程度の貯金ができた、返済期間を短くしたいなどの考えから、返済期間中に「繰り上げ返済をして、少しでも借入金を減らそう」と考える方も少なくないでしょう。もともと組んでいたローンを見直して、繰り上げ返済を取り入れれば、全体の支払金額は減るため一見お得で、利用しないのはもったいないように思えます。しかし隠れたリスクがひそんでいるのも事実です。住宅ローン繰り上げ返済の仕組みとリスクについて解説します。

住宅ローンの繰り上げ返済とは

繰り上げ返済とは、元金を前倒しで返済することです。そもそも住宅ローンは借金なので、支払うのは住宅の購入費だけではなく、上乗せされた利息も支払わなければいけません。繰り上げ返済をすることで、元金の部分にかかる利息を支払わなくて済みます。

繰り上げ返済の仕組み

繰り上げ返済には2種類の方法があり、それぞれの仕組みを解説します。ひとつは未返済分の元金を一括で全額返済するシンプルな方法です。そしてもうひとつの方法は、元金の一部を繰り上げ返済する方法です。元金の一部を繰り上げる方法は少し複雑で、「期日据置型」と「期日短縮型」があります。期日据置型は、返済期間は変えずに毎月の返済額を減らす方法です。一方の期日短縮型は、毎月の返済額は変えずに、返済期間を短くする方法です。トータルで見ると期日短縮型のほうが金利の支払額を減らすことが可能です。

繰り上げ返済に潜むリスク

たとえ、繰り上げ返済ができるだけの貯蓄があっても、繰り上げ返済が最善の手段になるとは限りません。具体的には、下記のようなリスクを考慮し繰り上げ返済するか否かを検討する必要があります。

▽繰り上げ返済のリスク1:手元の資金不足

第一に、手元の資金不足が挙げられます。繰り上げ返済をすれば、確かに将来支払う予定の金利を節約できます。しかし、短期的には手元の資金が減り、生活が苦しくなってしまう場合もあるでしょう。転職や出産といったライフステージの変化に加え、昨今の物価高や金利上昇などに備えて、生活費の3ヶ月から半年分程度の貯蓄は生活防衛資金として確保しておきたい ところです。不測の事態で収入が途絶えたり、まとまったお金が必要になったりすることも考えられます。結果として、日々の資金繰りに苦労してしまっては本末転倒です。手元にどれだけの資金を残す必要があるかについては、しっかりと見極めましょう。

▽繰り上げ返済のリスク2:住宅ローン控除の減額

さらに、住宅ローン控除についても考慮しなければなりません。そもそも住宅ローン控除とは、ローン残高の0.7%を最大13年間所得税および住民税から控除する制度 です。繰り上げ返済をすると住宅ローン控除を受けられなくなるため、住宅ローン減税と繰り上げ返済のどちらを優先すべきか悩む方も多いかもしれません。控除期間中に繰り上げ返済すべきか否かは、金利によって決まります。 金利が高い場合は控除期間中でも繰り上げ返済した方が有利となるケースもあるため、一度シミュレーションをしてみるとよいでしょう。

▽繰り上げ返済のリスク3:団信保障額の減少

もう一つ、「団体信用生命保険」いわゆる「団信」についても考慮しなければなりません。団信とは、債務者が死亡した場合や高度障害を負った場合、残債分を保険会社が負担して住宅ローンの債務をゼロにする生命保険 です。繰り上げ返済すると保障期間は短くなり保障額も減少する ため、タイミングによっては繰り上げ返済せずに手元資金を残しておいた方がよかったという事態にもなりかねません。

また、細かい点ですが、金融機関によっては繰り上げ返済額に制限があったり、手数料がかかったりする場合もあります。複数の要素を加味して、住宅ローンの繰り上げ返済は慎重に判断しましょう。

【監修】佐藤有希子(さとう・ゆきこ)愛知県在住。3級ファイナンシャル・プランニング技能士。2017年よりWebライターとして活動を始め、主に金融・お金に関する記事の執筆を行うこれまで携わった記事は800以上。

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  • 手元資金の運用で金利をカバーできてるうちは残して、金利が上がったら返済すればいいと思う。
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