阪急電鉄、新型車両2300系&「PRiVACE」公開 - 7月導入、写真99枚

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2024年04月16日 16:10  マイナビニュース

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●座席指定サービス「PRiVACE」外観も車内も特別感を演出
阪急電鉄は16日、京都線の新型特急車両2300系と座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」の報道内覧会を実施した。「PRiVACE」の車両は2300系の大阪方から4両目に連結され、車内は横3列(1列+2列)の座席配置に。7月のデビューを予定している。


同社は今夏から、京都線に新型特急車両2300系、神戸線・宝塚線に新型通勤車両2000系を順次投入。ともに日立製作所が製作するアルミダブルスキン構造の車両(8両編成)で、2300系はセミクロスシート仕様、2000系はロングシート仕様となる。



開発コンセプトは「安心と快適、そして環境に配慮した新しい阪急スタイル」。伝統のマルーンカラーや木目調の化粧板、ゴールデンオリーブ色の座席など「阪急電車」のイメージを継承しつつ、前面の窓ガラスに曲線を取り入れ、疾走感を醸し出すデザインとした。

京都線の新型特急車両2300系において、大阪方から4両目に座席指定サービス提供車両(2350形)を連結。サービス名称の「PRiVACE(プライベース)」は「PRIVATE(プライベート)」と「PLACE(場所)」を掛け合わせた造語で、「“自分時間”が過ごせるプライベート感」を表現した。車両デザインも「“自分時間”にこだわる、阪急らしい特別な一両」という考え方にもとづき設計され、とくに内装はプライベート感と快適性を兼ね備えた上質な空間づくりをめざした。


「PRiVACE」車両の外観はマルーンカラーを基調としつつ、ゴールドのラインを施し、一般車両とは異なる特別感を演出。乗降ドアは車体中央部に1カ所のみ設け、ステンドグラスをイメージしたデザインで「特別な空間への玄関口」として存在感を強調した。客室窓は座席1列ごとの配列とし、車窓の景色をより楽しめるようにしている。マルーンカラーの車体色も相まって、外観だけでも格調高い車両との印象を受けた。



横3列(1列+2列)の座席はゴールデンオリーブ色の生地で伝統的なデザインを踏襲しつつ、座面幅と足もとの前後スペースを広く取り、リクライニングに座面が連動する機構を採用。周囲の視線が気にならないように座席頭部側面の形状を工夫し、2列シートにパーテーションを設けるなど、「自分だけのプライベート空間」を感じられる座席とした。収納式テーブル、ドリンクホルダー、荷物用フック、マガジンラック、読書灯、コンセント等を設置し、車内無料Wi-Fiサービスも利用できる。


車いすスペースに隣接する座席は車いす利用者の優先席に。客室端部にスーツケース等を収容できる共用荷物コーナーも設けた。車内の状況を確認できる防犯カメラと、車内環境を快適にする空気清浄機も搭載。床面にカーペットを採用して車内の静粛性に配慮するとともに、間接照明を採用し、荷棚の素材を半透明とすることで、手もとにも十分な光が届くようにした。出入口部は壁面下部と床に落ち着いた木目調の素材、壁面上部に大理石調の素材を施し、ダウンライトでやわらかく照らして上質な空間を演出する。



座席指定サービス「PRiVACE」は2300系だけでなく、既存の特急車両9300系も一部編成の大阪方から4両目に連結する予定。乗車の際、運賃に加え、1乗車あたり500円の座席指定料金が必要となる。専属のアテンダントが添乗し、座席への案内等を行う。京都本線の京都河原町駅から大阪梅田駅まで運行される特急・通勤特急・準特急を対象に、7月から1時間あたり2〜3本でサービス開始。その後も編成を順次増やし、2025年頃には1時間あたり4〜6本へ拡大するとしている。


●2300系の一般車両も快適性向上、バリアフリー設備も充実
京都線の新型特急車両2300系は、伝統的な「阪急電車」のイメージを継承しつつ、より安心かつ快適な移動空間を提供するため、座席指定サービス「PRiVACE」に加え、一般車両においても快適性を高めるとともに、バリアフリー設備のさらなる充実を図った。異常時の対応力や省エネルギー性能の向上もめざした車両だという。



2300系の外観はマルーンとアイボリーの車体色と直線的なデザインを継承した上で、前面の窓ガラスに曲線を取り入れ、時代の先端を行くイメージにふさわしい「疾走感」を表現。一般車両の車内はドア間に転換クロスシート、車端部にロングシートを配置したセミクロスシート仕様で、木目調の化粧板やゴールデンオリーブ色の座席といった伝統も踏襲しつつ、落ち着いた車内環境を提供する。ロングシート端部の袖仕切りに半透明の素材を使用し、開放的な空間としている。


省エネルギー性能と静音性に優れたインバータ式空調装置を採用し、花粉・細菌・ウイルスの除去機能やカビ・臭気の抑制効果を持つ空気清浄機を設置。車いすスペースは壁面の手すりを2段とし、車いす固定具を新設したほか、非常通話装置の位置を従来の連結部ドア横から乗降ドア横に変更している。先頭車両の車いすスペースが拡大され、車いす・ベビーカー利用者に加え、スーツケースなど大型の荷物を持った利用者も使いやすくなった。



車いすスペース・優先座席付近の吊り手は従来より低く設定。配色を変更し、車内の離れた場所からも車いすスペース・優先座席の場所が認識できるようにした。優先座席の中間部に握り棒も設置。一般車両にも防犯カメラを搭載し、犯罪・迷惑行為の抑止に加え、事故発生時の状況確認も行う。


省エネルギー性能の向上を図るため、VVVFインバータ制御装置に高効率な半導体素子を採用しており、既存車両との比較で消費電力量を約60%削減。車体側面に設置された行先表示器のLEDは、走行中に消灯することで消費電力量のさらなる低減を図る。



阪急電鉄における車両のモデルチェンジは2013年以来、11年ぶりとのこと。京都本線では現在、9300系や1300系などの車両が活躍中だが、座席指定サービス「PRiVACE」を提供する新型特急車両2300系が新たな「顔」になることは間違いない。京都本線の特急といえば、現行の9300系も含めて転換クロスシートを特徴としていたが、車内が混雑し、とくに途中駅から乗った場合は座れないことも多かった。それだけに、「どの駅からでも確実に座れる」「目的地の駅まで快適に過ごせる」サービスとなりそうな「PRiVACE」への期待は大きい。(MN 鉄道ニュース編集部)

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  • いよいよ期待のアが登場!名車の誉れ高い先代2300系に追いつけ追い越せ!
    • イイネ!9
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