『寄生獣 −ザ・グレイ−』ヨン・サンホ監督×『幽☆遊☆白書』月川翔監督、実写化の苦悩で意気投合

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2024年04月17日 09:00  ORICON NEWS

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Netflixシリーズ『寄生獣 −ザ・グレイ−』ヨン・サンホ監督と『幽☆遊☆白書』月川翔監督の対談映像公開
 動画配信サービス「Netflix」で独占配信中のNetflixシリーズ『寄生獣 −ザ・グレイ−』のヨン・サンホ監督と、同じく配信中の『幽☆遊☆白書』の月川翔監督の対談が実現。韓国と日本を代表する2人の監督が、人気漫画の実写シリーズ作品を手がけた者同士、意気投合する対談時の映像が公開された。高度なVFXを使ったアクションシーンを作る上での苦悩を共感し合うなど、互いのリスペクトがあふれた貴重な映像となっている。

【動画】ヨン・サンホ監督×月川翔監督、対談映像

 映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』やNetflixシリーズ『地獄が呼んでいる』などを手がけてきたヨン・サンホ監督による『寄生獣 −ザ・グレイ−』は、岩明均氏の漫画『寄生獣』(講談社)が原作。居場所を無くした孤独な女性チョン・スインを主人公に、パラサイト“ハイジ”との奇妙な共存関係を描く。

 映画『君の膵臓をたべたい』(監督)や映画『今夜、世界からこの恋が消えても』(脚本)などを手がけた月川監督は、冨樫義博氏の漫画『幽☆遊☆白書』(集英社)を、北村匠海、志尊淳、本郷奏多、上杉柊平、綾野剛らの出演で実写ドラマ化した。

 対談映像は、『新感染 ファイナル・エクスプレス』を観てからヨン監督のファンと語る月川監督が、ヨン監督を目の前に「マンナソ パンガプスムニダ(お会いできて嬉しいです)」とリスペクトを込め韓国語であいさつするところから始まる。対してヨン監督も、『幽☆遊☆白書』について「とても好きな漫画だったので、ずっと心待ちにしていました。配信日に全話見ました!」と、互いに作品をいち早く鑑賞し合っていたことを打ち明けた。

 『幽☆遊☆白書』はもちろん、日本の漫画が好きで、『寄生獣』を自身のバイブルだと語るヨン監督。30以上の国と地域で累計発行部数2500万部を突破する漫画『寄生獣』は、スリリングな展開、類を見ない世界観、環境問題への警鐘、「人間とは?」といった深淵なテーマが根底にある壮大な物語。

 そんな作品をベースにした『寄生獣 −ザ・グレイ−』を作り上げる上で、ヨン監督は、「映像化したいという僕の話が、原作者の岩明均さんにも伝わったんですが、思いがけず岩明さんが『新感染』のファンで“そういうことでしたら どうぞ”とお返事をいただいたんです。僕がやりたいストーリーラインを伝えたところ、面白がっていただけて、本格的に動きだしました」と、制作の経緯を明かす。

 さらに、「物語の内容は別物になってはいますが、大切にしたのは原作が描いているテーマを今回の作品にどう落とし込むか。泉新一とミギーとは異なる共存方法が必要で、悩んだ末に、チョン・スインとハイジは一方が眠っていないともう一方が覚醒できないようにしたんです」と、原作のテーマを引き継ぐことを大事にしながらも、本作ならではの変化を加えた理由にも言及している。

 『寄生獣 −ザ・グレイ−』では、パラサイトの“乗っ取り”により人間の頭や腕が触手と化すなど、VFXを使った撮影や、巨大なオープンセットでワイヤーを使った大規模なアクションシーンが見どころでもある。ヨン監督は、「撮影で一番難しかったのは、寄生獣の触手が撮影の時は見えないので、ワイヤーで乗り切る状況が全話通して続くんです。『幽☆遊☆白書』でも、戸愚呂兄などは触手や変身がありますが、それがどんなに大変な作業なのかよくわかります」と撮影での苦悩を打ち明け、VFXを使った撮影の難しさに月川監督と共感し合う様子も。

 一方、月川監督は『幽☆遊☆白書』において、種族を越えて交錯するキャラクターたちの躍動や、人間界・霊界・魔界という3つの領域からなる世界観の表現を追及するため、世界中の最先端技術を結集させ、制作期間5年、日米グローバルワンチームの制作体制を敷き、“まだ誰も見たことがない映像表現”に挑戦。“人間界・霊界・魔界という種族の異なる者たちが共存できるのか?”といった実写化のテーマを見出し、物語を紡いでいったと説く。

 一時はテーマを意識しすぎて話が重くなったそうだが、「子どもの時に読んでたのは、もっと痛快なバトルアクションだったよなと思ったので、とにかくお客さんを楽しませることに舵を切って最後は作っていきました」と、“自身の原体験”に回帰したことを告白している。

 作品を鑑賞したヨン監督も「アクションなど、少年マンガが持っているよさが多く入っていてマンガを読んだ時に感じたワクワク感をドラマシリーズでも味わうことができました」と称賛した。

 さらに月川監督は「“クオリティのために必要なリソースはすべて割きます”と、プロデューサーが仰って下さったのと、今まで経験したことないような規模と時間を与えてもらって、それはもう最高の体験でした。あとは世界中の人に見てもらえるというのも、僕にとっては大きな経験になりました」と振り返り、ヨン監督も「Netflixとの仕事の魅力は全世界の観客を相手にできる点ですね」と語り、大きな共感を見せた。

 世界規模で熱狂的な支持を集める原作漫画をふまえた上での作品作り、テーマ、アクション…あらゆる面での経験を打ち明け合い、作り手として通じ合ったヨン監督と月川監督。彼らが今後生み出す作品にも注目だ。


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