アイロボットが4万円切りの「水拭き対応ロボット掃除機」を投入 “一家に1台”を目指す

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2024年04月17日 19:21  ITmedia PC USER

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Roomba Combo Essential robotを披露する挽野社長

 アイロボットジャパンは4月17日、新型ロボット掃除機「Roomba Combo Essential robot」「Roomba Combo i5+」「Roomba Combo j5+」を発表した。いずれも公式オンラインストアや認定販売店で4月19日から販売を開始する予定だ(価格は後述する)。


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●Roomba Combo Essential robotの概要


 Roomba Combo Essential robotは、ロボット掃除機「Roomba(ルンバ)シリーズ」の新たなエントリーモデルとして登場する。「Roomba i2」の事実上の後継機となるが、販売価格を500円程度値下げしながらも、床の水拭き機能を追加したことが特徴だ。ボディーカラーはブラックの他、ユーザーからの要望を受けて「Roombaとしては約11年ぶり」となるホワイトも用意している。


 指定価格(※1)は3万9300円で、サブスクリプションサービス「ロボットスマートプラン+」で新品をレンタル利用する場合は月額1480円となる。


(※1)指定価格制度:商品をメーカーが指定する価格で販売する。販売店は価格決定権を失う一方で、無条件で余剰在庫をメーカーに返品できるため、在庫を抱えるリスクがなくなる。アイロボットジャパンでは、4月17日に発表された新製品から合意の取れた販売店において指定価格を導入する


 Essentialの名前の通り、本モデルは機能を必要最小限に抑えることで手頃な価格を実現している。従来のエントリークラスのロボット掃除機では、ゴミの吸引機能しかない単機能タイプが主流だった。昨今は水拭き機能付きのロボット掃除機が人気を集めていることもあり、本モデルでは水拭き機能を搭載している。


 水拭きモードは、本体の水タンクに清水を入れた上で付属のモップパッドを取り付ければ自動的に有効となる。水の分量は、スマートフォンの「iRobot Home」アプリから行える。


●Roomba Combo i5+/j5+の概要


 Roomba Combo i5+とRoomba Combo j5+は、それぞれ「Roomba i5+」「Roomba j5+」の後継となるクリーンベース付きスタンダード/プレミアムモデルで、先述のRoomba Combo Essential robotと同様に新たに水拭き機能を追加しつつも価格を抑えたことが特徴だ。


 指定価格はi5+が7万9000円、j5+が10万8700円となる。ロボットスマートプラン+で新品をレンタル利用する場合はi5+が月額4480円、j5が月額6980円(キャンペーンで初月のみ3490円)となる。


 両モデルの違いは「搭載するセンサー(物体認識の精度)」「清掃エリアの指定範囲」「進入禁止/拭き掃除禁止エリアの設定可否」の3点で、それ以外の基本仕様は共通する。


 水拭き機能は、Roomba Combo Essential robotが「モップパッドの着脱と清水の注入」で行っていたのに対して、両モデルではダスト容器の取り換えで対応している。水拭きをしたい場合は、付属の「掃除機&床拭き対応ダスト容器」に清水を注入した上で、標準の「掃除機専用ダスト容器」と取り換えることで自動的に有効化される。


 なお、掃除機&床拭き対応ダスト容器を装着中はクリーンベースにおけるゴミの自動収集は無効化される。


●2024年は「ロボット掃除機のキャズム超え」に挑む


 アイロボットジャパンは、iRobotの日本法人として2017年に発足した。それ以来、同社は累計で600万台のロボット掃除機(※2)を出荷してきた。iRobotグループ全体(グローバル)の出荷台数は5000万台なので、世界中のRoombaのうち12%は日本にある計算だ。


(※1)床拭き専用の「Braava(ブラーバ)シリーズ」を含む


 2020年の国勢調査によると、日本の世帯数は約5583万世帯だという。そう考えると、単純計算で日本の全世帯の約10%にRoombaがある状況でもある。


 日本では、長期間使うことを前提とする「耐久消費財」は世帯普及率が10%を超えると一気に普及が進むとされる。単純計算でRoombaが全世帯の10%あるということは、競合企業の製品も含めるて考えればロボット掃除機(ロボット水拭き機)は一定の広がりを見せているのは間違いない。


 アイロボットとしては、現状の日本はロボット掃除機の“キャズム超え”を迎えようとしている段階だと考えているそうだ。マジョリティ層にロボット掃除機を普及させるためには何が必要か――そう考えた結果、低価格で過不足ない機能を備えたエントリー機と、トレンドでもある水拭き機能付きモデルの拡充を行うことにしたのだという。


 価格が手頃な割に高機能な中国メーカーのロボット掃除機が“幅”を利かせ始めている中で、ロボット掃除機の老舗であるアイロボットはどこまで対抗できるのか。4万円を切る水拭き対応モデルは、ある意味で同社の命運を握っている。


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