キイチからの提案に悩んだ私。どうしても誰かに相談したくて、学生からの友だち2人に意見を仰ぐことにしました。今回声をかけたのはサチとマリノ。2人とも既婚者で子どもがいます。お互い家を空けるのが難しいため、子どもたちが寝たあと夜にリモートで話をすることに。
この間、「復縁したい」って言われたんだ……。私が切り出した話に、2人はしばらく考え込みます。
少しの沈黙の後、先に口を開いたのはサチでした。
「それに離婚したとき、アイが引っ越したんでしょ? そのせいで……とは言わないけれど、マモルくんだって転校することになったわけじゃん。もし再婚したら、また前の家で暮らすんでしょ? そしたら前の学校に戻るってことじゃん」サチの鋭い意見に、私はうなずきました。
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サチの指摘は的確です。もし再婚をしてうまくいかなくなったときには、「詰んだ」状態になってしまう可能性だってあります。だからこそ慎重に考えるべきだということなのでしょう。
「再婚は無理なのかも……」そう思いはじめたそのとき、今度はマリノが口を開きました。
「あのときは私もヒロトが生まれたばっかりで、全然気持ちに余裕がなくて。キイチもちょうど転職したタイミングだったから、仕事がかなり大変だったんだよね。それでお互いに気持ちがぶつかって、離婚することになったの……」言葉にして振り返ってみると、離婚するほど大変だったのは事実です。
友だち2人と話し合ったことで、私は自分の気持ちが少しずつ整理されていくのを感じました。サチが「子どものことを考えたら元サヤなんて絶対にありえない」と考えるのも理解ができますし、「むしろ元旦那と復縁するなら安心なんじゃない?」というマリノの意見も一理あるように思えます。きっと「どちらかの意見が絶対に正しい」ということはないのでしょう。ひとまずマリノのアドバイス通り、両親の意見も聞いてみようと思っています。
【第3話】へ続く。
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