昭和生まれ1000人に聞いた!「イタ飯」「写メ」「ジーパン」は認定、ついつい使っちゃう死語

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2024年04月19日 11:10  週刊女性PRIME

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元祖「ぶりっ子」とも言われるアイドル時代の松田聖子

「昭和100年」を目前に、今や空前の昭和レトロブーム! リバイバルファッションに、カラオケでは聖子・明菜・ジュリーを歌う若者が急増中……。でも昔の言葉だけは、「ナウい」や「イカす」と言われるどころか「ウッソー!」「今どきマジ!?」さえも古いらしく……。そんな、若者たちに“死語認定”されている言葉たちを集めてみました。「イタ飯屋」で撮影した記念写真を「写メ」したあなた! それも「死語」なんですってよ……。

『死んだ』と認定されたもの

「言葉は生き物」とはよく言ったものだが、特に若者言葉はサイクルが速く、生まれた翌年には“死語”になっていることも珍しくない。歴史作家で国士舘大学大学院客員教授の八幡和郎さんは、生まれては消える死語についてこう考察する。

レコードや機関車など、モノが人前から消えたから使われなくなった言葉もあれば、電子計算機→コンピューター、交響曲→シンフォニーのように、漢語訳から英語のオリジナルに移ったものもあります。しかし、最近『死語』という言葉が表しているものは、時代の空気を楽しむために使われたものが、感覚として古くなったために『死んだ』と認定されたものですね」(八幡さん)

 そこで週刊女性は、全国の40歳〜75歳の男女1000人にアンケートを行い「昭和生まれがつい使ってしまう死語」を調査した。

 ちなみに今回の「死語」は、消滅した言語ではなく、時代を経て古くさくなってしまったといわれている言葉や流行語を「死語」と定義している。多くの人がつい口走っている死語とは?
  
 死語と時代は深く関わっている。まずは、50代以上の男女ならば一度は耳にしたであろう、昭和の死語を紹介しよう。

 昭和後期から平成初期にかけて、日本中が浮足立っていたバブル景気。当時、浮かれ気分の人々のあいだでブームになったのが「イタ飯」ことイタリア料理だ。

 バブル世代からは

「バブルのころはイタ飯ばかり食べていた。今はイタリアンと呼ぶのはわかっているが、ついイタ飯と言ってしまう」(大阪府・55歳・女性)

自分の中で完全に『イタ飯』で定着している」(東京都・53歳・男性)

 などの声も。死語だと知りつつ、ノスタルジーや愛着を感じてイタ飯を使用しているようだ。

'80年代、イタリア料理は、フレンチよりもカジュアルで、日本の洋食店よりもハイカラな西洋料理として人気を博しました。その気分が伝わるような言葉ですよね。なお、イタリア料理がまだ一般的でなかったころ、ピザはなんと“イタリア風のお好み焼き”とも称されていたそうです」(八幡さん)

 ファッションアイテムの中にも、いつの間にか使われなくなった呼び名が多数存在する。そのひとつが「ジーパン」だ。

ジーンズやデニムという言葉がとっさに出てこない」(神奈川県・49歳・女性)

ジーンズなんて気取った言い方はしたくない」(東京都・66歳・男性)

『太陽にほえろ!』のジーパン刑事に憧れていたから」(福井県・50歳・男性)

 など、ジーパン派の熱い声が多く寄せられた。

ジーパンが死語になったのは、デニム生地がいろいろなアイテムに使われるようになったからでしょうね。現代ではデニムとジーンズが混在していますが、実はルーツが異なります。まず、デニムはフランスのニームという町で作られた織物を意味する『セルジュ・ドゥ・ニーム』が語源になったといわれているんです」(八幡さん)

 一方、ジーンズのルーツはイタリアのジェノバ。ジェノバから新大陸・アメリカに渡ってきた綿織物が「ジェノイーズ」と呼ばれ、言葉が変化していき「ジーンズ」になったとか(※諸説あり)。

 ちなみに、ジーパンは日本語で「ジーンズ生地のパンツ」を略した“和製英語説”と、アメリカの軍人(GI)がはいているズボンを指して「Gパン」と呼んだという2つの説が存在する。現在は「デニムパンツ」という呼び方が主流だが、今後変化する可能性もゼロではない。

「チョメチョメ」のように復活する死語も!

写真をLINEで送る際にも使っている」(神奈川県・63歳・女性)

撮った写真を送ることを総称して『写メ』と呼んでいるのかと思った。送るツールが変わっても使ってしまう」(大阪府・44歳・女性)

 といったコメントが多数寄せられ、多くの人が「死語だと思わなかった」と驚愕した言葉が、平成生まれの「写メ」だ。ガラケー時代に、メールに画像を添付して送る「写メール」というサービスが流行し、略して「写メ」と呼ばれたのが始まり。なかには、

私が『写メ送って』と子どもに言ったところ、『何それ』と言われた」(兵庫県・48歳・女性)

 なんて悲しい体験をした人も。写メを使わない若者たちは「写真」や「画像」と呼んでいるという。ストレートな表現に落ち着いたようだ。

 芸能人の発言が発端となって、大流行した言葉もいつの間にか廃れていく。'80年代にテレビ業界関係者やタレントが使っていた“業界用語”も、そのひとつだ。

銀座に行くときは、気持ちを上げるために『ザギン』と言う」(東京都・52歳・女性)

業界用語は“寒さ”が面白いので、わざと『ギロッポン(六本木)』を使っている」(埼玉県・49歳・男性)

 との回答が寄せられ、業界用語を“あえて”使っている人もいるようだ。業界用語の使い手として知られる中山秀征は、令和のバラエティー番組で「エルモミーゴ(燃えるゴミ)」などの業界用語を披露し、爆笑をさらっている。死語を使い続けてオンリーワンになった好例だろう。

 そして、2000年に流行語大賞を受賞した「おっはー」も、平成の死語として扱われることが多い。元ネタは子ども向け番組『おはスタ』(テレビ東京系)定番の挨拶「おーはー」。これを香取慎吾が、自身の番組で“慎吾ママ”というキャラクターに扮した際に「おっはー」とアレンジして使ったところ、全国に広まった。

 アンケートでは、

LINEの文面などで使ってしまう」(千葉県・45歳・女性)

仲のよい友人には挨拶として使いがち」(愛知県・45歳・女性)

 との声が上がり、40代からあつい支持を得た。

芸能人が使っていたワードが後世に残るか否かは、本人の素行にも関わってきますよね。例えば、『マンモスうれぴー』など、のりピー語で大人気だった酒井法子さん。彼女の場合は、スキャンダルが続いたせいでのりピー語が敬遠されるようになり、“死期”が早まった可能性もある」(八幡さん)

 芸能人発の流行語は、本人が生死を握っているといっても過言ではない。

 今回の調査では、復活の兆しを見せる死語も発見された。その死語とは、'80年代の流行語「チョメチョメ」だ。

 深夜のお色気クイズ番組で司会を務めていた故・山城新伍さんが、伏せ字部分を「チョメチョメ」と読んで話題になり、視聴者も夜の営みを“チョメチョメ”と呼ぶように。

 番組が終了して平成に入ると、あまり耳にしなくなったが、この3月まで放送されていたドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)では、'86年からタイムスリップしてきた主人公が“チョメチョメ”を連発。ドラマを見ていた視聴者から、

主人公が何度も言っているのが面白くて、また使うようになった」(神奈川県・56歳・男性)

『ふてほど』を見ていて自分も思わず使ってしまった」(長野県・54歳・男性)

 などのコメントが寄せられた。

賛否両論あるドラマでしたが、それだけ話題性も大きかった作品です。すっかり死に絶えていたせいで新鮮に思える現象や言葉は、生き返る可能性がありますよね。ゾンビのように(笑)」(八幡さん)

 昭和生まれの“チョメチョメ”が、再び脚光を浴びる日も近い?

 若い世代は使わない言葉でも、同年代のコミュニティーであれば伝わるケースは多々ある。若者の冷めた視線に負けずに使い続ければ、“チョメチョメ”のように奇跡の復活を遂げる死語もあるかもしれない。

その他にもこんな意見が!

・OK牧場
高齢の母が使っていて、自分でも言うようになった(東京都・58歳・女性)

・ちょいワル
取って代わる言葉がないような気がする。相手を褒めているようで、実はちゃかしている印象があるので使いやすい(東京都・60歳・女性)

・ナウい
そういえばみんな使っていませんね。今、気づきました(神奈川県・61歳・女性)

気に入っているフレーズなので、一生抜けないと思う。やめようとも思わない(東京都・63歳・男性)

・着メロ
マナーモードにしてほしいときに着メロ切れよと言ってしまう(京都府・46歳・男性)

・アウトオブ眼中
語感が良いので、ふとした瞬間に言いたくなる(愛知県・49歳・男性)

・よっこいしょういち
これを言うと、場がなごむことが多い(沖縄県・49歳・女性)

若い女性が使っているのを見て驚いた(東京都・66歳・男性)

・チャリンコ
自転車は言いにくいので、チャリンコと言ってしまう(徳島県・70歳・男性)

チャリとかチャリンコというほうが可愛いのであえて使い続けたい(東京都・52歳・女性)

・元気印
朝のスタート時に自分を発奮させるために使う(福岡県・66歳・男性)

・バイビー
可愛い印象があり、使いがち(愛知県・44歳・女性

・キャピキャピ
若い子を見ると思わず言ってしまう(長野県・52歳・女性)

・ぶりっ子
永遠に不滅な存在だと思うけど……。今なら「あざとい女子」なのかな(滋賀県・51歳・女性)

※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて3月中旬、全国の40歳以上75歳以下の男女1000人を対象に選択方式で実施

取材・文/とみたまゆり

八幡和郎 評論家、歴史作家、国士舘大学大学院客員教授。1951年、滋賀県大津市出身。東京大学法学部を経て'75年、通商産業省入省。入省後官費留学生としてフランス国立行政学院(ENA)留学。『民族と国家の5000年史』(扶桑社)など著書多数

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  • Gパンと写メ、言ってるわ…仕方ないじゃない、昭和生まれなんだもの…
    • イイネ!81
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