『ブルーピリオド』『ハチミツとクローバー』大学が舞台の漫画、文化系サークルを描いた名作といえば?

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2024年04月22日 07:00  リアルサウンド

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  今までまったく知らなかった学問の世界に触れてみたり、サークルに入って仲間や恋人を作ってみたりと、大学生活はさまざまな可能性に開かれているもの。ポジティブなことばかりではなく、ちょっと心が痛くなるような失敗をしてしまうのも、“大学生あるある”の1つだろう。


  大学を舞台とした漫画には、そうしたキャンパスライフの光と影が生々しく表現されているものが多い。今回はそんな大学生たちの日常をリアルに描いた名作漫画を取り上げていきたい。


美術の道に一心不乱!『ブルーピリオド』

 山口つばさが『月刊アフタヌーン』(講談社)で連載している『ブルーピリオド』は、“美術”を題材とした珍しい作品。それでいて累計700万部を突破し、TVアニメ化・実写映画化されるほどのブームを呼んでいるのは、多くの人が共感できる普遍的なストーリーとなっているからだろう。


  あらすじとしては、毎日空虚な想いを抱えていた不良高校生・矢口八虎が、ある日美術に出会い、本気で人生を生きていくようになる物語。単行本6巻までは八虎が美術の基礎を学び、美大受験にチャレンジする話で、それ以降は美大生となった彼の視点を通して、美大での生活がリアルに描かれていく。


   一見特殊な設定ではあるものの、作中で描かれるのは主人公が美術というジャンルに本気で打ち込んでいくスポ根的な青春の日々だ。何かやりたいことがあって大学に入学した人には、刺さる部分が多いのではないだろうか。


  なお、2021年に放送されたTVアニメはちょうど美大受験編の辺りまでで終了しているので、アニメの続きを原作で楽しんでいくのもいいかもしれない。


大学生たちの切ない恋物語『ハチミツとクローバー』

 『ハチミツとクローバー』といえば、羽海野チカが手掛けた大学生青春マンガの金字塔。2000年代にはTVアニメや実写化などのメディアミックスが大いに盛り上がったが、今読んでも新鮮な面白さに満ちている。


 作中で描かれるのは、美大生たちの群像劇だ。美大に編入してきた可憐な少女・花本はぐみと、彼女に一目惚れするも不器用にしか関われない竹本祐太と森田忍。アルバイト先の建築デザイナーに恋焦がれる真山巧と、彼のことを諦めることができない山田あゆみ……。


それぞれのピュアな想いがすれ違っていく“全員片想い”のラブストーリーとなっている。とくに成就しない恋の切なさを味わえるのは、山田と真山をめぐるエピソードだろう。


 その一方で竹本を通して、「自分らしい生き方とは何か」という悩みが掘り下げられているのも見どころ。将来やりたいこともなく、天才たちのあいだで自分の平凡さを自覚し、しまいには自分探しの旅に出る……。さまざまな角度から青春の痛みを描いた傑作だ。


文化系サークルの日常を描いた『げんしけん』

 中学校や高校とは違って、大学はいろいろな趣味や考え方をもった人と知り合う機会になるもの。その出会いのワクワク感をリアリティたっぷりに描いたマンガといえば、木尾士目の『げんしけん』だろう。


  主人公・笹原完士は大学入学をきっかけに、オタク系サークルの「現代視覚文化研究会」、略して「現視研」(げんしけん)に入会。同人誌やフィギュアで溢れかえる部室で、個性豊かなオタク仲間たちと出会うことになる。


  部室で目的もなくダラダラと雑談したり、一緒に秋葉原のショップに通ったり、同人誌即売会に参加したりと、作中では文化系サークルの等身大な日常が繰り広げられていく。また、巻を追うごとにメンバーの代替わりが起こり、第10巻以降では“二代目”として後輩の荻上千佳が「現視研」新会長となった後の話が描かれている。


  キラキラとした青春ではないものの、読み終えればサークルに入って気の合う友人を作りたくなること間違いなしの物語だ。


  三作品ともリアルなキャンパスライフを描いた傑作マンガ。共感できる描写も多いはずなので、大学生活の心の支えになってくれるのではないだろうか。


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  • 中高生が主人公の作品が多いせいか、感覚的に同世代と思えるのは中高生で、大学生とか新人OLとかは本来の実年齢よりずっと下なのに、感覚的には年上w
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