日焼け止めが疲労感を軽減し、その後の回復もサポート 資生堂が確認

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2024年04月24日 19:51  Fashionsnap.com

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日焼け止めなどにより紫外線から肌を守ることで運動時やその後の疲労感を軽減することができる(イメージ)

Image by: 資生堂
 資生堂が、日焼け止めなどを用いて紫外線から肌を守ることで、運動中や運動後24時間後までの間、疲労感を軽減することを確認した。また日焼けによる肌の赤みの度合いと疲労感が相関することを見出し、日焼け止めを用いることで運動後の筋肉痛の感じ方が軽くなる可能性があることも明らかにした。

 紫外線や過度な運動による心身への影響は徐々に明らかにされてきている中、紫外線を防御することで心身への影響にどのような変化が起こるのかについてはこれまで十分に検証されていなかった。今回資生堂は、屋外運動時の紫外線暴露および紫外線防御が心身に及ぼす影響を科学的に検証し、太陽光の下でパフォーマンス高く、よりアクティブに活動できる方法を探すことを目指して研究を進めた。
 健康な成人男女16人を紫外線防御有り・無しの2つの群に分け、沖縄で試験を実施。紫外線防御有り群は、同社が開発した日焼け止め製剤(SPF50+・PA++++、スーパーウォータープルーフ)を肌に塗布。紫外線防御無し群は、日焼け止めから紫外線吸収剤・散乱剤を抜去した、日焼け止め効果のない基剤を塗布した。屋外でシャトルラン形式の運動(60分間で4セット実施)を行い、血中疲労関連因子の1つである血中乳酸値の濃度や主観的な運動強度、筋肉痛の感じ方などを調査した。その結果、実験において日焼けの度合いを示す肌の赤みが強いほど、運動後に大きな疲労感を感じることや、紫外線防御無し群は日焼け止めを塗布群と比べて、疲労を感じやすい傾向にあることが分かった。さらに血中乳酸値は紫外線防御無し群において、運動直後に有意に上昇。また、運動後の肌の赤みの変化量が運動時の血中乳酸値の変化量や酸化ストレスの変化量と比例することも確認した。これらの結果から、日焼け止めを用いて紫外線から肌を守ることで、運動時の疲労感を軽減できることを推察した。
 主観的な運動強度は運動後半において、日焼け止めを塗布した群の方が紫外線防御無しの群に比べて低値を示し、運動後半になってもキツさを感じにくい傾向にあることが分かった。主観的な筋肉痛は、紫外線防御無し群でのみ24時間後に有意な増加を示すことから、紫外線から防御することで運動後の全身筋肉痛を抑えることができることが示唆された。また、運動の6時間後、24時間後の疲労感も、日焼け止めを塗布群の方が低くなる傾向がみられた。この結果から、紫外線から防御することで、運動中のパフォーマンスや運動後のリカバリーに良い影響があることが示唆された。
 同研究は、獨協医科大学基本医学基盤教育部門 講師/早稲田大学スポーツ科学研究センター 招聘研究員 枝伸彦先生との共同研究によるもの。資生堂はこの研究成果を応用し、太陽の下で人々がアクティブで自由に、日々の生活を楽しむことができる未来を実現する商品やサービスの開発を進めていくだけでなく、今後も基礎研究領域の知見や技術を土台とし、日焼け止めをはじめとした紫外線防御の技術開発を更に加速。高いテクノロジーで紫外線を防ぐことで、太陽の恩恵をより享受できる商品の開発を進めていく。また、地球環境に配慮した商品づくりに加え、子どもたちへ紫外線や日焼け止めの理解を広める教育活動を行うなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいく。
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