SBIGAM24年3月期決算は15期連続増益で最高益更新、15期連続で増配も実現

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2024年04月26日 19:21  サーチナ

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SBIグローバルアセットマネジメントは4月26日、2024年3月期決算を発表した。連結売上高は101億37百万円で前年同月比15.9%増、経常利益は25億10百万円で同2.1%増と、12期連続の増収、15期連続の経常増益を達成した。売上高は5期連続で過去最高を更新。経常利益は13期連続で過去最高を更新した。
 SBIグローバルアセットマネジメント <4765> は4月26日、2024年3月期決算を発表した。連結売上高は101億37百万円で前年同月比15.9%増、経常利益は25億10百万円で同2.1%増と、12期連続の増収、15期連続の経常増益を達成した。売上高は5期連続で過去最高を更新。経常利益は13期連続で過去最高を更新した。当日、決算説明会を開催し、同社代表取締役社長の朝倉智也氏は、「1998年3月の創業から25年以上にわたり投資家主権の確立に貢献したいと取り組んできた。当初は、モーニングスターのブランドによるファイナンシャル・サービスが事業の80%超を占めていたが、その後、金融に関するリテラシーが向上するとともに、運用のニーズが高まり、今では、アセットマネジメント事業が事業ポートフォリオの80%超を占めるようになった。運用に関するニーズは一段と高まっており、ニーズに応える商品を提供することによって、現在の運用資産残高5.9兆円を2年後に10兆円突破、4年後に20兆円を目指して拡大したい」と語った。

 同社が過去15年間の連続増益において、連結経常利益の年平均成長率は12.9%になる。この間の同社株価(配当込み)は11.2倍に成長し、年平均上昇率は17.1%になった。さらに、この間、配当金は15期連続で増配し、年間の配当額は1株あたり21.5円となり、2009年3月期の1.8円から大幅に増額した。15期連続で増益・増配している企業は全上場企業4036社の中で、同社を含めて3社しかない。朝倉氏は、「引き続き企業成長を維持し、株主還元にも積極的に対応していきたい」と語っていた。

 2024年3月期はアセットマネジメント事業で、SBIアセットマネジメントの売上高が前年同期比22.9%増と大きく成長した。米国のCARRETアセットマネジメントも9.9%増と伸びた。アセットマネジメント事業は、「良質かつ低コストのファンドの提供」をめざし、2023年度は25本の新規ファンドを設定し、この新規ファンドで合計1890億円の残高を積み上げた。特に、昨年12月に新規設定した「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」は設定から4カ月で残高が700億円に迫るヒット商品となり、2024年2月に設定した「SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」も2カ月足らずで100億円を超えるなど、高配当株シリーズが残高を伸ばした。

 SBIアセットマネジメントの公募投信の運用残高は、1年間で1兆4413億円から2兆7144億円へと88.3%増となった。これは、投信業界全体の公募投信の年間残高増の36.7%増を大幅に上回る成長になった。運用会社別の公募株式投信残高の伸び率でも2021年3月末から2024年3月末の3年間でSBIアセットは残高を2.7倍と急拡大させており、他の運用会社が数十%を伸ばすにとどまっていることとは大きな違いになった。また、新NISAが始まった2024年1月から3カ月間で、SBIアセットの純資金流入額は2227億円に達しており、これは前年同期比2.34倍と、新NISAによってSBIアセットの残高増に拍車がかかっている。

 一方、ファイナンシャル・サービス事業は、メディア・ソリューションが売上高で前期比28.4%増となり、コロナ禍で落ち込んでいたマイナス分を挽回した。特に、「貯蓄から資産形成」を後押しする各地方でのセミナーが大幅に伸びている。対面セミナーの開催回数は前期の4件から16件に4倍増、協賛社数も47社から80社に70.2%増と大幅に増えた。「今後は、毎月のように地方都市での開催が予定され、また、検討もされており、全国の各地でセミナーの開催が予定されている」(朝倉氏)と、セミナーを軸にしたメディア・ソリューション事業の成長が期待されている。

 朝倉氏は、アセットマネジメント事業とファイナンシャル・サービス事業を「車の両輪」に例えている。「ファイナンシャル・サービス事業による情報提供やセミナーの開催などによって金融リテラシーが高まれば、資産運用のニーズは一段と高まり、自らの判断で運用ポートフォリオを作りたいと主体的に行動する投資家が増えることにつながる。そこに、良質な商品を提供することによって投資信託の残高増につなげることができる」として、両事業の相乗効果で引き続き成長をめざしたいと語っていた。

 朝倉氏は、今後を展望して「日本は実質金利も実質賃金もマイナスの状態が続いている。何もしなければ、資産価値がインフレに負けて目減りし続けることになるため、今後、貯蓄から資産形成の動きが加速する」と見通している。この追い風を受けてグループとしての運用残高を大幅に積み増していく計画だ。2024年3月末時点で、私募投信も含めたグループの運用資産残高は5兆9224億円だが、これを2026年3月末に10兆円、2028年3月末に20兆円をめざす。朝倉氏は、「商品開発の可能性としては、アセットクラスの中でホワイトスペースを埋めていくことで、自らポートフォリオを作りたいと考える投資家のニーズに応えたい。今は、全世界株式指数オール・カントリーに連動するインデックスファンドが人気だが、インデックスファンドでは米国株に6割超を投資する結果になる。中には、日本株に20%投資したいとか、新興国株の比率を米国株と等しくしたいなど、投資家の考え方はさまざまだと思う。そのような考えを具体化させる手段として個々の資産を自由に組み合わせることができるような良質なツールを提供したい。

 また、たとえば、日本高配当株投信のような定期的な分配金を得る投信には、高齢層だけでなく資産形成層にも一定のニーズがある。分配頻度の異なるファンドを組み合わせることで、投資資産を分散しながら毎月分配金が得られる組み合わせで投資をしている投資家もいる。投資のニーズは様々なので、投資家のニーズに寄り添って、必要な商品を拡充したい。ちょうど、グーグルマップのように、目的地に行くためにどのようなルートがあるのか例示され、その選択肢から好みのルートを選ぶことができるような資産運用ができるようになれば良いと考えている。パッケージ型の商品も含めて、まだまだ提供できる商品は少なくない」として今後の事業成長にも自信をみせていた。

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