日本の数倍の“物量”だ……! 中国に行ったら「ウルトラマン」人気のすさまじさに驚いた

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2024年04月27日 09:48  ねとらぼ

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ねとらぼ

上海で見た巨大な「ウルトラマンゼロ」

 バーチャルYouTuber、マシーナリーとも子による不定期コラム第39回。今回は、とも子の中国・上海旅行記です。


【その他の画像】中国の「ウルトラマン」テーマパークを見る


 ウルトラマンっているよね。あのヒーローだよ、でかくて……胸とかにランプがついてて……もう60年近く地球を守ってもらってるヤツ……。見たことないって人はいても1ミリも知らんって人はあんまりいないと思う、日本を代表する宇宙人ですね。


 そんなウルトラマンのテーマパークがあるって知ってるかい?


 しかも……中国・上海にある! なぜか……。


●上海に行ってきました


 こんにちは。怪しい隣人マシーナリーとも子です。


 そんなわけで3月にね、中国は上海に旅行に行ってまいりました。深い意味とか目的はなかったんだけどさ……去年はじめてパスポート取って海外旅行行ったんだけど。パスポートって期限5年なんよ。せっかくだから毎年行ったほうが勿体無くないかなって思って。


 そんで適当にアジア行こう近いし航空券安いしってGoogleフライトに日程入力してみたら、タイミング的に偶然上海行きが安かったから行ってみることにしたのさ。そうそう上海には……


 等身大フリーダムガンダムもあるしね!


 せっかくなのでガンダムは初日に空港から直接見に行きました。金橋ってところのららぽーと(そう、上海にはららぽーとがある)にあるんですが、絶賛再開発中でららぽーと以外なんにもないと言っても過言ではないので、近日中に行きたいぜという方はご注意ください。私はうっかりららぽーと開店2時間前に到着してしまい、時間を潰すのに死ぬほど苦労しました。


 で、国内旅行でも地元のスーパーとか見るの好きなんですよ私。だから金橋ららぽーとも「上海のららぽーとってどうなってんだろ〜!?」ってのぞきに行ったんだけど、これがいきなり予想外に驚かされる事態となった。


 ぱっと見の雰囲気は日本のららぽーととそんなに変わらないんだけど、おもちゃ屋に入ったらさあ……入り口にウルトラマンいるねえ、は完全に序の口で……


 商品数がすごい……!


「ウルトラマンおもちゃの出てる具合なんてまったく知らんのでピンと来ない」


「ただのオモチャ売り場じゃあねえのか」


 という読者の方々のためにざっくりした説明をすると、いまウルトラマンのオモチャ売り場って大体「現行放送中作品のオモチャ」+「怪獣のソフビとかの定番商品」みたいな感じなんですよ。ハイエイジ向けのアクションフィギュアとかは別としてね。


 でも上海は……ここ数年分くらいのおもちゃが置いてないかっ!? なんだこりゃ!


 実はもともと「中国でしか売られてないウルトラマンのおもちゃがある」って話は聞いてはいたんですよ。なんか、あからさまに「変」なオモチャがAliExpressとかで売られてるのがネットで話題になってたりして「なんだこりゃ!」「変すぎる」「日本でも売ってくれよ」と思ったりはしていた。


 しかしこれほどまでの「物量」があるとは……。ぱっと見で日本の3〜4倍くらいの物量があるんじゃあないか?? 日本で見たことないオモチャもかなりあるし!


●マジで売上が想像を絶する規模になっていた


 おもちゃ屋でびっくりして、さらにモール内をうろうろしていると……すっげえでかいウルトラマンの看板がある!? しかも写真に使われてるのはギンガとビクトリーじゃないか! 全然現行の作品じゃない、2013年〜2014年のウルトラマンっすよ!?


 この看板が貼られているのはトレーディングカードショップだった。


 さすがにこのあたりで少し事情を調べたり、SNSから情報提供されてきたりして、ようやくなにが起こってるのか把握し始めたんだけど、マジでここ最近中国でのウルトラマン人気が超過熱しており、とくにトレーディングカードの売り上げが凄まじいことになっているらしい。


 去年のニュースによると、中国のウルトラマンカードの年間売り上げは日本円にして約630億円、玩具も含めた全体の売り上げではついにディズニーを追い抜くなど大変なことが起きているようなんだよね。すごいことだ。


 ウルトラマンといえば──前もって予防線を貼っておくと、私は決して「生粋のウルトラマンオタク」、ではなくて知らないこともたくさんあるし見たことない作品もたくさんあるし現行作品も毎年欠かさず見てるわけではなくオタクとして嗜む程度の感じであることは言い訳として宣言しておきたい──例えば先述した「ウルトラマンギンガ」は、放送当時「久々にウルトラマンのテレビ放映がされるぞ!」って感じの作品だったのでリアルタイムで見たんです。


 でもなんかずっと山奥みたいなところが舞台で画面全体から「予算が少ないんス! マジで!」って雰囲気が滲み出てて居た堪れない気持ちになったのを覚えている。出てくる怪獣の着ぐるみも過去に作ったものの使い回しが多かったし。


 そのときに限らず、「ウルトラマン」ってけっこう浮き沈みが激しい印象で、ことあるごとに「お金を使いすぎちゃった」とか「新作があんまり売れなかった」みたいな話が出てきて、定期的に「円谷(ウルトラマン作ってる会社)がマジでやばい!」って話題が出てる感じあったんだよね。


 それが2023年の「ウルトラマンブレーザー」制作発表会のときに「もう全話作り終わってるんですけどこんな怪獣が出てきます!」ってズラッと着ぐるみ出してきてさ、しかも新規に作った怪獣ばっかなのよ。それ見て「うわっ! ギンガのことを思うと随分景気良くなったなあ!」ってすごく驚いたのよね。


 そのときはほんと、単純に「ウルトラマンがんばったんだなあ」としか思ってなかったけど、中国に来て「ここで稼いでたんか!!!」って答えを得たような気分になりました。


 今年の新番組「ウルトラマンアーク」もアジア圏で同時配信するらしい。販路が広がるというのは素晴らしいことだなあ。どんどん儲けてほしいね。


 これは余談かつ、素人考えの勝手な予想なんだけど、ウルトラマンを長いあいだ悩ませていた事件のひとつとして、タイのチャイヨー・プロダクションとの権利問題があった。


 これはすったもんだの末にチャイヨープロに(日本以外での)ウルトラマンの権利が渡っちゃったという事件(※)で、タイで円谷の預かり知らないウルトラマンが勝手に作られたりとか結構デカいトラブルになっており、25年も争い続ける大訴訟となっていた。 ※その後、契約書の真贋をめぐり裁判で争われ、2008年にタイの最高裁判所で円谷プロダクションが全面勝訴しています


 これらの問題が2020年にひと通り解決したみたいで、もしかしたらこのことも現在の中国をはじめとしたアジア圏での景気の良さにつながってるんじゃないかなあ……なんて思ってるんだけどどうなんだろう。これ読んだ詳しい人はぜひ補足情報を教えていただけるとありがたいっス。


●ウルトラマンのテーマパーク


 そして先述した通り上海には……ウルトラマンのテーマパークがあるのだ!


 正確にはウルトラマンでピンのテーマパークなわけではなく、上海海昌海洋公園というシーワールド的なところに施設が設けられてるって感じです。上海中心部からは結構離れた海沿いにあるんだけどせっかくだから来てみたぜ!


 まず移動中の電車内から「ウルトラマンホテル」が見えて「これは只事じゃないぞ」と思ったんですが……。入り口の地図を見ると、ウルトラマンコーナーが結構あるな……。あとやっぱりウルトラマンゼロは人気ありますね。


 入園ーー! 当日は生憎の雨、かつ月曜日の昼前だったので人はまばらでした。でもまあゆっくり展示見ること考えたらよかったのかもしれない。


 ぷらぷら歩いてるとウルトラマンオーブの立像を手入れしているスタッフが! ていうかその奥にある施設が……なんか……なんだろう? ショーをするためのスペース? 中をのぞいてみたらテーブルとかがあったのでディナーショー的なバースデーパーティー的な食事をする施設なのかもしれない。謎です。


 ウルトラマン飯の案内看板もあったし、案内看板が科特隊のマークだ……。売店の後ろ側はウルトラマンティガとメルバが戦う影絵。なんとなくこういうときの相手がメルバなのって珍しい気がするね。ウルトラマンポップコーンや……バルタン星人の揚げもある!?


 まだ具体的スポットに辿り着いてないのにすでにウルトラマン濃度が結構増してきてるんだけど! これ、期間限定コラボとかじゃないんですよ常設施設なんですよ。


 で、主な施設である「ウルトラマンミュージアム」に入ってみますと……でっけーーーーーーーウルトラマンゼロが!!! なに???  実物大???


 さらに頭上を見上げるとガッツウイングが空を飛び……左手を見れば……うおっ!? これはーーー!??!? 「ウルトラマンZ」に出てきたセブンガーのコクピットがある! え!?? 本物!?


 この施設……「ヤバい」かもしれねえな!


 ここはウルトラマンテーマパークでいちばんデカいというギネス記録を持ってるらしい。そんなギネスの取り方もあるんだ……。


 展示もゴージャスで圧巻のひとこと。ボリュームありすぎだし、レジェンド俳優たちのサインや台本もある! 延々ティガダイナガイアを流してるゾーンもあったし、マント脱がずにゼットンを殺しにかかるウルトラマンも展示されてる。


 食堂はでっけーアートデッセイがぶら下がっててテンション上がるぜ! 良く見ると格納庫から発進した姿を表現した展示。凝ってる……。


 なんとなくティガ推しを感じた。今回の旅行でうっすらと感じたんですが、中国ではウルトラマンゼロはもちろんのこと、ティガも同じくらい人気があるって感じたなー。ティガリスペクトが強い「ウルトラマントリガー」が作られたのもこのへんが理由のひとつだったりするのかも?


 なんとなーく中国でのウルトラマン人気は


 ゼロ≧ティガ>ニュージェネ>初代〜タロウ>その他


 みたいな雰囲気を感じました。なんとなくの主観だけどね。


 レストランの空中には無数のウルトラマンが飛んでいた。光の国カレーとメトロン星人カキ氷を頼んでみましたが、カレーは超普通でした。レトルト味。でも付け合わせにわさび風味のつぶ貝や茎わかめがついてるのが新鮮な体験だった。これが中国のカレースタイルなのか? 料理の説明文では「光の国の戦士に人気なカレー」って書かれてました。ホントかよ。


 販売されてるケーキもかわいい。スタッフさんのユニフォームは、なんかド忘れしちゃったけどなんかの作品の防衛隊の制服そのまんまな気がする。


 ケースに展示されていた怪獣のフィギュアはたぶん日本でも買えるやつだと思うんだけど、商品ラインアップのせいか「みなさんご存じ! ウルトラマンのテーマパークに飾られるにふさわしい代表的な怪獣ですよ!」と言い張るには挑戦的なメンツになってしまっている気がするぜ。


 おみやげ屋さんでは限定グッズも売ってるぜ! タイミングによってはヒーローショーが見られる部屋もあったみたいなんだけど今回は見られずでした。残念。


 おもしろかった〜とミュージアムを出てもウルトラマン売店や奥のほうにウルトラマン施設が見える! ティガゴミ箱、ティガコンテナもあった。


 そしてこのテーマパーク第二の目玉、ウルトラマンゼロの巨像も見てきた! でっけーーーー。でかいウルトラマンの像なら池袋にもあるよと思ってたけどはるかにでかい。12メートルあるらしい。周囲に泡が出てたのはなんかイベントをやっていたかららしい。のんびりミュージアムを眺めすぎて出遅れた……。夜はライトアップとかもされてレイヴイベントみたいになるらしい。


 そんなこんなで上海海昌海洋公園のウルトラマンテーマパーク、ボリュームすごくて濃くて大満足の内容でした。来てよかった……。そしてマジで中国のウルトラマン人気、やばすぎ。


 またこちらの海洋公園、ふつうに水族館としてもかなり上質なのでオススメです。先述の通り上海中心地からは結構距離あるし乗り換えもあるけどむしろ空港には近いので帰りとかに目指すとちょうどいいかもね。


●中国で大変だったこと


 さてそんなわけで上海旅行、ウルトラマンをはじめとしていろいろ「知ってるけど知らない!」って感じの文化に触れられて楽しかったです。


 ただ結構困ったりした点もあったので最後にウルトラマンと関係ないけど注意点を書いておくぜ!


○ビザを取らなければならない


 これ、最初ぜんぜん頭のなかになくて焦った。かなりギリギリで取得しました。航空券と宿泊先を確保したあとに国内のビザセンターに行く必要があります。あとWebで事前の申し込みも必要。


 私は有明に行きましたが申し込み時と受け取り時の2回いく必要があり、発行には4営業日ほどかかるので実質1週間くらい見ておきましょう。費用は1万円弱くらいかな。前もってスケジュール確認しておきましょう。あとビザセンター、かなり混むぜ。


○電子マネーが主流


 これ! マジですごいことになってる。もう日本とは完全にレベルが違う普及具合で、むしろ現金が全然使えないんですよ!


 主な両替は中国でしようって考えてて、日本の空港では1万円しか両替しなかったんだけど使いきれなかったもん。


 基本的に現金とクレジットカードもちょっといいレストランとかコンビニでしか使えないくらいの勢いで、むしろ街のご飯屋さんとか屋台みたいなところでQR決済じゃないと取引できませんでした。


 普及してるのはAliPayとWechat Pay。これがまた難易度高くて、前者はなんとなくクレジットカード登録すれば使えるんですけど、後者は「半年以上使ってる利用者からの招待が必要」というシステムがあって日本人旅行者はほとんど使えないんじゃないでしょうか。


 私は今回の旅行では当初AliPayを使ってたんですけど、初日に食べたご飯やさんでの決済で謎のエラーが発生してクレジットカードやパスポートの審査フェーズが発生してその後丸1日半ほど使えないというトラブルが発生してマジで死ぬかと思いました。


 なんとか偶然友人にWeChat Pay使える人がいて、招待してもらえたことでことなきを得たんだけどアレがなかったらどうなってたことか……。


 現地ではちょっとした決済どころか自動販売機やマッサージ機、洗濯機すらQRコード決済を用いた入力が必要なのでほんとライフラインです。中国に旅行に行く前にこのあたりキチンと情報収集と準備をしておいたほうがいいマジで。最悪死にます。現金出すと嫌がられるの、未知の体験すぎた。


 一応、今後観光客向けに決済をもうちょいユルくしていきたいね的な政策もされてるらしい。なんとかしてくれ!


 とはいえ基本的にほんとに楽しく、ご飯も美味しく、みんな観光客に親切だったのでいい観光地なことは確かです。見にいこうウルトラマン! 


●ライター:マシーナリーとも子


殺人サイボーグ。ふだんはVTuber、ライター、イラストレーター、漫画家として糊口をしのいでいる。満遍なく浅いオタク。お仕事募集中。


Twitter:@barzam154__


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  • ウルトラマンより、最後のキャッシュレス決済が当たり前。が気になったわ。海外でpayすると「不正に利用?」と思われて停止するらしいね������������ӻ�����カード会社に連絡しときましょう�����
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