自宅の部屋の壁に「なんとなく白色」を選んでしまうのは“もったいない”ワケ

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2024年04月28日 09:31  日刊SPA!

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白い壁を使わないことで独創的な空間に
今、住宅系のYouTube界隈を騒がせている男がいる。動画チャンネル『ジュータクギャング』の押村知也だ。設計から建築、インテリアコーディネイトに至るまで住宅に関するすべてをこなす住宅のスペシャリスト「住空間クリエイター」である。歯に衣着せぬ彼の発言は、わかりやすくて痛快。『ジュータクギャング』は、更新のたびに視聴者の心をつかみまくっている。 そんな押村は5月2日、自身の考えや思いを綴った初の書籍『美しい家のつくりかた』を発売する。押村は「室内から白い壁を排除すべし」と主張する。とくに注文住宅の場合、壁の色は無難に「白」を選びがちだが、それだけでは本当の家づくりの醍醐味はわからないという。
◆最初に決めるべきなのは、壁ではなく床だった

日本人が洋室を思い浮かべると、明るい茶色の床に、白い壁の部屋が大抵となる。モデルルームもこの配色が多い。しかし海外の室内を見ると、白い床に青い壁、濃い茶色の床に緑色の壁など、その配色は多岐に渡る。「住空間クリエイター」を名乗る押村は、カラーリングについて次のように提案する。

「壁に『白』を選ぶという考えを一度、排除してみましょう。白は清潔なイメージがあるので、新築の家に使いたくなるのはわかりますが、その半面、緊張を強いる色でもあります。部屋が白で囲まれてしまうと、案外落ち着きません。また、ナチュラル系のフローリングに壁が白だと、家全体のテイストがナチュラル系に決まってしまい、ありきたりになります。個人的には、家具や装飾を選ぶ楽しみが半減するのも面白みに欠けると思っています」

白が間違いとまではいわないものの、「無難な選択としての白」は「もったいない」と押村。続けて、おすすめする色の決め方を教えてくれた。

「最初に決めるのは壁ではなく、床の色です。選べる色の種類が少ないからです。次に壁の色を選ぶ。そのあとが設備や造作家具。最後に天井です」

あらかじめ家具やカーテンなどの色が決まっている場合は、それを考慮しながら選んでいくことになる。反対に、部屋の色を決めてから家具やカーテンなどを選ぶ場合は、床と壁がベースカラーとなることを頭に入れておきたい。

◆避けたほうがいいカラーは「イエロー」と「オレンジ」

洋室の壁の色について、より具体的なアドバイスももらった。

「色は基本的にお好きなものでいいのですが、仮にブルーを選んだとします。ここで大事なのは『はっきりとした』ブルーを選ぶことです。原色である必要性はありませんが、見た瞬間にブルーであることがわかることが重要です。ひと口にブルーといっても、色味はじつにさまざま。白に近いブルー、すなわち明度の高いブルーを選んでしまうと、失敗する確率がグンと上がります。ほかの色と合わせにくい色味だからです」

逆に合わせやすいのは、グレイッシュ(灰色混じり)な色味。純色に灰色が混じった中間色であれば、ブルーに限らず、ピンクやグリーンでもサマになりやすいという。

「ただし、先ほど色は好きなものでいいと話しましたが、僕の経験上、どうしても扱いにくい色というものが2色あります。それはイエローとオレンジです。ほかの色と合わせにくいうえに、クロスの場合は発色のいいものが見当たらない。配色に自信がないという場合は、避けたほうがいいでしょう」

最近ではアクセントとして柄を取り入れるパターンも見受けられるが、ここにも注意ポイントがある。

「問題はやはり『白』です。1面に柄を使ったはいいものの、うるさくなるかもしれないと危惧して、残りの3面を白くしてしまう人がいます。これは非常に野暮ったく見えます。柄を組み合わせる自信のない人は、使った壁以外の面は、白ではなく、似たトーンの色を入れるほうが美しく見えます」

注文住宅の場合、壁のクロス選びは、たいてい家づくりの終盤にやってくる。「来週までには選んでください」と言われ、つい「白でいいか」と済ませたくなるもの。しかし、後悔しないためにも、もうひと踏ん張りこだわっていきたい。

〈取材・文/ツクイヨシヒサ〉

【押村知也】
(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』

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  • ホテルとかの部屋の壁がやたらカラフルだとなんだか落ち着かないし、毎日過ごすとなると飽きも来るのでは?白やアイボリーが一般的なのにはそれなりに理由があるのでは。
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