ポケモンバトルの戦況、AIで可視化 ツール開発で観戦文化の普及へ

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2024年05月01日 13:17  ORICON NEWS

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ポケモンバトルの戦況、AIで可視化
 株式会社ポケモンとHEROZ株式会社は『ポケットモンスター』シリーズのビデオゲーム内で行われるポケモンバトル(バトル)の戦況を可視化するAIツール「Pokemon Battle Scope(PBS)」を共同開発した。

【画像】どちらが優勢?ポケモンバトルの戦況、AIで可視化した様子

 スポーツはもちろん、将棋や囲碁のほか、ビデオゲームの世界でも、いまや当たり前になった「観戦」文化。選手たちの一挙手一投足を見守り、勝負所では実況と観客が一体となって大いに盛り上がる…そんな楽しみ方が、ポケモンバトルの世界でも定着しつつあることから、将棋AIを応用した、ポケモンバトル専用にAIを開発した。

 バトルの魅力のひとつは、戦略の奥深さ。プレイヤーは自分で育てたポケモンを選び、相手と戦う。各ポケモンは4種類の「わざ」を覚えており、プレイヤーは毎ターン、相手の手を読みつつ最適なわざを選択していく。

 ここで重要なのが、ポケモンやわざの「タイプ」。全部で18種類あるタイプには、それぞれ強弱の関係がある。たとえば、「ほのお」タイプは「くさ」タイプに強く、「みず」タイプに弱い。こうした相性を考えながら、相手の動きを予測し、最善手を探っていく…ポケモンバトルは将棋のような頭脳戦でもある。

 さらに、約4%の確率で相手に与えるダメージが増加する「急所への攻撃」や、あらゆる要因によってポケモンに起こる、まひ、どく、やけど、ねむりなどの「状態異常」といった“運”も絡んでくる。たとえ不利な状況でも、一発逆転のチャンスは残されている…そんなスリルが、観戦の楽しさを生み出している。

 このようなバトルのおもしろさを、より多くの人に味わってもらうためのツールがPBS。AIを活用し、どちらのプレイヤーが優勢かを数値化する「形勢判断」と、次に選択すべき「候補手」を表示。戦況を可視化することで、普段ビデオゲームをしない層や、知識の少ないバトル初心者でも、戦いの流れを読みながら観戦できるようになった。

 PBSは、2024年2月25日開催の「ポケモン竜王戦2024」ゲーム部門での導入を目指して開発。本大会は株式会社ポケモンが主催し、将棋界最高峰のタイトル戦「竜王戦」を主催する読売新聞社と、日本将棋連盟との共催のもと運営。近年は能楽堂を舞台に、選手たちが和服を羽織って参加するなど、バトルの大会に留まらないユニークなイベントとして親しまれている。

 開発は一筋縄ではいかず、駒の数が決まっている将棋とは異なり、ポケモンバトルには、1000種を超えるポケモンや、900種類以上ものわざが存在。また、バトルフィールドの天気やポケモンの状態異常などによっても、選ぶべき手が変わる。その組み合わせは天文学的な数字で、AIに学習させるための条件を設定し、シミュレーションの回数は、数億回にもなった。

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