初夏の魚エツの漁解禁＝福岡県久留米市〔地域〕

　福岡県久留米市で１日、初夏の魚である「エツ」漁が解禁され、同市城島町で安全と豊漁を祈願する感謝祭が開かれた。漁の解禁期間は７月２０日まで。

　エツは有明海にだけ生息するカタクチイワシ科の魚。個体数の減少などから、産卵期を迎え筑後川を遡上（そじょう）する初夏にのみ、自治体に許可された漁師が漁を行う。傷みやすいため、全国的な流通はなく、地元で食される。

　同日は弘法大師の格好をした男性がヨシの葉を漁船から川に流す行事も行われた。エツ感謝祭実行委員会委員長の高山良徳さんは「多くの人たちにエツの旬の味を楽しんでもらいながら、城島の町を盛り上げていきたい」と話した。

　伝統的に、エツは南蛮漬けや洗いなどにして食べられている。予約が必要となるが、市内では四つの飲食店でエツ料理が提供される。