5類移行から1年! 生き残ったコロナカルチャー、なくなったコロナカルチャー

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2024年05月10日 06:40  週プレNEWS

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20〜60代の男性500人(各世代100人ずつ)に「コロナ期間と比較した傾向」について聞きました!

昨年5月8日、新型コロナが5類感染症に移行した。コロナ禍ではさまざまな習慣や文化、トレンドが生まれたが、どの程度残っているのか? また、当時飛び交っていたアフターコロナ予測はどのくらい的中していた?

【図表】アンケート結果をすべて見る

生煮えの日々に悶々としたあのときを思い出しながら、生活がコロナ禍と比べてどう変わったのか見てみよう!

■マスクや手指消毒は半数以上が習慣化

コロナが5類感染症に移行してから約1年。コロナ禍では「新しい生活様式」が提唱され、感染拡大を防止するための習慣や、さまざまな文化が登場した。それらは今、どのくらい日常生活に定着したのか。週プレでは500人にアンケートを行ない、その実態を探った!

まずは、新しい生活様式で強く推奨されていたマスク・手指消毒(Q1)やソーシャルディスタンス(Q2)を調査。これらは今でも半数以上の人が意識しながら生活しているという。

「以前はどこか抵抗があったマスクだけど、コロナ中にずっと着けていたのでいつの間にか違和感がなくなりましたね」(30代・不動産)

「電車など人が密集する場所ではマスクがないと落ち着かなくなった。消毒は、あればやるくらいかな」(50代・テレビ関係)

「コロナ禍ほど人との距離は遠くなっていないけれど、見知らぬ人の近くにいることに抵抗を感じるようにはなりました」(30代・自営業)

また、外出自粛要請期間の習慣が後を引いているのか、3割程度の人が「休日の外出が減った」(Q3)、「店の感染症対策が気になる」(Q4)と回答。

「以前より人混みが嫌いになった気がする。休日は家でゆっくり過ごすことが増えました」(30代・印刷)

「おうち時間でオンラインゲームにハマってしまい、以前より人付き合いが悪くなった」(20代・IT)

「地下にある換気の悪そうな飲み屋への入店は、意識的に控えるようになりましたね」(40代・銀行)

日常生活だけでなく、ビジネスにも大きな変化が。当時激減した会食(Q5)や出張(Q6)は、現在でも4〜5割程度の人が「減っている」と答えた。

「会社全体での会食は確実に減ったし、同僚や後輩を飲みに誘いづらい雰囲気もある」(40代・商社)

「オンラインで対応できるようになり、出張の必要がなくなった。体力的にはラクだけど、なんだかんだ出張が息抜きになっている部分もあったので少し残念」(30代・飲食)

出張の制限により、思わぬメリットがあった職業も。30代のある芸人の談。

「今までは都内のタレントさんを呼んでいた地方局が、コロナを機に僕のような地元の芸人をたくさん使ってくれるようになりました。全国を回るような営業も減り、地元の仕事だけで安定したギャラを得られるようになったので、肉体的にも精神的にもラクになりましたね」

■Zoom打ち合わせは4割強が定着

コロナ禍ではリモートワーク(Q7)やZoom打ち合わせ(Q8)など、自宅で仕事を完結できるシステムが普及した。これらは定着し、実に3〜4割の人が今も利用し続けているという。

「今や完全リモートワークになった。子供と過ごす時間が増えたのは良かったと思う」(30代・出版)

「かつてはクライアントと顔を突き合わせてこそという考え方だったが、オンライン打ち合わせという選択肢が定着した。物理的距離がある場合は非常に便利に感じる」(40代・広告)

「これまでは取材対象者を都内在住の人から探していたけど、Zoomが普及してからはより幅広い人が選択肢に入った」(30代・ライター)

ネットショッピング(Q9)、フードデリバリー(Q10)、配信(Q11)などもコロナ禍で需要が高まったサービスだ。これらもそれぞれ2〜4割の人が「利用が増えた」と回答。

「当時はネットだけで買い物を済ませていたが、最近は店で現物を見た後にネットで購入することも増えた。自宅に配送してくれるので便利」(30代・飲食)

「若い女性ばかりで入りづらかった近所のケーキ屋さんがコロナ禍でウーバーイーツを導入したので、気軽に食べられるようになりうれしい」(40代・弁護士)

「当時暇だったので、VTuber(キャラクターの姿を使った動画投稿者)の配信を見てみたらドハマり。今月も投げ銭で数万円を溶かしてしまった。おかげで婚期を逃している気がする......」(30代・SE)

■アウトドアブームは風前のともしび

一方、往時の勢いをすっかり失ったコロナ文化も存在する。一世を風靡したアウトドア(Q12)やリモート飲み会(Q13)を今でも継続している人はわずか1〜2割。これについて、現代消費文化論を専門とするニッセイ基礎研究所の廣瀬涼氏は次のように分析する。

「3密を避けられ、ソーシャルディスタンスを確保できるという理由で流行していたアウトドアですが、今はどこで何をしてもいいという状態になりましたよね。ここ1、2年でアウトドア用品の中古品が多く出回っているという実情もありますし、ブームはある程度収束したのでしょう。

一方で、ライブ配信やゲーム実況のように、ネット上でダラダラと話している人を見るのが好きな人は一定数います。リモート飲み会はそういう層や子育て層、海外赴任のビジネスマンなどにウケているイメージ。刺さる人には刺さっているので、細く長く残る文化になりそうです」

また、2020年頃はさまざまなアフターコロナ予測も飛び交っていた。例えば、郊外移住(Q14)だ。都心から離れ、家賃や物価の安い地域で暮らしながらリモートワークをしたり、あるいは2拠点生活をするスタイルが定着するとささやかれていたが、ふたを開けてみると、実際に移住した人はたった8%弱!

「企業によっては出社を要求されたり、対面での商談が復活していますから、郊外移住の弊害も意識され始めています。早々に移住を決断して後悔している人も多いのではないでしょうか」(廣瀬氏)

このほか、長い自粛生活の反動で高価な買い物をしたり、ハデに旅行をする「リベンジ消費」(Q15)も期待されていたが、実際に行なった人は約17%と少数派だった。

「特に大きな買い物や旅行はしませんでしたね。最近は円安で物価高。常にカツカツで、贅沢がしづらい状況です」(30代・編集者)

「コロナ前の頻度くらいには外食、レジャーなどに出かけるようにはなったが、それがリベンジ消費かといわれると微妙」(40代・経営者)

加えて、コロナ後は旅行をする人が増えるとも予想されていたが、実情はむしろ「頻度が減った」という人が約半数を占める結果に(Q16)。

「コロナが終わったら海外に行きたいと思っていましたが、リモートワークがなくなって仕事が忙しくなり、結局行けていません」(20代・アパレル)

こうした結果について、前出の廣瀬氏はこう語る。

「この1年間の所得を比較してみると、高所得者層の収入は増えている一方で、ボリュームゾーンである年収300万円くらいの層は収入が減っているというデータが出ています。

また、今はコロナ禍当時よりも深刻な円安。インバウンド需要で国内のホテルも軒並み値上がりしており、旅行もしづらい状況に追い込まれている。

コロナ禍で支給された給付金を貯蓄に回す世帯が多かったこともあって、リベンジ消費に期待が集まりましたが、そもそも物価が上がって収入が減っている状況で10万円程度のお金をもらっても、爆発的な消費行動なんて起きるわけがないですよね」

最後に、コロナ禍で警戒が呼びかけられていた夜の街(Q17)はどうなったのか。調査の結果、約4割の人が「以前と比べて行きづらくなった」と回答。

「通っていた店が潰れたり、指名していた女のコが自粛期間中に大学を卒業してしまったりして、夜の街に行くモチベーションがなくなってしまいました」(50代・不動産)

「コロナに感染して、妻にキャバクラ通いがバレたらマズいので行かなくなりました。お金もかかるし、ちょうど潮時だったのかも」(40代・メーカー)

また、コロナ前まで歌舞伎町のキャバクラで働いていた30代女性は次のように語る。

「あの頃に店が営業できなくなり、夜職を上がった女のコは多いですね。私も営業自粛期間にキャバを辞めましたが、その後はコロナが比較的感染しづらいメンズエステで働くようになりました。

歩合制だから収入に変動はあるけど、基本的にはキャバよりも稼げるし、お酒を飲まなくていいから健康的。キャバやラウンジにも客足が戻ってきたみたいですが、私は今後もキャバに戻るつもりはありません」
 
3年以上にわたる自粛期間を経て、日本社会は想像以上に大きく変わっていたのだ。

取材・文/渡辺ありさ(かくしごと) 写真/iStock

このニュースに関するつぶやき

  • マスクでコロナ(風邪)が防げるとまだ思ってるなら重篤なコロナ脳患者。
    • イイネ!1
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