栃木県那須町の河川敷で会社役員夫妻の遺体が見つかった事件で、夫妻の長女の内縁の夫で、首謀者とみられる会社役員関根誠端容疑者(32)=死体損壊容疑で逮捕=が1〜2月ごろ、情報提供と称して警視庁上野署を訪れ、「夫妻の飲食店経営はずさん」という趣旨の話をしていたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。
直前には夫妻が経営する会社の取締役だった長女が退任しており、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は、遅くともその頃までに同容疑者と夫妻の関係が悪化していたとみて、事件に至る経緯や動機を調べている。
捜査関係者によると、関根容疑者は1〜2月、上野署を訪問。宝島龍太郎さん(55)、幸子さん(56)夫妻が東京・上野で経営する飲食店について、根拠を示さないまま、「従業員が長時間働かされている」「外国人従業員の9割がオーバーステイか資格外活動で、不法就労助長の疑いがある」「脱税している」という趣旨の話をした。
「入管当局に情報提供をした」とも話したが、これまでに摘発はされておらず、関根容疑者が事実と異なる話をして、夫妻を陥れようとした可能性もあるという。
登記簿によると、長女は2014年2月から宝島さん夫妻の会社の役員を務めていたが、今年1月11日付で退任した。
関根容疑者は学生時代に長女と一時交際。数年前から再び交際を始め、宝島さんの会社でマネジャーとして働くようになった。事件前は飲食店十数店舗のうち、数店舗の管理を任されていた。
合同捜査本部はこれまでに関根容疑者ら男6人を逮捕。夫妻と経営を巡るトラブルを抱えていた同容疑者が報酬を支払い、職業不詳佐々木光容疑者(28)=同=らを介して、実行役2人に夫妻の殺害と遺体処理を依頼したとみている。