「付き合う=カラダの関係」がムリな女性たち――「恋愛はしたい」のにナゼ?

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2024年05月21日 16:31  日刊SPA!

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―[ゼロ恋愛 〜経験値ゼロから学ぶ恋愛講座〜/堺屋大地]―
 こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。

 筆者はLINE公式サービスにて、年間約1000件のペースでチャット恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。

 2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。

 今回は、近年の“若者の恋愛離れ”の一因となっている「付き合う=カラダの関係」がムリで、恋愛に消極的になっている20代女性が増えているという話題を掘り下げていきます。

◆恋愛はしてみたいが性行為には抵抗感や恐怖心がある

 X(旧Twitter)などのSNSで、恋愛に興味はあるけれど、性行為には抵抗感や恐怖心があり、付き合うことになるとカラダの関係を持たなくてはいけないから、恋愛自体がムリ――という結論に至っている若い女性の投稿をたびたび見かけます。そういったポストに多くの“いいね”が集まることも。

 一方、男性側にカラダの関係がなければ付き合う意味がないと思われてしまうような、性行為以外の“価値”を提供できていない女性側に問題があるというポストもあり、こちらも多くの“いいね”を集めていました。

 後者は極論ではあるもののその主張にも一理あると感じますので、両方の言い分がわかります。そのうえで筆者はこの問題を、次のように考えているのです。

◆「付き合う=カラダの関係」は平成まで

 確かに平成までの感覚なら、当然のように「付き合う=カラダの関係」と認識されていました。が、価値観の多様化が進む令和の現代において、性行為をしない恋人関係があってもいいでしょう。

 ただ、「付き合っても性行為しなくてもいい」という価値観も尊重されるべきですが、やはり「付き合う=カラダの関係」という価値観を持つ男性のほうが多数派なのは事実ですし、こちらの価値観も尊重されるべきなのです。

 性行為は性欲を満たすだけのものではなく、愛情表現としての意味合いも強いですし、相手に特別感を与えられるという要素もあります。言わずもがな、結婚して子を授かりたいのであれば必要な行為でもあります。

 ですから、性行為なしでもかまわないという同じ価値観の相手と相思相愛になれるのがベストですが、少数派のため確率的に巡り合える可能性は低くなり、おのずと恋愛成就率が下がってしまうことは受け入れる必要があります。

 まあそういう低確率の恋愛に、自身の貴重な時間と労力を費やすことに疑問を感じるということでしょうから、恋愛離れが進んでしまうのも頷けるわけです。

◆価値観を変えてでも一緒にいたいと思わせられればOK

 しかし、「付き合っても性行為しなくてもいい」という価値観の女性は、必ずしも同じ価値観の人を見つけないといけないわけでもありません。

「付き合う=カラダの関係」という価値観の男性と付き合っても、性行為をさせずに、それでいて相手の男性に満足感を与えられればいいわけです。

 これが先ほどの後者の、性行為以外の“価値”を提供できていないことがダメだとする主張に合致するところ。「付き合う=カラダの関係」と考えている男性がたとえ性行為できなくても、自らの価値観を変えてでも一緒にいたい女だと思わせられればOKなわけです。

 けっきょくのところ男女間のパワーバランスの問題で、追いかけているほうより追われているほうの力(=主導権)が強くなるもの。両者の価値観が違っても自分がパワーバランスで勝っていれば、相手の価値観を捻じ曲げさせることができるようになるわけです。

◆「価値観が違う」なんて普通のこと

 もしかすると「相手の価値観を強引に変えさせるなんてよくない!」と感じた人もいるかもしれません。ですが、あらゆる物事に“価値観”は存在し、何百何千という項目があるため、そのすべてが合致する相性バッチリの相手と出会えることなんて、ほぼありえないのです。

 つまり、価値観が違う者同士でも恋愛関係になるのは当たり前のこと。そして、どちらかの価値観に合わせなくてはいけないというシチュエーションでは、どちらかが自身の価値観を押し通して、どちらかが我慢して合わせなくてはいけません。

「付き合う=カラダの関係」という価値観が注目を集めやすいトピックで、令和のいまだとなおのことSNSでも議論に発展しやすいわけですが、“価値観の違い”にどう対応するかということ自体は、ごくごく普遍的な問題(=よくある悩み)でしかないということなのです。

◆“若者の恋愛離れ”は「ゆゆしき問題」ではない?

 価値観の多様性を尊重する時代ですから、「付き合う=カラダの関係」という価値観に抵抗がある人が、恋愛に消極的になるのは止められないでしょう。

 マクロ視点で日本の将来を考えた場合、昨今の出生率の低下はゆゆしき問題ではあります。けれどミクロ視点で考えた場合、べつに恋愛なんてしなくちゃいけないものでもないのですから、“若者の恋愛離れ”は「ゆゆしき問題」ではなく「ただの現象」。

 個々人の価値観に寄り添っていくのであれば、“若者の恋愛離れ”はまずい状況でも、いけないことでもないのです。<文/堺屋大地>

―[ゼロ恋愛 〜経験値ゼロから学ぶ恋愛講座〜/堺屋大地]―

【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi

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