「頭髪に悩む中年男性」が絶対にやってはいけない“コスパ最悪の薄毛対策”

0

2024年05月22日 09:31  日刊SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊SPA!

薄毛対策に本格的に取り組む前の頭髪の状態
―[メンズファッションバイヤーMB]―
 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第480回目をよろしくお願いします。

 これまでAGA治療をガチレビューしてきました。今回は現在も治療を続け、ある程度成果が出ている僕が……「増毛」と「カツラ」についてガチレビューします。

 薄毛界隈の皆さんが気になっているであろう「増毛」「カツラ」について。今回は完全にぶっちゃけていきますよ!

◆費用と時間だけ無駄にかかるフロント商材「増毛」

「1000本増毛で1万円!」「60分間お試しで増毛し放題!」などのキャンペーンがそこかしこで目立ちますが、残念ながら本当におすすめできません……。実際に3度ほど増毛をした体験者である僕が自信を持って断言させていただきます、「やる価値ナシ」です。

 まず、「増毛」とは一般的に自毛の根本に人口毛を結びつける施術のこと。やり方は各社さまざまでしょうが、おおむねこの方法が多いはずです。

 根元に人工毛を2本結ぶ、4本結ぶ、8本結ぶ……など本数を選べたりします。当然のことながら本数が多いほうが増えて見えるわけですが、その分、違和感が出てきます。2~4本程度ならさほど気になりませんが、それ以上ともなると頭が引っ張られるような感覚が少し出てきます。

 といっても、自毛に対してそこまで極端なストレスになってるとも思えないので、よくある風説「増毛は自毛に負担を与えるから結果ハゲを加速させる」は言い過ぎなのではと個人的には思っています。

 また、「根っこに結びつけるわけだから、髪が伸びてきたらどうするの??」と疑問に思うかもしれませんが、これはそこまで不自然になりませんでした。伸びてくれば、当然結び目が上にきてしまうので「途中から急に毛が増えたように見える」想像をするでしょうが、意外と自然です。ただ物理的に結びつけてるだけなので時間が経つと自然と取れてきます。

 シャンプーも普通にしていいし、特に日常生活で制限はないのですが、洗う度に何本かは取れていくので2か月もすれば、ほとんどすべて増やした分がなくなるかなといった感覚。なので、たいがい「1~1か月半に1度は増毛に来てくださいね」と提案する会社が多いです。

「なんだ、じゃあ通う必要があるだけで、悪くないんじゃないか??」
「カツラより自然で抵抗ないし、髪も洗える。むしろオススメなんじゃない?」

 そう思って1000本無料キャンペーンなど試しにいってみると……おそらく施術後に愕然とするはずです。

◆1000本増毛は「ほぼ自己満足」

 そう、まず大きなデメリット。1000本程度では大して見た目が変わらないのです。僕は「ハゲ」とまではまだ言えない程度「薄毛で分け目から地肌が見える」くらいでしたが、そのくらいの進行度合いでも1000本増毛は「ほぼ自己満足」に近いものでした。

 確かに増えてはいるのですが、「ちょっとだけ隠れたかな?」くらい。きちんと隠すためには3000本くらいは必要なイメージでした。

「じゃあ3000本増やせばいいんじゃない?」と思うかもですが、実はこれが大変面倒くさい。自毛に結びつける作業そのものが実は1本1本美容師さんの手作業なのです。つまり本数を増やすだけ作業時間がかかる。3000本なんておそらく1日じゃ終わりません。それを月に1度なんて現実的じゃありません。最近ではスピーディに結ぶ方法もあるみたいですが、それでもやはり時間はそこそこかかるよう。

 さらに料金もなかなかかかります。だいたい1000~1500本で10万円くらいでしょうか。これを1.5か月に1度払うのも負担がデカイ。

 お試しで1000本とキャンペーンに流され来店するも……「1000本増毛ではそこまで印象が変わらない」→「かといって3000本とか毎回の負担がでかすぎる」→「じゃあカツラにしましょうか」という流れに。そう、増毛ってカツラのフロント商品なんですよね……。

◆条件次第でいい商品! オーダーメイドの「カツラ」!!

 さて、僕も増毛のワナにまんまと引っかかり、その後カツラを作ることになりました。

 しかし、ここでもワナが……カツラって基本オーダーメイドで作ります。一番いい素材で作ってもらったら3か月ほどかかり、費用も70万円ほどしました。

 既製品やセミオーダーでもいいのですが、頭の形はそれぞれ違うし髪色も違う……やはり自然に見せるならオーダーを選択することになります。「被ってる感」が出るのはたいがい既製品ですね。

 オーダー品は確かに自然に見えるのですが時間もコストもかかりますし、何よりもう二度と普通の美容室には行けません。オーダーメイドのカツラ会社に行き専用の美容師さんにカットしてもらうことになります。このへんもデメリットですよね。

 ただし、カツラは先程の増毛とは異なり、いくつかの条件をクリアすればとてもいい商品だと思います。最近のカツラはそんなに簡単に外れませんし、モノによっては「ウォータースポーツもOK」なんて謳うものもあります。

 オーダーなので自然な印象が作れるし、耐久性も毎日使って3年くらい保ちます。お手入れや使用頻度次第なところもありますが……3年間髪の悩みがほとんどなくなる分、70万円と思えば、まあ高額なことに変わりはないけど、コンプレックス次第ではアリかもしれません。

 ただし、僕にはあまりいい商品ではありませんでした。大きな理由は「センス」です。

◆「床屋さんでカットした小学生」みたいな髪型

 そうしたオーダーメイドカツラで有名な会社に行けば理解できるのですが……どこも極めてオールドスタイルなお店やお部屋に通されます。やはりカツラを買うのは50代くらいがメインターゲットであり、若くても40代くらい。

 客層が原因なのかわかりませんが、対応してくれた方のオールドなセンスにちょっと僕はついていけませんでした……。

 オーダーメイドのカツラを作る時は、当然髪型を担当の方と相談しながら決めることになります。自毛もカツラも担当していただく美容師さんにカットしてもらい最終的に整えていくのですが……どう考えてもセンスが古い!

 ニュアンスがまったく伝わらず、髪型がどうしても決まらない。「床屋さんでカットした小学生」みたいな髪型を提案され、いくら説明してもわかってもらえそうになかったので終盤は諦めてしまいました。70万円が水の泡……高いネタだった。

 これは担当の方のアタリハズレがあるのだと思いますが、ほかの方の接客や説明を聞いているとおおむね「おしゃれ」とは程遠いところにあるなと感じました。作るときにはきちんと参考写真や詳細を説明できるように準備する必要があります。

 また、「カツラをかぶるため」に自毛もある程度カットしなければいけない。すると、毎日カツラをつける人でもない限り(意外と僕含め多くの方が毎日着用ではないそうです)、「カツラを被った時のスタイリング」と「被ってない時のスタイリング」が両立するようにしなければいけません。

 それを実現する技術力が伴った美容師さんに当たるのはなかなかレアなんじゃないかな……とも。もちろんカツラを常時着用する人なら問題ないとは思いますが……。

◆最終的に選択したのはやはり「自毛」

 そして、結局、最終的に僕が選択したのは「やはり自毛を鍛えよう!」とAGAのやり直し。

 薬物治療によるAGAだけでなく、生活習慣の見直しや東洋医学的な鍼治療、さらに自力を鍛える幹細胞培養液の注射点滴などを行って現在は劇的に回復傾向にあります。
 男性諸君、カツラもいいけど、まずは自毛を鍛える努力からやってみましょう!

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)

    ランキングライフスタイル

    前日のランキングへ

    ニュース設定