5点の衣類巡り再び対立=「議論蒸し返し」の声も―袴田さん再審

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2024年05月23日 07:31  時事通信社

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時事通信社

静岡地裁=静岡市葵区
 静岡地裁で15回行われた袴田巌さん(88)の再審公判で最大の争点となったのは、一家4人殺害事件の約1年2カ月後に工場のみそタンク内から見つかった「5点の衣類」だった。「犯行時の着衣」か、「捏造(ねつぞう)」か。再審請求審で長年繰り広げられた検察、弁護側双方の論争が繰り返された。

 再審開始決定に対する特別抗告を断念した検察側だったが、袴田さんの有罪立証を維持。半袖シャツの血痕と袴田さんの負傷部位が酷似していることなどから、5点の衣類が犯行時の着衣だと主張した。一方、弁護側は半袖シャツの血痕のDNA型鑑定から袴田さんのものではなく「捜査機関による捏造」と反論。検察側の姿勢に「議論の蒸し返しだ」との声も上がった。

 第6回公判を控えた今年1月には、弁護団長を務めた西嶋勝彦氏(82)が死去。再審や冤罪(えんざい)事件を多く手掛けた団長を亡くし、巌さんの姉ひで子さん(91)は「巌が無罪であると聞いてもらいたかった」と残念がった。

 最大のヤマ場は3月25〜27日に行われた法医学者ら5人の証人尋問。最終日には、検察、弁護側双方の証人に裁判官が同時に質問する「対質尋問」が行われた。

 検察側証人の神田芳郎・久留米大教授は血痕が赤く見えるかは「観察者の主観」で、「科学的判断は難しい」と指摘。池田典昭・九州大名誉教授は、「酸素濃度や乾燥など、血痕の黒褐色化を阻害する要因が検討されていない」と弁護側鑑定を批判した。

 一方、弁護側の3証人はいずれも「1年以上みそ漬けされた血痕に赤みが残ることはない」と反論した。再審開始を決定した第2次請求差し戻し審で鑑定書を作成した旭川医科大の清水恵子教授は酸化に伴う色調の変化に注目。5点の衣類の繊維間や麻袋の中には、血痕の赤みが消えるのに「十分な酸素量があった」と証言した。

 検察側の主張について「(赤みが残る)可能性があるという抽象的なもので、仮説の域を出ない」と、淡々とした口調で批判した。 

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  • 僕らが思っている以上に冤罪はある。でっちあげはある。弁護団は逆に警察の検察の嘘や証拠隠滅を暴くくらいに頑張ってほしい。
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