『キン肉マン』大好き作家・燃え殻×爪切男の先月の肉トーク!! vol.34【コミックス派はネタバレ要注意!】

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2024年05月26日 23:50  週プレNEWS

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『キン肉マン』大好き作家・燃え殻さんと爪切男さんが4月の連載を激論!

『ボクたちはみんな大人になれなかった』の燃え殻、『死にたい夜にかぎって』の爪切男の意外な共通点、それは『キン肉マン』!!

希代のストーリーテラーのふたりが4月分の『キン肉マン』連載を甘く、そして辛く批評。

―今回の「先月の肉トーク」テーマ―

第447話 "五大刻"への対抗戦力!!の巻(4月1日更新)
第448話 キン骨マンの贈り物!!の巻(4月15日更新)
第449話 義足に次ぐ想定外!!の巻(4月22日更新)
第450話 5つの拠点!!の巻(4月30日更新)

あらすじ
マリポーサVSパピヨンマンの時間超人遭遇戦第2ラウンドを終え、時間超人軍団・五大刻に対抗すべく集まったキン肉マン、テリーマン、ウォーズマン、ネプチューンマン、ネメシスの5人。特に、義足の不安を抱えるテリーマンだが、そんな彼のもとにかつて原因をつくったキン骨マンが現れた。 

爪切男(以下、爪) 4月の連載の最初(第447話)は、ザ・ワンの下に集まったキン肉マンやウォーズマンたちが、ケンダマンの報告を聞いたところで、突然キン骨マンが現れる。自分で作った、テリーマンの新しい義足を持って。

燃え殻(以下、燃) すごい回収っぷりだよね。キン骨マンがテリーの足を銃撃した事件の。

 前回燃え殻さんが言っていた、『キン肉マン』が終わりに向かっているということを、読者にわかってもらういいエピソードかもしれない。ずーっとひっぱっていた件にケリがついて、これでキン骨マンは役目を終えたから。

 ウォーズマンがラーメンマンの脳をえぐって植物人間になったがモンゴルマンとして復活、という件も、どこかで回収されるのかな。

爪 (笑)。だから、そういうのも楽しみじゃないですか。長年の伏線が全部回収されていくんじゃないか、という。

 キン骨マンの件まで回収したんだったら、他ももう全部回収してもおかしくないよね。

 しかし、この回のキン骨マンの独白を読むと、相当長い間、撃ったことを後悔して苦しんできたのがわかりますね。だって、超人オリンピックの時の話ですよ?

 ほんとだよね。長い!

 でもそれを読んで、昔、自分が考えていたことを思い出しました。キン肉マン、「フェイス・フラッシュ」でいろんなものを元に戻してたじゃないですか。

 ああ、ドブ川がきれいになったりね。

 「フェイス・フラッシュ」を、テリーマンの義足に当ててやれよ! って思ってたんです。

 ああ、そうだね、言われてみれば。あと、久々にキン肉マンとキン骨マンの絡みを観れたのもうれしかった。

 うん。キン肉マンとキン骨マンとテリーマンがそろうと、懐かしい安心感がありますよね。とにかくよかった、これでテリーマンが万全の状態で闘えるから。でも逆に言うと、テリーマン、これで絶対に負けられなくなったとも......。

 言えるね、うん。

 だから、テリーの勝ちはもう決まり、勝ちフラグ。だって、これで負けちゃったらねえ?

 うん。あ、でもそう考えると、ウォーズマンは、負けフラグが立っている気がする。

 ネメシスも立ってません?

 あ、立ってる!

 ネメシスは、行った先が悪すぎる。で、ウォーズマンは「あそこは...あの場所だけは、ぜひこのオレに行かせてくれーーーっ!」と言った段階でね(第450話)。

 『キン肉マン』をずっと読んできた者としては、「あ、ヤバい! ここで何か物語性があるってことは、先生が何かを閃いてる!」と(笑)。

 燃え殻さんの「『キン肉マン』が終わりに向かっている説」が正解なのであれば、これがウォーズマン最後の勝負なんでしょうね。

 でも、ウォーズマンも伏線回収があるんだとしたら、彼が向かった場所に、ロボ超人としてのルーツがあるのかもしれない。なぜ彼だけロボットなのかの理由がそこにある、だからこその「あの場所だけはオレに行かせてくれーーっ!」なのかもしれない。

 ああ、なるほどー。いい読みですね。

 でも、それが正解だとすると、そこでウォーズマンが自身の原点に当たる、原点と対峙するってことは、よくないんだよ。原点に当たるってことは、ウォーズマンの物語が完結するってことだから。締めに向かってるよ、これは。

 あと気になるのが、ジャスティスマンの失踪。ファナティックがいるサグラダファミリアに行ったきり、帰って来ないし報告もない。ネメシスは、その追跡調査に行きたいと自ら申し出て、そこに向かったわけで。

 うん、いかんよねえ。負けフラグが立った。

 そう考えると、もう全部負けフラグに見えるなあ。ザ・マンがネプチューンマンのマスクを治したのも、負けフラグに思えてきた。そもそも、マリポーサがパピヨンマンに敗れたのも、あんなにできることをすべてやって、まったく歯が立たなかったわけだから。

 他の超人たちも、勝てるかというとねえ......テリーマンだけだなあ。他のメンバーは、今の技と佇まいだと、勝つ展開が見えない。

 いや、さっきはテリーマンの勝ちは決まったと言ったけど、それもわからない気がしてきました。義足がパワーアップしたから、というだけで、マリポーサに圧勝した時間超人たちに勝てるかというと......。

 ああ、うん、そうかも......。

 あと、主人公補正でキン肉マンは勝つだろうけど、テリーマンは負けるか良くても引き分け、ウォーズマンとネプチューンマンは負ける、という......。

 厳しいなあ。というようなことも含めて、『キン肉マン』は終結に向かいつつあるということを、意識しながら読んだ方が楽しめると思う。だって、先月キング・ザ・100トンとバイクマンが出てきたのも、最終回感がなかった?

 ああ、最後の顔見世的なね。そうか、今、キング・ザ・100トンは、パピヨンマンとなんらかの攻勢をしてるんだもんな。

 で、負けるんだろうけど、もう負けるシーンさえ描かれなくて、今度出て来る時には首だけになっている、とか。

 ああ、分銅になってるみたいな(笑)。

●テリーマンが登場したこの先は......

爪 で、449話からのいわゆる説明回で、なぜザ・マンとザ・ワンが時間超人たちと闘わないのか、なぜザ・ワンはバッファローマンを修行させているのかの理由が、わかりましたね。神同士が闘うのは宇宙の調和の法則をさらに乱すことになる、だから絶対的な禁忌事項なんだ、という。

 うん。しかし先生、ここからの展開を作るの、大変だよ、これは。どうするんだろう......。う〜ん、勝ち負けはおいといても、ウォーズマン、ネメシス、ネプチューンマン、テリーマンが闘うことまでは決まっているとして......。

 あと、ザ・ワンに付いた超人たちの闘いもあるし。ロビンマスクやアシュラマン、修行を終えて戻ってくるバッファローマンの。

 そうだよね。

 ラーメンマンもどこかで現れるだろうし。

 これから描かなきゃいけないことが多いよねえ。

 うん、キャラが多すぎて渋滞してる。

 だからと言って、「このキャラの顛末は描かなくていいや」っていうわけにはいかないし。『キン肉マン』が終わりに向かいつつある、という僕らの読みが当たっていたとしても、ちゃんとすべてを描ききって終了するまでに、相当の月日がかかるね、これは。1年2年じゃ無理だな。

 うん。僕ら、一応作家じゃないですか。自分の身に置き換えて考えると......。

 怖いよ! 俺だったら怖くなっちゃうよ。書けないよ、そんなの。

 怖いし、とりあえず健康には気をつけますね。身体を壊して最後まで描けなくなる、という事態にならないように。『キン肉マン』は責任がありますからね、最後まで描いてちゃんと終わらせなきゃいけない、という。

 あるよお! アニメも始まるしさあ。

 本当にお身体に気をつけてほしいです、嶋田先生も中井先生も。

 でもさ、ゆでたまご先生と同世代、あるいは上の世代で活躍しているマンガ家さんは何人かいるけど、今でも週刊連載を続けている人って、いる?

 どうだろう。思いつかないなあ......あ、高橋よしひろ先生の『銀牙シリーズ』(画業53年目)。

 ああ、そうだね。あと、週プレのもうひとつのマンガ連載、『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』もあるか(1982年より『海のホワイティ』にて連載開始)。

 猿渡哲也先生。歳は上だけど、デビューはゆでたまご先生より後じゃないかな。

 うん。でも、四コマとかは別にすると、キャリア数十年のマンガ家で、現在進行形で週刊連載、っていうと、その3人しか浮かばないな。

 僕らも週刊連載やってますけど、マンガで週刊連載やってるのって、僕らの労苦なんて比にならない。すごいと思います。

 すごいよ! とんでもないよね。おふたりも、60歳を超えてからも、こんなペースで描き続けているとは思わなかっただろうなあ。

 その歳になってもマンガ家を続けていたい、というのはあっただろうけど──。

 週刊で『キン肉マン』を描いているとはね。もはや、おカネのためでもないだろうし。

 ですよね。『キン肉マン』を最後まで描ききらなきゃ、ちゃんと終わらせなきゃ、という執念なんだろうな。

 あと愛、『キン肉マン』という作品へのね。

燃え殻(MOEGARA)
1973年生まれ、神奈川県出身。働きながら始めたツイッターでの発言に注目が集まり、作家デビュー。最新著は『夢に迷ってタクシーを呼んだ』(新潮社)。ドラマ『あなたに聴かせたい歌があるんだ』(漫画:おかざき真里/扶桑社)はHuluで配信中。出演中のラジオ番組 『BEFORE DAWN』(J-WAVE、毎週火曜26:00〜27:00)もチェック

爪切男(TSUMEKIRIO)
1979年生まれ、香川県出身。2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)で小説家デビュー。2020年、同作が賀来賢人主演でドラマ化。『きょうも延長ナリ』(扶桑社)が発売中。集英社発のWebサイト『よみタイ』で、コラム『午前三時の化粧水』、ドライバーWebで『横顔を眺めながら 〜爪 切男の助手席ドライブ漂流〜』を連載中。5月21日には『クラスメイトの女子、全員好きでした』が文庫化、さらに読売テレビ・日本テレビ系プラチナイト木曜ドラマとして7月11日(木)23時59分より同作ドラマがスタート(主演:木村昴)

取材・文/兵庫慎司  撮影/鈴木大喜 ©ゆでたまご/集英社

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