新型iPad Air・iPadの進化ポイントを詳しく解説! 今回“買うべき”なのはどんな人?

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2024年05月28日 21:20  All About

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アップルが2024年5月7日に発表した新しい「iPad Air」と「iPad Pro」。どのような点が進化しており、購入すべきはどんな人なのかを解説します。
日本時間2024年5月7日に、アップルはiPadの新製品である「iPad Air」の第6世代モデルと、「iPad Pro」の第7世代モデルを発表しました。

いずれも従来のモデルとは大きく変わった点が多く、それだけに各機種のターゲットも変わってきているようです。

では新しいiPad AirとiPad Proはどのような特徴を備えており、どんな人が購入すべきなのでしょうか。

第6世代iPad Airの特徴

第6世代iPad Air

まずは第6世代iPad Airについてですが、とりわけハード面で大きな変更がいくつかなされているようです。

13インチモデルが追加され2モデル構成に

第6世代になって最も大きく変わったのはラインアップです。従来のiPad Airは10〜11インチの1モデルのみ展開がなされてきましたが、第6世代のiPad Airではそれが2モデルに増えたのです。
第6世代iPad Airは11インチモデルに加え、新たに13インチモデルが追加された

具体的には従来と同じサイズ感の11インチモデルのほか、新たにより大画面の13インチモデルが追加されています。

iPad Airは動画の視聴などだけでなく、Apple Pencilで絵を描いたり、Magic Keyboardを装着して文書を作成したりするなど、ビジネスや学習などの用途で活用されることも多いだけに、より大きな画面で快適に作業したいという人は13インチモデルに魅力を感じるのではないでしょうか。

より性能が向上した「M2」を搭載

もう1つ、大きな変化となるのがプロセッサです。

iPad Airは前機種となる第5世代モデルから、プロセッサにiPhoneと同じ「A」シリーズではなく、Macと同じでより性能が高い「M」シリーズを採用しているのですが、第6世代のiPad Airではそのプロセッサが「M2」に進化しています。

M2は前世代となる第6世代のiPad Proと同じプロセッサで、現行の「MacBook Air」などでも一部に採用されているもの。

アップルのプレスリリースによりますと、M2を搭載した第6世代iPad Airは、前世代のiPad Airと比べ50%高速とされており、グラフィックなどを扱うクリエイティブ関連のツールやAAAクラスのゲーム、そして昨今注目されるAI技術を活用したツールなども、従来より一層快適に利用できるようです。

フロントカメラが横画面で上に位置するように

もう1つ、ハード面の大きな変化に挙げられるのがフロントカメラの位置です。

従来のiPad Airはフロントカメラの位置が、縦画面にした時に上に位置するよう設計されていましたが、第6世代のiPad Airではその位置が変更され、横画面にした時に上に位置するようになったのです。

これは、iPadが横画面で利用されることが多いことを意識した変化といえるでしょう。

とりわけフロントカメラの主な用途となるビデオ会議ツールは、横画面で利用されることが多いだけに、ビデオ会議のニーズが増えたことを意識したものといえそうです。
フロントカメラは横にした時に上に来るよう位置が変更され、ビデオ会議などに活用しやすくなった


第7世代iPad Proの特徴

続いて第7世代iPad Proに関してですが、こちらは従来通り11インチと13インチの2モデル構成ながらも、非常に大きな進化を遂げているようです。
第7世代iPad Pro


5mm台の驚異的な薄さを実現

大きな変化の1つは薄さです。第7世代iPad Proは両モデル共に5mm台という驚異的な薄さを実現しており、11インチモデルは5.3mm、13インチモデルに至っては5.1mmとなっています。
第7世代iPad Proの薄さは11インチ、13インチモデル共に5mm台という驚異的な薄さだ

ちなみに第6世代iPad Airの薄さは、両モデル共に6.1mm。それでもタブレットの中ではかなり薄い部類に入るのですが、それを上回る薄さを実現しました。

加えて重量も11インチモデルで446g、13インチモデルで582g(共にWi-Fi+Cellularモデル)と、一層の軽量化が図られていることからより収納しやすく、持ち運びやすくなったといえるでしょう。

ディスプレイに有機ELを初採用

もう1つの大きな変化となるのがディスプレイ。iPadシリーズで初めて有機ELを採用しているのです。

スマートフォンのディスプレイや、一部のテレビで採用されている有機ELは、自ら発光する仕組みなので液晶のようにバックライトを付ける必要がなく、明るい映像を実現しながらも薄くできるのが大きなポイント。

5mm台という薄さを実現したのも、ディスプレイ素材を有機ELに変更したことが大きく影響したといえそうです。

ですが第7世代iPad Proはそれに加えて、2枚の有機ELパネルを用いて双方の光を組み合わせる「タンデムOLED」という技術を採用。

これによってディスプレイの輝度を大幅に高め、スクリーン輝度は1000ニト、HDRコンテンツ視聴時でピーク輝度が1600ニトに対応するとしています。

数字だけを見てもピンと来ないでしょうが、タブレットデバイスでは最高クラスの輝度といっていいでしょう。
ディスプレイには初めて有機ELを採用。「タンデムOLED」という技術で、タブレットデバイスとしては最高クラスの輝度を実現している


書類のスキャンがしやすくなったカメラ

カメラも進化を遂げており、新しい「アダプティブTrue Toneフラッシュ」が備わっています。

第7世代iPad Proでは主として、紙の書類などをカメラでスキャンする時に用いることが想定されているようで、AIで書類を識別し、影が映り込んだらアダプティブTrue Toneフラッシュを使って複数の写真を撮影、それをつなぎ合わせて影のないスキャンを実現するとしています。
背面のカメラには「アダプティブTrue Toneフラッシュ」が搭載され、書類をより綺麗にスキャンできるようになった

またフロントカメラも、第6世代iPad Airと同様に横向きにした時に上に来るよう配置を変更。ビデオ会議などにより活用しやすくなったといえるでしょう。

新プロセッサ「M4」を搭載

そして大きな進化点となるのがプロセッサで、第7世代iPad Proには現行のMacBookなどに搭載されている「M3」ではなく、新開発の「M4」が先んじて搭載されているのです。

M4は新しいCPUを搭載することで、M2の1.5倍高速な性能を実現するなどベースの性能が大幅に強化されているのはもちろんですが、それに加えてAI関連の処理を高速にこなすNeural Engineを一層強化。

最大で毎秒38兆回の演算処理が可能とのことで、それを搭載した第7世代iPad Proでは、AIを活用したアプリの利用がより快適になることが考えられます。
第7世代iPad Proは、Macに先駆けて新しいプロセッサ「M4」を搭載し、従来より一層高い性能を実現している


新iPad Air/iPad Proを購入すべきはどんな人?

では、新しいiPad AirとiPad Proはどんな人が購入すべきなのでしょうか。

iPad Airはタブレットをパソコン的に活用している人向け

まず第6世代のiPad Airですが、Macと同じM2のプロセッサの高い性能は、動画などのコンテンツを視聴するだけの用途にはオーバースペックです。

加えて第6世代iPad Airは11インチモデルの最も安い構成でも9万8800円と安くないだけに、絵を描いている、ビジネスツールとして使っているなど、iPadでパソコンのような使い方をしている人が選ぶべきでしょう。

その上で、大画面で作業をしたい人は13インチ、持ち運びなどを優先するのであれば11インチモデルを選んだ方がいいかと思います。

ちなみにペン操作をあまり重視しないのであれば、性能が大きく変わらないM2を搭載したMacBook Airを選んだ方が、周辺機器が必要ない分安く済む場合があることも覚えておくといいかもしれません。
第6世代iPad Airの性能はMacBook Airなどと同等で非常に性能が高いので、ビジネスやクリエイティブなどのアプリを活用するのに適している


iPad Proはペン操作が欲しいクリエイティブのプロ向け

一方の第7世代iPad Proは、より性能が高いM4を搭載しており、なおかつ価格も最小構成で11インチモデルが16万8800円、13インチモデルが21万8800円と非常に値段が高いことを考えると、もはや一般消費者が選ぶべきモデルとは言い難いというのが正直なところです。

やはり「Pro」という名前の通り、映像やCGなど、負荷が大きいアプリを使う機会が多いクリエイティブのプロで、なおかつMacには難しいペン操作をフル活用したい人が選ぶべきモデルといえるのではないでしょうか。
第7世代iPad Proは性能も値段も非常に高いので、それだけの性能を欲するCGアプリなどを活用する機会が多いプロクリエイター向けといえる

(文:佐野 正弘(携帯電話・スマートフォンガイド))

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