不倫バレした夫が妻にした“まさかのお願い”。現在の妻が静かにほくそ笑むワケとは…

　パートナーの不倫を知ると、誰しも悲しみと怒りで胸が張り裂けそうになるもの。近藤結衣さん（仮名・37歳）も2歳上の夫・英明さん（仮名）の裏切りを知ったとき、今までにない絶望感を味わいました。

　しかし、本当の地獄はその先に……。結衣さんは離婚を迫った時、夫から信じられないお願いをされ、仰天してしまったのです。

◆職場のモテ男からアプローチをされて結婚！

　結衣さんと英明さんはもともと、同じ職場で勤務。社交的で人たらしな英明さんは女性社員から人気があり、恋の噂が絶えない存在だったそう。目立つのが苦手な結衣さんは「自分とは別世界の人」と思い、距離を置いていました。

　ところが、会社の飲み会で隣同士になったことから急接近。「他の人と違って、君といるとホっとする」と英明さんから猛アプローチをされ、2人は結婚することになりました。

「まさかの展開すぎて、当時は思考が追いつきませんでした。正反対な性格なので、不安もありながらの結婚でしたね」

　結婚しても、付き合いで飲みにいくこととか多い人なんだろうな。交際時から同僚や友人との飲み会に頻繁に出席する姿を見ていたため、結衣さんはそう覚悟していました。しかし、予想に反して英明さんは結婚後、家庭を最優先し、まっすぐ帰宅。家族の時間を大切にしてくれる英明さんを、結衣さんは改めて好きだと思いました。

◆出産を機に心がすれ違い始める

　ところが、甘い結婚生活は子どもが生まれたことを機に変化。結衣さんの意識が息子に向くようになったことが不満だったのか、英明さんは「家に居場所がない」と言い、週に3〜4回は同僚や友人と飲み歩くようになりました。

「キャバクラや風俗にも行っていたようです。でも、産後の私は夫とイチャイチャしたいとは思えなかったので、欲を満たせているのなら、それでいいと思っていました」

　心がすれ違った生活を続ける中、結衣さんは産休を終え、仕事に復帰。顔を合わせたくない気持ちから英明さんとは違う職場に転職し、バリバリと働き始めました。

◆リビングに半裸の夫と知らない女性が……

　そんなある日、地方への出張が予定より早く終わり、自宅へ帰宅すると、玄関に知らない女性のパンプスが……。リビングの扉を開けると、半裸で動揺する英明さんと知らない女性の姿がありました。

「偶然、不倫現場に居合わせてしまったんです。相手の女は、夫の部下でした。謝罪をされましたが、その場では何も考えられなかったので、連絡先や名前、住所を聞き、一旦帰ってもらいました」

　もう、夫婦関係は続けていけない。小学生の息子には寂しい思いをさせるかもしれないけれど、離婚しよう。結衣さんはそう決意し、英明さんに離婚話を切り出しました。

◆不倫相手も妻も諦められない夫にドン引き

　ところが、英明さんの口から出たのは信じられない返答。「俺、お前とは別れたくないよ。せっかく子どもも生まれたし、家族みんなで仲良くやっていきたい」と不倫を棚に上げ、離婚を拒否してきたのです。

「じゃあ、あの子とは別れるの？」困惑しながらも、結衣さんがそう尋ねると英明さんは「それも無理かも……」と優柔不断な返事。挙句の果てには「あの子との不倫は黙認してくれないか？ イベントや長期休暇は家族を最優先するから」と懇願してきたのです。

◆都合のいい言い訳を並べて……

　呆れた結衣さんが「そんなことできるわけないじゃん。息子の教育にも悪いよ」と怒鳴ると、「でも、今は多様性の時代だろ？ こういう形の家族があってもいいと思うんだ」と都合のいい言い訳をしてきました。

「結局、話し合いは平行線。でも、その後、不倫相手に連絡をして、今後どうしたいか尋ねたら『二度と会うつもりはありません』と言っていました。夫だけ本気だったってことです」

◆家族を裏切った代償は大きい

　この一件を機に結衣さんは離婚し、シングルマザーに。当分、恋愛はしないと決め、出張のない仕事に転職。我が子優先の生活を送っています。

　ちなみに、英明さんからは離婚から2年経った今でも「今でも大事なのは、お前たちだけ。やり直せないかな？」と連絡が来るそう。家族を裏切った代償の大きさを噛みしめる英明さんの姿を見るたび、結衣さんは密かにほくそ笑むのです。
＜取材・文／古川諭香＞

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter：@yunc24291