「FZ55」人気の理由は大きく3つある。1つ目は、「平成レトロなフィルムカメラっぽい写真が手軽に撮れること」。「FZ55」の有効画素数は1635万画素。現在展開されている最新型の「iPhone 15 Pro Max」の有効画素数は4800万画素なので、物を鮮明に写すという点においてはiPhoneに軍配が上がるが、「光と影の境界がはっきり綺麗に写る」というカメラ本体の特徴や、手ブレ補正の効きがやや甘いといった理由などから、オートモードで撮影しても平成初期〜中期を連想させるような「エモい」写真が撮れるのが特徴だ。写真撮影が趣味で、一眼レフカメラのサブとして同モデルを愛用しているHさんは、「これを撮りたいといった明確な目的がなく『なんでもない日常を切り取りたい』と考えている人には、画素数を追求したカメラよりも『FZ55』の方が向いている」と説明。コンデジではついてないものも多いフラッシュ機能も搭載しており、「暗いところでも気にせずシャッターを切れるのも嬉しい」と語る。
2つ目はストレスなく持ち運べる大きさ。「FZ55」の外観寸法は、幅91.5、高さ56.5mm。「iPhone 15 Pro Max」が幅76.7、高さ159.9mmなので、縦に重ねれば3つほど積み上げられそうなサイズ差がある。重量も「iPhone 15 Pro Max」の221gに対して「FZ55」は106gと半分以下だ。「私は手が小さいのでiPhoneでは両手で支えながら写真を撮らなければならないが、『FZ55』は小型なので片手でシャッターを切ることができる。その分もう片方の手で被写体に光を当ててライティングを調整したりと、写真を撮る楽しみも広がる」(Hさん)。