「Pixel 8a」の性能をPixel 8と比較しながら検証 目新しさはないが完成度の高さは健在

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2024年05月30日 06:11  ITmedia Mobile

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「Google Pixel 8a」と「Google Pixel 8」

 Pixel aシリーズ最新モデルの「Google Pixel 8a」。「Google Pixel 8」「Google Pixel 8 Pro」 と同じく、Gemini、ベストテイク、音声消しゴムマジックなどのAI機能を搭載した1台だ。


【その他の画像】


 Pixel 8aはストレージが128GBしかないが、Google ストアにおけるPixel 8aの価格は7万2600円(税込み、以下同)。11万2900円のPixel 8より4万300円安く、15万9900円のPixel 8 Proより8万7300円安い(いずれも128GBで比較)。


 この記事ではサイズ感と性能の近いPixel 8と、Pixel 8aの実機を比較し、それぞれどのような人に向くのかを考える。


●Pixel 8aはとにかく持ちやすい


 Pixel 8aを手にして最初に感じたのは、Pixel 8よりもさらに持ちやすいこと。Pixel 8aは丸みを帯びたエッジ、100%リサイクルのアルミフレームを採用しており、Pixel 8よりもさらに手になじむように改良されたことが分かる。特に角の手当たりがよく、ホールド性は増す。


 一方で、背面の素材はリサイクルプラスチック76%で、マットな質感ではあるが、ガラスではない。素材や質感はケースを装着すれば気にならないが、一見するとすりガラスのような見た目だ。


 ここでPixel 8とPixel 8aのボディーサイズと重量も比較する。Pixel 8aの横幅はPixel 8から1.9mm増し、高さは1.6mm増えたものの、厚さ(カメラの台座を除く)はそのままだ。重量の差は1gしかないため、実機を手にしたくらいではその違いは分からない。


・Pixel 8a:約72.7(幅)×152.1(高さ)×8.9(厚さ)mm、約188g


・Pixel 8:約70.8(幅)×150.5(高さ)×8.9(厚さ)mm、約187g


 どちらも大差はないが、筆者が特に気になったのは幅が増したこと。さらに持ちやすくなった一方で、ベゼルが太くなったため、動画視聴時の没入感は薄れたこともマイナスだと感じた。スマートフォンで調べ物をして、それを動画でチェックするときが多いので、動画をよく見る人はPixel 8の方が向いているだろう。


●カメラ機能はデジタルズームで圧勝のPixel 8


 続いてPixel 8aとPixel 8のアウトカメラを比較する。スペックとしてはどちらも広角と超広角カメラで構成されるが、画素数はPixel 8aが6400万画素、Pixel 8が5000万画素となっている。作例とともにどれだけ写りが異なるのかを確認する。


 超広角の0.5×ではワイドに撮れて、四隅のゆがみは気にならない。色味や明るさも自然で、Pixel 8aとPixel 8とで大差は出なかった。以下は同じ場所で昼間と夜間に撮影した際の作例となる。全て左の写真がPixel 8a、右がPixel 8で撮影した作例だ。


 0.5×から1×、2×に切り替えて撮影したが、ほとんど差はないが、デジタルズームでは明らかな違いがある。分かりやすく最大倍率の8×で比較する。昼間も夜間もPixel 8aでは被写体に選んだ鹿のオブジェにピントが合わず、ディテールが不鮮明だ。


 一方のPixel 8は鹿のオブジェどころかその背景の木やビルの窓枠まで鮮明で、デジタルズームとはいえ、きれいな写真だ。夜間の写真を比べてもPixel 8aで撮影した写真は全体的に粗く、ライティングの色も不自然だ。実際は黄色の街灯や、下から照らす白色のスポットライトが混ざって反射しているため、Pixel 8の仕上がりが実物に近い。


 どちらのモデルも複数の画素を束ねることで、受光量を増やしノイズを抑制する「ピクセルビニング」を採用するが、Pixel 8がOcta PDであるのに対し、Pixel 8aはQuad PDとなっており、ピクセル幅はPixel 8が1.2μmであるのに対し、Pixel 8aが0.8μmとPixel 8より小さいため、集光量が少ない。


 同じピクセルビニングという技術を採用するも、より光を多く取り込めるPixel 8の方がデジタルズームでもきれいな写真を撮影できるということだ。GoogleはPixel 8aで「最大8倍の超解像度ズームが使える」と表現しているが、作例は“超解像”といえるほどの出来栄えではないため、その表現にいささか違和感を覚えた。


 マクロモードの可否もPixel 8aとPixel 8の違いなので触れておく。1xで被写体とのPixelの距離を約5cmにして、撮影すると違いがよく分かる。マクロモード対応のPixel 8は被写体に寄ると自動でマクロモードになるが、Pixel 8aは被写体に寄りすぎると、被写体から離れるように指示する。


 なお、Pixel 8aもPixel 8も映り込んでしまった被写体を消すことが可能な「消しゴムマジック」や、動画の中から不要な音だけを消せる「音声消しゴムマジック」、複数枚の写真を撮影し、類似した複数枚の画像を組み合わせることで、人の不自然な表情や顔の向きを修正できる「ベストテイク」なども利用できる。


●性能はPixel 8に軍配が上がるも、長期利用はPixel 8aでもアピール


 AIはカメラだけでなくさまざまな機能に生かされている。内蔵型AIアシスタントとして「Gemini」がPixel 8aでも利用できる点は大きい。ハイエンドに限定されると想定したが、テキスト入力、音声入力、画像の追加といった方法で、お礼メッセージの作成をしたり、旅行計画の立案をしたりすることに役立つGeminiが、Aシリーズで使えるとは正直いって驚きだ。


 関連画像も瞬時に検索できるのもメリット。これは「かこって検索(Circle to Search)」という機能で、画面の下部にあるホームボタンまたはナビゲーション バーを長押しして、画面に表示された画像やテキスト、動画の中で気になる物をすぐに検索できる。気になる物はあるが、名前が想起できないシーンで役立つ。


 Pixel 8aの他にもPixel 8、Pixel 8 Pro、Samsung Electronics(サムスン電子)製の「Galaxy S24」「Galaxy S24+」「Galaxy S24 Ultra」など一部機種で利用できる。


 通話機能にもGoogleのAIが取り入れられている。その代表例が「通話スクリーニング」だ。AIにより電話に出なくても通話相手の名前や用件が画面上にテキストで表示されるため、あてずっぽうに電話を取らなくてよくなるし、危険な電話なら相手とやりとりをせずに済む。


 GoogleはAIだけでなく、長期利用にも力を入れている。Pixel 8aは2020年と2022年にリリースされた「iPhone SE」を除けば、OS/セキュリティのサポートを7年間に渡って受けられる数少ないスマートフォンの1つだ。Googleでは「Feature Drop」と銘打つ。実際に長期間使うかどうかは別として、1〜2年でアップデートが打ち切られるよりはいい。


 Googleは2023年秋に発表したPixel 8/8 Proで、OS/セキュリティの“7年アップデート”を打ち出しており、スマートフォンの長寿化が進む。この点はOSから端末までを一貫して設計するAppleが得意としていたが、いずれ「iPhoneより長期間使えるAndroidスマホ」というイメージが定着するはずだ。


 長期に渡って利用できるのはいいが、性能は長期利用に値するものだろうか? 両モデルに「Geekbench 6」アプリをインストールし、ベンチマークを計測したところ、次のような結果となった。


・Pixel 8a:シングルコアのスコアが1621/マルチコアのスコアが4252


・Pixel 8:シングルコアのスコアが1730/マルチコアのスコアが4504


 結果から分かるように、性能はPixel 8aよりもPixel 8の方がよい。アプリの起動や切り替えなどはどちらもスムーズだが、プロセッサに負荷のかかるゲームなどはPixel 8が有利だろう。とはいえ、プロセッサはどちらも「Google Tensor G3」で、AIに関する機能の下支えとなる他、ブラウザやSNSの閲覧など、一般的な使い方ならストレスを感じないはずだ。


●Pixel 8との価格差はPixel 7/7aと比べて開くも、Pixel aシリーズの完成度は健在


 ここまで似たもの同士だと、どこが違ってどこが同じなのかが分かりにくいので、主な違いを挙げておく。


 ディスプレイの強化ガラスは、Pixel 8aが米Corning製の「Goriila Glass 3」で、Pixel 8が同社製「Goriila Glass Victus」だ。Goriila Glass 3以降はスクラッチによる耐擦傷性と、耐衝撃性が高められているのに対し、Goriila Glass Victusは耐擦傷性が高まり、固く粗い表面への耐落下性が最大2mまでとなっている。


 防塵(じん)・防水レベルについて、Pixel 8は防塵等級が「6=粉塵が内部に侵入しない」、防水等級が「8=連続的に水中に置いても有害な影響がない」でIP68等級だが、Pixel 8aは防塵等級が「6=粉塵が内部に侵入しない」、防水等級が「7=一定の水圧で一定時間(30分間)水中につけても有害な影響がない」でIP67等級にとどまる。


 Pixel 8aは最大輝度もリフレッシュレートもPixel 8と同じ1400ニト(HDR輝度)/2000ニト(ピーク輝度)、120Hzに対応し、屋外での視認性もよくなった。両モデルともに「Actuaディスプレイ」と銘打たれている。


 Pixel 7と7aの価格差は2023年5月時点で約2万円だったが、Pixel 8と8aは約4万円とおよそ倍に開いた。一方で、カメラバーのあるボディーにAI機能を搭載するPixelのスタイルは、Googleのお家芸となっている感があり、目新しさはない。Pixel 8と比較しただけあって、aシリーズならではのよさが、もう少し欲しいところだ。とはいえ、Pixel aシリーズのコスパのよさは健在で、Pixel 8aでもコスパは十分だと感じる。


 これからPixel 8aを検討する人は、約半年前に出たPixel 8も念頭に置き、どちらが自分の生活に合うのか、あるいは十分なのかを考えた上で購入しよう。


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