「わんだふるぷりきゅあ!」“肉弾戦なし”でも売上好調 新変身アイテムは「キッズコスメ」で展開

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2024年05月30日 18:28  ねとらぼ

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ついに変身した「キュアニャミー」

 わんだふるぷりきゅあ!


【画像】キッズコスメでの展開となる変身アイテム「Pretty Holicシャイニーキャッツパクト」


 異色の「戦わないプリキュア」は、玩具や関連商品の売上に影響があったのでしょうか? 決算数値から見ていきたいと思います。


 「わんだふるぷりきゅあ!」(以降「わんぷり」)の放送開始から3カ月。引き続きの盛り上がりを見せています。


 5月19日の放送では「クレヨンしんちゃん」とのコラボも話題となり、26日の放送ではようやく3人目「キュアニャミー」の変身シーンも初披露。変身バンク職人、板岡錦氏が原画を手掛けた「キュアニャミー」の変身シーンは本当にすごいものでした。この先「キュアリリアン」の登場も楽しみですね。


 さて、わんぷりは「みんな なかよし! わんだふる〜!」のキャッチコピーの通り「パンチやキックなどの肉弾戦をしない」作風が特徴の一つです。


 「肉弾戦」をせずにどうやって戦闘シーンを描いているかというと、凶暴になったガルガルを「捕まえてギュっと抱きしめて」浄化しニコガーデンへ帰す、といういわば保護活動的で平和な戦闘スタイルとなっています(※3人目「キュアニャミー」は普通に肉弾戦をしていますが、それはあくまで本作の「戦わない」スタイルを逆説的に強調するためだと思われます)。


 さて。そんな「わんぷり」の肉弾戦がない作風は、「玩具、関連商品」の売上に影響は出ているのでしょうか? 「変身なりきり玩具」はプリキュアが戦うシーンがあるからこそ子どもが憧れ、購買につながっているのではないでしょうか?


 玩具業界誌および2024年5月に発表されたバンダイナムコHD、東映アニメーションの決算短信から見ていきたいと思います。


●「わんぷり」玩具は好調に推移


 玩具業界誌では「わんぷり玩具」の好調が報じられています。


 前作の初動を上回る勢いで「変身ワンダフルパクト」が売れているようです。


・2月に入って特に好調なのが「わんだふるぷりきゅあ」関連で、前作の初動を超える勢い。メイン商品の「変身ワンダフルパクト」が単品、スペシャルセットともによく売れている。


『月刊トイジャーナル2024年3月号』(東京玩具人形協同協会)P54


 前作「ひろがるスカイ!プリキュア」も好調だったことを思えば、それ以上の勢いで変身玩具が売れていることは、かなりの好調であることがうかがえます。


 「変身ワンダフルパクト」は、プリキュアでは鉄板人気のコンパクト型アイテム。造形のかわいさもあり、子どもに受け入れられているようです。


●バンダイナムコのトイホビーは昨年同様


 さらに、バンダイナムコHDの決算の数字を見てみると、2024年4Q(1〜3月)のプリキュアのトイホビー売上は21億円。


 これは「昨年同期と全く同じ数字」となっています。上がっているわけではないけど、下がっているわけでもない。むしろ昨年がプリキュア20周年で大きく盛り上がっていたことを考えると、昨年と同じ数字というのは大健闘の部類だと思われます。


 プリキュアが「戦わない」ことは、玩具や関連商品を含めたトイホビーの売上に大きな影響がなかったことがうかがえます。


●東映アニメ国内版権は昨対131%と絶好調


 一方、同じく5月に発表された東映アニメーションの決算数値では、プリキュアの2024年4Q(1〜3月)の「国内版権売上」は2億2500万円でした。これは昨年同期の1億7200万円から131%と大幅なアップとなっています。


 「国内版権売上」が好調、ということはキャラクターグッズなどの関連商品が好調であることもうかがえます。


 このように、バンダイナムコおよび東映アニメの数字から見ると、プリキュアに「肉弾戦」「格闘」がないことは、玩具の売上に大きな影響が出ないばかりか、むしろ「キャラクター商品」の売上に貢献している傾向もうかがえます。


 それを裏付けるかのように玩具業界誌でも、わんぷりは「キャラクター自体の人気が高いこと」が報じられています。


・一方で2月にスタートしたプリキュアは初動の好調が継続している。玩具だけでなくステーショナリー関連も好調なことから、キャラクター自体の人気の高さがうかがえる。


『月刊トイジャーナル2024年4月号』(東京玩具人形協同協会)P68


 挑戦的かと思われた、わんぷりの「肉弾戦を描かない」という作風は、開始3カ月の数字を見る限りは成功を納めているようです(子どもたちは「プリキュアになりたい」のであって「戦いたい」わけではないということなのでしょうか)。


●「キュアニャミー」「キュアリリアン」の変身アイテムはキッズコスメ


 さらに、わんぷり玩具のチャレンジングな姿勢は続きます。


 この先、「キュアニャミー」「キュアリリアン」が仲間になるのですが、その変身アイテム「シャイニーキャッツパクト」が「Pretty Holic(プリティホリック)」で展開されました(※プリティホリックは2021年から展開しているプリキュアの新ブランドで、最初は「キッズコスメ」が発売され大好評を博し、以降シリーズの更新とともに「お菓子」や「ステーショナリー」にも幅を広げて展開しています)。


 つまりシリーズ初の「キッズコスメ」が変身アイテムとなったのです。


 変身アイテムを電子玩具ではなく「キッズコスメ」として販売する、という思い切った戦略は、これまでの変身玩具とは異なる2つの注目点があります。


 一つは「光らない、音が鳴らない」変身アイテムとなること、もう一つは「対象年齢が6歳以上」となることです。


●光らない、音が鳴らない変身アイテム


 これまでのプリキュアの「変身アイテム玩具」は、光や音で変身シーンの掛け声や音楽が入り、子どもたちへ変身への導入を促していました。しかし今回の「シャイニーキャッツパクト」は光りませんし、音もなりません。


 代わりに実際にアイカラー&チーク、リップでお化粧遊びができます。キュアニャミーの変身シーンもこのコスメを使用した変身となっていて、これは子どもたちの「なりきり遊び」を大きく変えてしまう可能性があります。


 また、電子玩具ではないことによりコストも下がり、先行の「ワンダフルパクト」の4730円よりも安価な定価3355円(※玩具量販店での実売価格は3000円前後)とプリキュアの変身アイテムとしてはかなり安価な部類となることも特徴の一つです。


●シャイニーキャッツパクトの対象年齢は6歳以上


 ただ、プリティホリックはキッズコスメという性質上、対象年齢が「6歳以上」となっています。そのためプリキュアのメインターゲットである3〜5歳の幼稚園児、保育園児は、この「シャイニーキャッツパクト」で遊ぶことができないのです。


 「ネコをモチーフとしたお姉さんプリキュア」は、おそらく幼稚園児、保育園児にも絶大な人気が出ることが予測されます。


 そんなプリキュアの変身アイテムを「5歳以下の子どもが遊べない」という仕様にしたことは大きなチャレンジになるものと思われます(しかし、同時発売のキュアニャミー、リリアンの武器おもちゃ「アミティーリボンタンバリン」は対象年齢3歳以上なので、3〜5歳の幼稚園児はこちらのタンバリン玩具、小学生にはシャイニーキャッツパクト、というすみ分けがされるようです。タンバリンの方にはキャラの変身音声が収録されています)。


●プリキュアを見ているが玩具を買わない小学生に向けて


 かつて、キッズコスメ「プリティホリック」が発売されるときに、バンダイの関係者は「6〜9歳はプリキュアのアニメは見ているけど、玩具を購入していない層」と分析され、プリティホリック(キッズコスメ)はその層に向けた戦略商品として展開していく、と語っています。


・キッズコスメ商品のメインターゲットは6歳以上。小林氏は「6〜9歳のプリキュア視聴層は多いものの、玩具購入となるとそのほとんどが3〜5歳。6〜9歳は番組を見ているけど、玩具をほとんど購入していないのでそうした層にアピールしていきたい」と語る。


『月刊トイジャーナル 2021年2月号』(東京玩具人形協同協会)P9


 キッズコスメの変身おもちゃ「シャイニーキャッツパクト」も、そんな小学生をプリキュアに取り込む戦略商品となっていくものと思われます。


 幼稚園児にはキュアワンダフル、フレンディの「ワンダフルパクト」で遊んでもらい、小学生には、キュアニャミー、リリアンの「シャイニーキャッツパクト」でお化粧ごっこをして遊んでもらう。そんな変身アイテム2本柱での商品展開によりプリキュアのターゲット層を広げていく戦略なのかもしれませんね。


●「戦わないプリキュア」は売上に影響せず


 わんぷりの「戦わないプリキュア」という作風は玩具、関連商品の売上には影響せず、むしろキャラクター商品の売上は好調に推移していることが分かりました。


 初夏の主力商品となる新プリキュア「キュアニャミー」「キュアリリアン」の変身おもちゃ「シャイニーキャッツパクト」をキッズコスメで展開する、という新しい挑戦がどんな影響をもたらすのか楽しみですね。


 プリキュアは常に、新しいことにチャレンジし続けています。


 大きなお友達としては、早く4人目「キュアリリアン」の変身シーンも見たいですよね。キュアリリアン、一体誰が変身するのでしょうか?


(C)ABC-A・東映アニメーション


●著者:kasumi プロフィール


プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。


このニュースに関するつぶやき

  • 20周年の勢いはまだ継続中なのかな?コロナ禍でますます出生数が減り少子化が加速する世代がメインターゲットだが、少子化の影響はあまり大きくないのか?
    • イイネ!6
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