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そんななか、私が急いで夕飯の準備をしていると恐怖の足音が聞こえてくるのです。その足音の主は決まって「お手伝いする!」と言います。子どもの「お手伝いする」はとても助かる言葉のはずなのに、今の私にとっては恐怖の言葉にしか聞こえないのでした。
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そう、このクソ忙しい夕食時に言われる「お手伝いする」。今の私にとって、これほど恐怖の言葉はありません。通常、「手伝うよ?」と言ってもらえるのは喜ばしいことでしょう。
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しかし余裕のない時間帯に、幼児のお手伝いほど面倒くさい……いやいや、手間がかかるものはないのです。
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ここで解説しましょう。わが家の息子(3才)の言う「トントン」とは、子ども用包丁を使って材料を切ることです。さらに「ジュージュー」とは火を使う調理のことで、「まぜまぜ」とはひき肉をこねるとか、卵を割って混ぜるなどの作業を言います。
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私はアツトが火傷をしないようにフォローしながら、時間をかけてゆっくりと作業を進めます。
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きっとアツトは「私のため」に手伝ってくれているつもりなのでしょう。その気持ちが分かるからこそ、アツトのやる気をそがないために私も精一杯寄り添うのですが……
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このようになってしまうと、もう最悪です。アツトは目的を果たすまで不機嫌になってしまうし、就寝までのスケジュールがずれ込んでしまいます。
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子どものお手伝いは、なるべく受け入れてあげたいと思っています。けれど時間が差し迫ってしまうと私自身も余裕がなくなってきてしまうのです。そんなときに、ちょっとした失敗をされてしまうと、一気に口調が厳しくなってしまいます。普段ならこんなキツイ言い方はしないのに……。
私の言葉に息子は落ち込んでしまうし、私自身も自己嫌悪に陥ってしまいます。「ダメダメ、もっと優しく受け入れないと」と反省しても、また翌日になればケロッと「お手伝いする」と言う息子。
「イヤだな」と思いつつも受け入れては、またイライラを募らせる……。そんな不毛な夕食時間が恐怖でたまらないのでした。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・チル 編集・横内みか