大きく変わった「Xperia 1 VI」のカメラを試す 全面刷新のカメラアプリや光学7倍ズームの新望遠レンズはどう?

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2024年05月30日 20:51  ITmedia Mobile

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従来通り、縦に3つカメラが並んだXperia 1 IV。一番下にある望遠ズームレンズの望遠側がちょっと伸びてる(詳しくは後で)

 ソニーのフラグシップ機「Xperia 1」シリーズの6代目が発表された。「Xperia 1 VI」である。


【その他の画像】


 今回、同社のご厚意で本機を一足早く試すことができた。早速、カメラをレビューするのである。


●先代からいろいろ変わった「Xperia 1 VI」


 これ、いろんな記事で言及されていると思うけど、カメラや写真回りだけでも前モデル「Xperia 1 V」から大きく変わった点がいくつかある。


 まずディスプレイの比率(アスペクト比)。21:9のスリム型から、19.5:9と昨今のスマートフォンとして一般的な比率に変わった。しかも、ディスプレイの解像度も4K(1644×3840ピクセル)からフルHD+(1080×2340ピクセル)に下がった。


 でも、フルHD+にしたこともあってか、ディスプレイは明るくなり、晴天下での撮影と閲覧がしやすくなったのはありがたい。数字的には残念に見えるけど、実用性は上がった感じ。


 次にカメラアプリが統合され、デザインや構成が完全にリニューアルされたこと。そして「Cinema Pro」はなくなった。これについては、ちょっとあとで考えたい。


 3つめは望遠カメラ。望遠光学ズームレンズの倍率が上がり、望遠端が125mmから170mmに伸びた。


 170mmの望遠って迫力あって楽しいっすよ。望遠の圧縮効果も存分に味わえるし。


 4つめは「テレマクロ」機能がついたこと。これはなかなか面白い。最後にチェックしてみたい。


 特に影響が大きいのは、カメラアプリの完全リニューアルかなと思う。


●フルリニューアルした新カメラアプリの使い勝手は?


 Xperia 1 VIを触って最初に「あれ?」と思ったのはカメラアプリがガラッと変わったこと。


 歴代の「Xperia 1シリーズ」のカメラアプリは、ちょこちょこと変遷してきた。


 「Xperia 1 II」では標準的な「カメラアプリ」と、「Photography Pro(Photo Pro)」というデジタル一眼風カメラアプリの2つが用意された。次の「Xperia 1 III」では2つのアプリが統合された。具体的にはPhoto Proに「BASICモード」が追加されて、そちらがシンプルな標準カメラアプリの役割を果たすようになったのだ。


 BASICモードには「自撮り」はもちろん「背景ボケ機能」や「ナイトモード」などが搭載された一方で、逆にPhoto Proモードではそういう「スマホならではのコンピュテーショナルな撮影機能はない」という構成だったのである。


 この構成で「Xperia 1 V」まで来たのだが、この度、またカメラアプリがフルモデルチェンジしたのである。


 簡単にいえば……より多くの人がなじんでいるデザインになった。


 撮影モードは「プロ/ぼけ/写真/動画/スロー/その他」と分けられ、左右のスワイプで切り替える方式。そして一番左にある「プロ」がPhoto Proに相当すると思えばいい。


 もっともベーシックな「写真」から使ってみよう。Xperia 1 VIらしいのはズーム倍率。望遠端が「7.1x」になったこと。


 これにより、0.7xから7.1xまで(16mm相当から170mm相当まで)画質劣化のほぼないシームレスなズームが実現したというわけだ。


 では、0.7xからサクサクっと撮っていこう。


 2x時は、あらたに48MPモードの中央48mm相当分を切り出すリモザイク方式に変更され(Xperia 5 Vは一足先にそうなっていたのだけど)、より解像感が増した。


 本当にそうか? Xperia 1 Vで撮影したものと比べてみると、確かにディテールの不自然さがなくなり、解像感も高い。これはよい。


 人を撮るとき、2xってなかなか扱いやすいので、ここのクオリティーが上がるのはうれしいのである。


 なお瞳検出に加えて、人体検出の精度が上がったそうな。


 さらに望遠。3.5x(85mm相当)と7.1x(170mm相当)。ちなみにその中間も光学ズームなのでクオリティーは実に高い。


 望遠カメラは人を撮るときもいい。カメラが斜めなのは、わたしの不徳がいたすところなのでスルーしてください。


 猫や鳥など動物も(よほど遠くない限り)も被写体認識し、距離が近いと瞳検出もしてくれる。


 続いては「ぼけ」モード。独立したモードになったのだ。


 多くの端末で「ポートレート」モードと称している機能と同じ。ぼかし機能を「ポートレート」と称するのは違和感があったので(そもそも「ポートレート」にそういう意味ないし)、「ぼけ」としたのは歓迎している。英語だと「bokeh」だ。


 さらに3.5xの望遠カメラで「ぼけ」。


 デフォルトのぼけ量がけっこう大きいけど、そこは調整できる。


 さらに夜のぼけ。点光源がリアルにぼけるってのは大事だ。


 「写真」「ぼけ」と来たら、次は「プロ」モードだ。


●Photo Proからカメラアプリの「プロ」モードになって何が変わった?


 一番様変わりしたのが、Photo Proを継承する「プロ」モード。特に、横位置時の画面デザインが大きく変わった。Xperia 1 Vのときと比べてみたい。


 一方、縦位置時の画面デザインは大きく変わったわけじゃない。


 従来は横位置時と縦位置時で画面デザインが異なっており、横位置時は画面にシャッターボタンがなく、物理シャッター(半押しによるAFロック付)で撮影するスタイルだったのだ。


 今回はそれを全面改定。縦位置時のデザインテイストを、横位置時にも適用したのである。


 縦位置時と横位置時で整合性は取れたし、分かりやすくなったけど、ちょっと困ったのがFnキーを押さないと細かい設定を確認できないこと。


 おかげで「連写モード」にしていたのを忘れて思わぬ連写をしちゃったり、クリエイティブルックを変えたのを忘れていて「あれ? なんか色が違う」と思ったり……しました。


 考えてみたら、縦位置時は以前からそうだったのだけど。


 良くなったのは、レンズ選択のUIが「写真」モードと同じになり、ワンタップで設定できること。「写真」では倍率、「プロ」では焦点距離表示という違いはあるけど、慣れるといい。


 「おまえはどうなんだ?」といわれると、AF-ONボタンがなくなったのは残念だけど、新しい方が使いやすいし、実は横位置時も画面にシャッターボタンが欲しいと思っていたので……よいかな。


 カメラの基礎知識がある人にとっては、本職カメラと同じ感覚でさっと設定できるので「プロ」モードはありがたい。操作も、多くのスマホカメラの「マニュアル撮影」モードより使いやすい。


 例えば連写+AF-Cにすればこちらへ走ってくる猫や列車や人にフォーカスを合わせ続けることができる。望遠に強くなった分、ちょっと離れたものも撮りやすくなった。


 シャッタースピードの最高は1/8000秒。シャッタースピード優先にすれば水を止めて撮ることも。


 見逃してはいけないのは、プロモードに「コンピュテーショナルフォトグラフィー」のオート/オフモードが付いたこと。


 「写真」モードでは、状況に応じて設定を変えて複数枚連写して合成する機能(HDRやナイトモードなど)が自動的に働くので、細かいテクがなくても何でもいい感じに撮ってくれた。一方Photo Proは、そういうことを一切したくない人のモードだった。


 でも今回、「プロ」モードの「Fn」メニューの中に「コンピュテーショナルフォト」の項目ができたのだ。


 夜景だと違いが分かりやすい。


 コンピュテーショナルフォトが働くと、ハイライト部が抑えられているのが分かる。でもそれだと不自然だと感じるシーンもあり、そういうときはオフにするといい。


 コンピュテーショナルフォトをオンにすると、連写が使えないなど制限もあるが、写真モード時とほぼ同等の写りをプロモードでも楽しめるようになったのはよい。


 従来のXperia 1シリーズユーザーで、Photo ProのUIが好きな人には「なんか普通になっちゃったなぁ……」と感じるかもしれないけど、まあそれはそれ、ってことで。


●「テレマクロ」はMFのみだけど……すごい


 そして新機能の「テレマクロ」。「その他」の中に入っているので、見落とさないように。


 テレマクロの「テレ」は「テレフォト」、つまり望遠レンズでのマクロ撮影のこと。多くのスマホカメラは広角でのマクロ撮影をサポートしているが、広角で小さなものを大きく撮ろうとするとすごく近寄らねばならない上に、端末の影が落ちやすい。


 テレマクロは望遠レンズを使うので、被写体との距離を数cmと保ちつつ、大きく撮れるのだ。ただし、AF(オートフォーカス)は効かない。MF(マニュアルフォーカス)のみになるので慎重に。


 部分的に黄色い点が見えるのは「ピーキング表示」といって、ピントが合っている箇所を示している。


 そして撮れたのがこちらだ。テントウ虫のドアップ!


 もう1枚、マクロっぽいやつといこう。


 HDDのヘッド部分(もちろん壊れて使えなくなった古いHDDです)。


 テレマクロ時は自動的に120mm相当になる。レンズの設計上、一番近寄れて大きく撮れる焦点距離なのだろう。


 マクロ撮影は望遠の方が形がきれいに出るし、近寄りすぎなくても撮れるので重宝する。マニュアルフォーカスという制限はあるものの、ぜひ使ってみたい機能だ。


●プロ動画アプリは後日提供される予定


 と、ざっくりと前モデルとの違いを中心に見てきた。まとめよう。


 約4800万画素のメインカメラ(Exmor T Mobile)は相変わらず優秀だ。


 基本画質はとてもよいし、かなり暗くないとナイトモードにならないレベルで高感度に強く、確かに暗所での映りもいい。


 望遠カメラは85〜170mm相当でF2.3〜3.5と望遠端が少し暗くなったが、それは焦点距離が伸びたからだ。


 より望遠感を楽しめ、16〜170mmという広いレンジに対応した


 動画撮影については、残念ながら「Cinema Pro」はなくなり、アスペクト比21:9の動画撮影も非対応となった。ディスプレイの縦横比が変わったこともあるだろうが、Cinema Proはプロ向けのシネマカメラを摸しており、それらの経験がない人にはけっこうハードルが高いアプリで、利用者もそれほど多くなかったのかもしれない。


 ただし、シネマティックVlog向けアプリ「S-Cine」も用意されており、Vlog的な使い方にもいい。


 S-CineはVideo Proに比べるといささか弱いが、今後のアップデートによって、写真のプロモードに相当する「プロ ビデオ」モードが提供される予定ということなので、Video Proを使って動画を撮っていた人は慌てずに待つといいかもしれない。


 今回のXperia 1 VIは従来機のユーザーからは賛否両論出そうだけれども、新たに「Xperia 1シリーズを使ってみたい」「Xperiaに買い換えてみたい」という人にはいい。


 少なくとも、カメラ面でいえば相変わらず快適に動作してAFも連写も超快適で、アプリもとっつきやすくなった「Xperia 1」ということで、Cinema Proを愛用していた人には残念だろうけど、個人的にはすごくアリかな。


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