名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑 第8回 名画か落書きか。謎に包まれたバンクシー、その絵のすごさとは

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2024年06月03日 07:40  マイナビニュース

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なぜ西洋画にはヌードが多いの? ピカソって本当に絵がうまい?……そんな絵画の疑問、ありませんか? 名画がなぜ名画なのかよくわからない、という人も多いでしょう。1年に300件以上の美術展に足を運んでレビューを発信する著者が「名画のひみつ」を解き明かし、おもしろくてためになる絵画の知識を解説する『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』(KADOKAWA)より、一部を再編集してご紹介します。



今回のテーマは『バンクシー』。

○名画、それともただの落書き? バンクシーの絵のすごさとは



アートというと、バンクシーを思い浮かべる人も多いかもしれません。さまざまな場所に現れ、壁などに作品を大胆に描いてゆく正体不明の画家。それがバンクシーです。



ある日突然、壁に出現した『花束を投げる人』やネズミの絵。オークションに出品された作品は、落札のとたんシュレッダーが作動し切断、その様子を映した動画をSNSで公開。そんな行動すべてが注目を集める、まさに時代が生んだ寵児です。


ちなみに壁に描かれた作品は、筆などで描いたのではなく、型紙の上からスプレー塗料などで形を浮かび上がらせる「ステンシルアート」の技法を描いています。



なぜバンクシーはこれほど有名になったのでしょうか。それは作品に強い社会的なメッセージが込められているからです。



代表作『風船と少女』には、中東での戦争に反対し、平和を願うメッセージが表されていると言われ、世界の平和を願って作品を発表し続けていると考えられます。


○■作品がシュレッダーでバラバラに



バンクシー作品の中でも大きな話題を集めたのが、額縁に収まった小ぶりな作品『風船と少女』です。2018年のオークションの際、落札された瞬間に額縁に隠されたシュレッダーにかけられ、このような形になりました。


○【豆知識】



2023年、イギリスBBCラジオ「Banksy Story」の特別回で、約20年前に行われた若きバンクシーへのインタビュー未公開部分が初めて放送されました。そこでは本名や活動内容について語られました。



次回のテーマは「あの画家も描いていた! ついだまされるトリックアートの極意」です。お楽しみに!



⇒この連載の一覧はこちら


○『名画のひみつがぜんぶわかる! すごすぎる絵画の図鑑』(KADOKAWA)

著者:青い日記帳 監修:川瀬佑介


「モナ・リザの絵はなぜあんなに有名なの?」「ピカソって本当に絵がうまい?」――そんな“絵画の疑問”、ありませんか? 国内外の美術展の詳細なレビューで圧倒的な支持を誇る著者が、 『モナ・リザ』からバンクシーまで、「名画がなぜ名画と呼ばれるのか」を解き明かす。絵画にまつわるおもしろくてためになる知識を解説する同書は、 AMAZONで好評発売中です。


青い日記帳 監修:川瀬佑介 【著者:青い日記帳】Tak(たけ)の愛称でブログ「青い日記帳」を主宰。1年に300以上の展覧会に足を運んでレビューを行うほか、美術の本質を見極めながら、広くて深くてしなやかな美術鑑賞法発信。「敷居の高かった美術鑑賞が身近になった」「絵の見方がわかるようになった」などと好評を得ている。著書に『いちばんやさしい美術鑑賞 』『 失われたアートの謎を 解く』(ともに筑摩書房)、『カフェのある美術館』(世界文化社)、『美術展の手帖』(小学館)、『フェルメールへの招待』(朝日新聞出版)がある。 【監修:川瀬佑介】国立西洋美術館主任研究員。専門は17世紀を中心とするスペイン・イタリア美術史。企画した展覧会に『カラヴァッジョ』展、『スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた』展など、著書に『マンガで教養 はじめての洋絵画』(朝日新聞出版)などがある。 この著者の記事一覧はこちら(青い日記帳 監修:川瀬佑介)
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