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2024年06月03日 12:21 ITmedia PC USER
AMDは6月3日(台湾時間)、モバイル向け新型APU(GPU統合型CPU)「Ryzen AI 300シリーズ」を発表した。本APUを搭載するノートPCは、7月から順次発売される予定だ。
●Ryzen AI 300シリーズの概要
Ryzen AI 300シリーズは、AMDが「Copilot+ PC向けの最良のプロセッサ」とうたう通り、高性能NPUを統合した新型のモバイル向けAPUだ。「Strix Point」という開発コード名で開発が進められていたことでも知られる。
先代の「Ryzen 8040シリーズ」、さらに先代の「Ryzen 7040シリーズ」にNPUレスモデルがあり、競合のIntelからそのことを突かれたことを受けてか、今後のNPU付きAPUは「Ryzen AI」のブランドで販売していくようだ(モデル名のルールは後述する)。
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CPUコアは、最新の「Zen 5アーキテクチャ」となる。AMDの説明によると最大12コア24スレッド構成(従来比で4基8スレッド増)となるそうで、従来のモバイル向けAPUよりも多くのCPUコアを備えている。同アーキテクチャの主な改良点は以下の通りだ。
・分岐予測の正確性/レイテンシー(遅延)の改善
・パイプラインとベクターの拡大による処理スループット(実効速度)の高速化
・CPUウィンドウサイズの拡大で、より多くの並行処理を可能に
GPUコアは、現行のRDNA 3アーキテクチャを改良した「RDNA 3.5アーキテクチャ」となる。現状で分かっている情報は演算ユニット(CU)が最大16基となった(従来比で4基増)ということだけで、他に「0.5」分のアップデートがあるのかは明らかとなっていない。
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一番の改良点となるNPUは「XDNA 2アーキテクチャ」のものに刷新される。Ryzen 7040/8040シリーズで使っていた「XDNAアーキテクチャ」のNPUと比べると、演算能力は最大5倍、電力効率は最大2倍改善されている。ピーク時の処理パフォーマンスは50TOPS(1秒当たり50兆回)で、Microsoftが定めた「新しいAI PC(Copilot+ PC)」の要件を満たす。
●Ryzen AI 300シリーズのモデル名規則
「AI PCの時代に相応しいモデル名の付け方にする」ために、Ryzen AI 300シリーズは従来のモバイル向けRyzen APU/CPUと異なるモデル名規則が適用される。
例えば、今回発表される最上位モデル「Ryzen AI 9 HX 370」の場合、モデル名の意味は以下の通りとなる。
・9 HX:ブランドレベル
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・数字は従来通り「3」「5」「7」「9」(高いほど高性能)
・アルファベットはサフィックス(従来はプロセッサ番号の後ろにあった)
・「HX」は最高性能重視モデルという意味
370:プロセッサ番号
・百の位(3):シリーズ名(今回であればRyzen AI 300シリーズであることを示す)
・十の位と一の位:モデル(SKU)を特定する番号
特徴としては、サフィックスを「プロセッサ番号の後ろ」から「ブランドレベルの数字の後ろ」に移動したことが挙げられる。
●Ryzen AI 300シリーズのラインアップ
現時点において、Ryzen AI 300シリーズは以下の2モデルのみ用意されている。
・Ryzen AI 7 365
・CPUコア:10コア20スレッド(2GHz〜5GHz)
・GPUコア:Radeon 880M(12CU)
・L2+L3キャッシュ:合計34MB
・TDP(熱設計電力):28W(設計上は15〜54Wまで調整可)
Ryzen AI 9 HX 370
・CPUコア:12コア24スレッド(2GHz〜5.1GHz)
・GPUコア:Radeon 890M(16CU)
・L2+L3キャッシュ:合計36MB
・TDP(熱設計電力):28W(設計上は15〜54Wまで調整可)
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