「夫の不倫相手の顔写真」をSNSでさらしたサレ妻の結末。復讐をあおった“ファン”も?

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2024年06月04日 09:20  女子SPA!

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他人の不幸やスカっとする復讐劇が嫌いな人は、実は少数派ではないでしょうか。それが自分の生活を脅かしたり利害をもたらしたりしなければ、なおさら、映画やドラマを見ている気分で傍観できます。その最たる例がSNS上の「サレ妻アカウント」です。

◆“サレ妻”SNSが名誉棄損罪に

夫に不倫をされた妻を指す「サレ妻」を自称するアカウントは、Xを中心に100以上あります。中には数万人のフォロワーがいるアカウントもあり、SNS上のちょっとした有名人にもなることも。

そんなサレ妻アカウントの中で、X上のとあるアカウントが今年5月に名誉棄損罪にまで発展して、大きな話題となりました。

そのアカウント主は、妊活中に夫が同じ会社の若い女性と不倫したことを知ったサレ妻。不倫発覚後、サレ妻は夫の関係を解消するべく相手の女性と接触し、同意書を交わすなど再構築に向けて動き出していました。

ところが、その後、別れたフリをして不倫関係が継続していたことがわかり、さらには不倫が原因で彼氏と別れたことをサレ妻のせいにされるという展開に。以上は、あくまでサレ妻側がXで書いたことなので真相はわかりませんが、X上ではサレ妻を応援するファンが急増していったのです。

◆「不倫相手をさらしちゃえ」と、あおるフォロワーも

相手女性に対して怒りの限界を迎えたサレ妻。応援する人たちから「女のフルネームと顔写真を1日でも多くさらしたほうが後悔しない!」とあおる人まで現れ、12万人のフォロワーを抱えて注目の的になっていたサレ妻は過激に暴走していきました。

ついに、相手女性の個人情報がわかる顔写真や氏名などをX上にさらす強硬手段を決行。その投稿が大きく拡散されると、さらにはサレ妻自身のものとも思われる免許証も公開するなど、まさに捨て身の報復劇を繰り広げていきました。

不倫当事者たちの氏名と顔写真がネットで拡散する。芸能人ではない一般人であっても、「不倫」がいかにいろいろな意味で人々の心を掴んで離さないかがわかります。

不倫相手女性をさらしたことに対しては、批判的な声もあった一方で、それ以上にサレ妻に同情し、応援している層からの称賛の声は止みませんでした。

◆逮捕後、サレ妻を支援する署名に2万3000筆

しかしこの“さらし”の後、サレ妻は相手女性への名誉棄損罪で5月半ばに逮捕されてしまったのです。その逮捕記事が出るや否や、不倫やサレ妻のさらしに関する議論がますます過熱。さらには、そのサレ妻の不起訴を求める署名がchange.orgで立ち上がって、2万3000筆以上もの署名が集まったのでした。

現在、そのサレ妻アカウントは消えていて、続報を知ることができません。ただ、サレ妻の担当弁護士が刑事事件として処分を受けて終了したことをX上で綴っています(別の報道によると、略式起訴で罰金を払って釈放されたとのこと)。不倫問題はさておき、これで一連の”さらし事件“は幕を閉じました。

◆まるで不倫のリアリティショー

不倫した人間がネット上にさらされるのは当然の報いなのか?という議論も巻き起こりましたが、そもそもサレ妻がここまで支持される理由は何なのでしょうか。

夫に不倫された悲しみや苦悩だけでなく、不倫の証拠を掴む様子や不倫がバレたときの夫の言動、離婚や慰謝料を勝ち取る過程、ときには不倫相手に対する復讐まで、リアルタイムで発信しているサレ妻アカウント。真偽のほどはわからないものの、その泥沼化していく不倫ショーはまるでリアリティ番組を見ている気分にさせ、多くのファンがつくのもわかります。

今回の件については、実際に逮捕されてニュースになったことから、「このサレ妻は実在する」というリアル感がさらに見る者を興奮状態にさせていった側面もあるでしょう。

◆「女vs女」の泥沼を面白がる男性読者も?

また、一般的には、夫が妻に不倫されると怒りの矛先は妻に、妻が夫に不倫をされると怒りの矛先が不倫相手の女性に向かうことが多いと言われています。「正妻vs不倫相手」という、女同士の正義と悪がぶつかり合う構図が多くの人の関心を呼ぶのではないでしょうか。

「女の敵は女」という状況がどのくらい現実世界で起きているかはさておき、「女の敵は女」的なシチュエーションを好む人は特に男性に多いと思います。特に、女性全般を見下し、小バカにする「女さん」という呼び方がスラスラと口から出るようなアンチフェミニズム思考の男性に。

既婚者と不倫をする女性を「最低なクズ」と面白がり、さらには夫に不倫されたサレ妻を「哀れ」と面白がる。本当にサレ妻に同情して応援しているのではなく、結果がどうなろうと、どっちがどう不幸になろうと、彼らは楽しいのでしょう。

そしてその層が、サレ妻に「さらせ」と無責任な扇動をしていたのではないでしょうか。それが、当該サレ妻の暴走や、2万3000筆を超える不起訴署名にも繋がった気がしてならないのです。

◆心から共感する人と、ただの野次馬と

もちろん同じように夫に不倫された経験からサレ妻アカウントに共感し、「私のかわりに復讐してもらいたい」と自己投影している女性も少なくないでしょう。サレ妻アカウントを作る本人たちは、不倫された事実を誰かに聞いてもらって共感してほしい一心で、苦悩や心境を吐き出すために当初は始めたはずです。

それがいつしか人気アカウントとなり、暴走して、不倫の被害者だったのに名誉棄損の加害者になっては、あまりにも不憫な話。これからサレ妻アカウントを始めようと思っている人は、今回のサレ妻逮捕の一件を踏まえて、本当の共感者や応援者以外の野次馬に気を付ける必要があるでしょう。

<文/エタノール純子>

【エタノール純子】
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中

このニュースに関するつぶやき

  • そこへいくと、『うる星やつら』のラムはあたるの浮気で電撃くらわすのがあたるだけってことは注目に値する。男の一方的なものでも女を逆恨みする女が少なくないのに。
    • イイネ!2
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