セブン「149円」パン、ローソン「198円」カップ麺…… 節約志向の高まりで、どんな商品が売れているのか?【2024年1〜5月ヒット記事】

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2024年06月04日 15:11  ITmedia ビジネスオンライン

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節約志向が高まっている(出所:ゲッティイメージズ)

 近年の値上げラッシュで消費者の生活防衛意識が高まった結果、大手コンビニの売れ筋商品に変化が出てきている。


【画像】こんな商品が売れてるの!? セブン「149円」パン、ローソン「198円」カップ麺シリーズ(計6枚)


●セブンの149円パンが好調な理由 


 セブン‐イレブンでは、複数個入りのパン「マルチパック」の販売数が継続して伸びている。具体的な商品としては「チョコチップ入り ふわもちチョコスティック6本」(149円)が挙げられる。これは、滑らかな口溶けが特徴のチョコチップと、カカオ感の残るチョコチップを合わせたスティックパンだ。朝食、おやつ、軽食といったシーンでの利用を見込んでいる。


 マルチパックに該当する商品としては、「たまごサラダパン3個入」(149円)や、「ふんわりレーズン バターロール4個入」(138円)などもある。


 セブンはこれらの商品が好調な理由について「生活防衛意識が高まっており、経済性を求める声が多いため」としている。


 こうした消費動向を取り上げた『生活防衛意識が高まり、セブンの149円「パン」が好調 背景に経済性を求める声』の記事には大きな反響があった。


●ローソンの198円「大盛りカップ麺」がヒット


 ローソンでは、2023年4月に発売したプライベートブランド(PB)の大盛りカップ麺シリーズが好調だ。


 価格を抑えながら麺やスープのボリュームを増やしているのが大きな特徴。コンビニのPBカップ麺は縦長の容器というケースが多いが、大盛りカップ麺はバケツのような形をしている。大手食品メーカーの大盛り系カップ麺と似た形状だ。


 具体的な商品としては、「麺大盛り 豚コクしょうゆラーメン」や「麺大盛り 辛みそラーメン」(ともに198円)などがあり、シリーズの累計販売数は640万個を突破した(2024年4月中旬時点)。記事執筆時点では、「コク辛とんこつラーメン」「辛みそラーメン」「天かすうどん 七味付き」もラインアップしている。いずれも、価格は198円だ。


 大盛りカップ麺を企画したローソンの担当者は、「『安くお腹いっぱいになりたい』をお客さまが求めており、PBのラインアップにそうした商品がなかったため」と説明する。


 発売してみると、この商品は平日の昼ご飯として30代男性が特に購入していることが分かった。また、198円の麺大盛りシリーズ、113円の塩にぎり、108円のペットボトルのお茶(PB)という買い合わせが特に多いことが分かっている。消費者は少しでも安くお腹いっぱいになるために、ローソンで独自の「419円定食」をつくりだしているようだ。


 大盛りカップ麺の開発背景を詳しく紹介した『ローソン、198円「大盛りカップ麺」が大ヒット “コンビニでは売れない”の思い込み打破 開発背景は?』の記事に対しては、「こんな消費が売れていたとは」「コンビニで節約しようとしている人がこんなに増えているのか」といった反響があった。


●ファミマが節約に関する意識調査を実施


 アクセスランキング上位の記事とは関係ないが、ファミリーマートは6月3日、自社で実施した「コンビニでの節約に関する意識調査」の結果を発表した(調査対象者は全国のコンビニで1カ月に1回以上購入する15〜69歳の男女800人で、調査期間は2024年5月16〜17日)。


 「食品や生活用品の値上げが続いている中、『お店選び』で変化したことはあるか」という質問に対し、最も多かった回答は「クーポンやポイントが貯まりやすい店を選ぶようになった」(34%)で、「特売・セールをしている店を選ぶようになった」(29%)、「おトクなキャンペーンをしている店を選ぶようになった」(23%)と続く。同社は「節約志向が高まる中、クーポンやセール、キャンペーンを意識して、お店選びしていることが分かった」と分析する。


 ファミマがこの調査結果を公表したのは、6月4〜24日に実施する「1個買うと、1個もらえる」キャンペーンをアピールするためだと見られる。節約志向が強まる中、同社は「コンビニの商品が常に高いとは限らない」ことを消費者に伝えたいようだ。


 このように、大手コンビニは新たな消費トレンドに対応するためさまざまな戦略を打ち出している。今後、どういった新商品やサービスを投入していくのだろうか。


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