元執行役員、容疑否認=証券会社に虚偽説明も―インサイダー取引事件・東京地検

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2024年06月05日 07:31  時事通信社

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時事通信社

東京地検=東京都千代田区
 太陽光発電会社「Abalance(エーバランス)」株を巡るインサイダー取引事件で、金融商品取引法違反の疑いで逮捕された同社元執行役員の堀内信之容疑者(60)が、東京地検特捜部の調べに容疑を否認していることが4日、関係者への取材で分かった。

 堀内容疑者が株購入の際、証券会社からの問い合わせに「役員ではない」と虚偽の説明を行っていたことも新たに判明。証券取引等監視委員会は同日、金融商品取引法違反容疑で同容疑者を告発した。

 堀内容疑者は2023年1月1日、投資家向け情報提供(IR)を担当する執行役員としてエーバランスに入社。同社子会社によるベトナムでの工場新設に関する重要事実を知り、同月下旬ごろ、エーバランス株計1万9400株を計約5300万円で買い付けたとして特捜部に先月逮捕された。

 関係者によると、堀内容疑者は調べに対し「重要事実は知らなかった」と容疑を否認しているという。

 株取引時に、仲介した証券会社から「役員ではないのか」との問い合わせを受け、「違う」と回答していたことも判明した。エーバランスとは無関係であるように装ったとみられる。

 同社は23年2月10日、工場新設に関する重要事実を公表。同日の株価は3145円で、翌営業日には3840円に上昇した。堀内容疑者には当時、借金があったが、信用取引で買った株式を売却して計約5000万円の利益を得たという。 
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