日本のEV市場、“黒船”来航で新たなフェーズへ ”日常使いできる650馬力”登場で「エコ」から「操る楽しさ」を求める時代に

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2024年06月05日 17:33  ORICON NEWS

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『Hyundai N Day | IONIQ 5 N Japan Premier』の様子 (C)ORICON NewS inc.
 Hyundai Mobility Japan(ヒョンデ モビリティ ジャパン)は5日、同社初のハイパフォーマンスEV『IONIQ 5 N』の販売を開始した。

【写真】後ろ姿も格好良い!『IONIQ 5 N』内外装全部見せ

 この日行われた同車のジャパンプレミアで、趙源祥代表取締役CEOは、日本のEV市場について「世界的に見ると非常にゆるやかではありますが、年々着実に成長を続けています。これからも多くのEVが生まれてくることでしょう」と分析。

 一方で、日本でEVというとこれまで、環境への配慮(エコ)や、航続距離(燃費)、静粛性、あるいは先進技術と絡めて自動運転といったところを求められ、これまでの車のように“走り”を語られることはあまり多くなかった。

 同社シニアプロダクトスペシャリスト・佐藤健氏も、「一部メーカーを除いて、日本だけでなく世界的にもそのようで、ヨーロッパなどは特に、規制で内燃機関の車を売れなくなるから環境に配慮という形で、電気自動車がでてきています。なので、多くの人が“EVで(走りを)楽しめる”というところは、まだなかったでしょうし、そこは『IONIQ 5 N』がうまく表現できていると思います」と語る。

 同車は、84kWh容量の高出力バッテリーと前後の電気モーターを組み合わせ最高出力448kW(609馬力)、最大トルク740Nm。さらにより高い出力を実現する『Nグリン・ブースト』(最大10秒間使用可能)を活用すると、最高出力は478kW(650馬力)、最大トルクは770Nmまで上昇し、0-100km/h加速が3.4秒、最高速度は260km/hに達する。このスペックだけを見ると高性能スポーツカーのようにも見えるが、モードを切り替えれば静粛性の高いEVに様変わり。日常使いからサーキットまで、振り幅の広い使い方ができるのが最大の特徴と言えるだろう。

 ジャパンプレミアに登壇した佐藤氏は、「『IONIQ 5 N』は、速い電気自動車ではございません。本物のハイパフォーマンスEVであり、その真骨頂は強力なスペックに支えられた“操る楽しさ”であります」と話すなど、これまでのEV市場ではあまり語られてこなかった強みを持っていることが特徴であると話した。

 そんな特徴が評価されてか、世界中の自動車ジャーナリストが投票して決める『ワールドカーアワード』でも、同車は、2024年の『ワールド・パフォーマンス・カー』部門を受賞。佐藤氏も「ヨーロッパやアメリカの人たちからも評価されたことで、お客様からも支持を得られるのかなと思います」と自信をのぞかせる。

 また、「日本で650馬力を超える車を1000万円以内では買えない」というなか、同車は858万円という価格を設定。趙源祥代表取締役CEOは「より多くのお客様に、ドリフトまでできてしまうこのEVの走りを楽しんでいただきたいという思いで、この価格にいたしました」と説明している。

 佐藤氏は、「(日本の市場において)『IONIQ 5 N』が出てきたことによって、他社が(この車をベンチマークに)追いかけてくるみたいになってくれたらうれしいですね。これが刺激になって、もっともっとこういう面白いEVがでてきたらいいなと思います」と話す。

 これまでなかった新たなカテゴリに現れた“黒船”は、日本のEV市場にどのような影響を与えるのか、今後の動向にも注目だ。

このニュースに関するつぶやき

  • EV市場として美味しくないんだから日本なんか無視してEUとか米に注力したらええやん。フィフィの言う【嫌いなら来るな】がホントそれ!って感じ
    • イイネ!1
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