詐欺未遂容疑で逮捕された西村祐一容疑者=5日午後、東京都品川区 既婚者であることを隠して「婚約」した30代の女性に「監禁された」とうそをつき、金をだまし取ろうとしたとして、警視庁大崎署は6日までに、詐欺未遂容疑で、北海道函館市富岡町の無職西村祐一容疑者(45)を逮捕した。容疑を認め、「1カ月の生活費に充てるつもりでした」と話している。
女性は約2年間で計数百万円を渡していた。他にも複数人が同様の被害を訴えており、同署は西村容疑者がだまし取った金で生計を立てていたとみて調べている。
逮捕容疑は5月16日午前10時〜11時半ごろ、ヤミ金業者に監禁されたと偽り、結婚を約束した30代女性にLINEで「捕まって車の中にいる。多分渋谷。返済しないと解放してもらえない」などと連絡。その後、ヤミ金業者を名乗り、「婚約者(なら)責任かぶるしかない。25万円、口座に入れて」などと送信し、金を要求した疑い。
女性からの110番を受け、大崎署が監禁事件として捜査に乗り出したところ、同日夜、函館市内の自宅で妻や生後半年の子どもと一緒にいる西村容疑者を発見した。
同容疑者は「金に困っていた。女性にうそをつき、生活費を援助してもらっていた」と話したという。
女性とは2022年5月ごろに知り合い、交際を始めた。同7月ごろから「コロナ禍で仕事ができなくなった」「入院中に財布を落とした」などと女性に金を要求。23年夏ごろには「婚約」し、一緒に暮らすという話も出ていた。
女性と知り合った際にはすでに、ほかに複数の交際相手がいた。
女性は大崎署に対し「結婚できると信じて疑わず、金を渡していた」「精神的な支えだった」と説明しているという。