“動画以外使い放題”で月1100円のトーンモバイルはお得? 気になる通信速度も測定

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2024年06月09日 10:21  ITmedia Mobile

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動画を視聴するためにはアプリでチケットの購入が必要。毎月1GB分のチケットが1枚無料でもらえるが、それ以上見る場合は330円/1GBで追加購入する。

 トーンモバイルといえば子ども用のスマホキャリアというイメージが強く、筆者はこれまで動向をチェックしていませんでした。しかし、3月から一部のドコモ端末でも使えるようになったとのニュースを見て調べてみると、動画視聴を除くデータ使い放題で月額1100円という安さに衝撃を受けました。


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 子どもや高齢者以外でもメイン回線で使ったり、うまくいけば固定回線代わりに使うこともできるのでは、と思いました。そこで実際にトーンモバイルを契約し、使い勝手や通信速度を検証してみました。(料金は全て税込み)


●トーンモバイルの料金と仕組み


 まず、あらためてトーンモバイルの料金と特徴を解説します。


トーンモバイルの料金と特徴


・月額1100円でデータ使い放題(動画除く)


・動画は毎月1GBまで無料、それ以降は330円/1GBでチケットの追加購入が必要


・通話料金は11円/30秒、5分かけ放題は+月770円


・通話料金が安い050番号が契約者に自動付与


・iPhone(iPhone SE 第1世代やiPhone 6s以降)とドコモで2021年以降に発売されたAndroidスマホで使用可


・全国のドコモショップとカメラのキタムラで初期サポート可


・子どもの見守り機能あり(月額308円の有料オプション)


 トーンモバイルには使用する端末により「TONE for Android」と「TONE for iPhone」の2つのプランに分かれます。どちらもデータ使い放題で料金は月額1100円です。ただし動画視聴は使い放題に含まれず、アプリでチケットの購入が必要です。チケットは1GB分が330円で、毎月1枚は無料でもらえます。


 国内通話は11円/30秒で、月額770円の5分かけ放題オプションも用意されています。さらに、トーンモバイル契約者全員にIP電話用の番号が付与され、トーンモバイル同士なら無料、国内一般電話にも14.3円/3分という通常よりさらに安い料金で通話できます。


 もちろん、トーンモバイルの強みである子ども向けやシニア向けの機能もあります。月額308円の有料オプション「TONEファミリー」に契約すると、GPSによる位置情報の確認、スマホの利用時間制限、アプリの利用制限などができます。また、月額料金無料の「TONE Care」では、医師、公認心理士、薬剤師などに健康相談ができます。


 60歳以上がAndroidプランを契約するとシニア割が適用され、1年間のうち、月のデータ使用量が300MB未満の月は基本料金が無料になります。電話が中心でほとんどデータ通信をしない高齢者はお得ですね。


●実際に契約してみた


 料金プランを見ると、動画視聴に制限はあるものの、データ使い放題で月額1100円は非常に安いと感じました。筆者もYouTubeなどの動画アプリは視聴がなく、X(旧Twitter)で流れてきた動画をたまに見るくらいで、月1GBもあれば十分です。そこで、実際の使い勝手や通信速度を調べるために早速トーンモバイル(TONE for Androidプラン)を契約してみました。


 筆者はオンラインストアで契約しましたが、ドコモショップやカメラのキタムラでも契約できます。ただし端末セットでの契約はできないので、自身で端末の用意が必要です。iPhoneはSIMフリー/SIMロック解除済みかドコモ版のiPhone SE 第1世代やiPhone 6s以降の機種なら全て使えますが、Android端末は2021年以降にドコモで発売された機種と、一部のSIMフリースマホでしか使えないので注意が必要です。筆者も対象のAndroid機種を持っていなかったため、検証用にarrows We F-51Bを中古で購入しました。


 契約時には契約事務手数料3300円とSIMカード手配料433円がかかります。シニア割以外にキャンペーンはなく、エントリーパッケージも見当たらなかったので、基本的に初期費用はまるまるかかるようです。


 契約手続き自体は他社と同じですが、本人確認書類の画像アップロードやeKYCによる確認はできず、SIMカードの受け取り時に本人確認書類の提示が必要でした。この点が唯一面倒でしたが、それ以外は何事もなくスムーズに契約できました。


●使い勝手を検証、気になる通信速度は?


 早速、SIMカードを端末に入れて手動でAPNを設定し、いろいろ使ってみました。契約者はスマホアプリでチケットを適用すると1GBまで動画視聴が可能になりますが、まずはあえてそのまま動画を視聴してみました。YouTubeアプリを開いても、動画のサムネイルがほとんど表示されません。そのまま再生ボタンを押すと、なぜか動画広告は再生されるのですが、本編は一向に開始しませんでした。Yahoo!ニュースや、他のwebサイトに埋め込まれた動画も同様です。一方、X(旧Twitter)のポストの動画は少し待てば再生されました。


 最も気になるのが通信速度です。動画視聴は制限されるとはいえデータ使い放題で月額1100円は非常に安いので、通信速度はかなり遅いのではないか、と危惧していました。そこで、以下の条件で通信速度を測定しました。


通信速度測定の条件


・測定場所:福岡市中心部のオフィス街


・測定端末:arrows We F-51B


・測定アプリ:ドコモスピードテスト


・測定期間:土日を除く、4月18日〜4月25日


 なお、通信速度は測定エリアや端末により異なるので、参考程度に捉えてください。トーンモバイルでは5G通信も可能ですが、今回の測定場所ではほとんど5Gになりませんでした。


 MVNOで最も速度が遅くなるのは平日昼の12時30分です。トーンモバイルの12時30分の速度は日によって変動が大きいですが、10Mbps以上出ている日も多く、最も遅い日でも4.6Mbps出ているので、スマホの通信にはほぼ影響はないでしょう。


 しかし、夕方16時から一気に速度が低下します。たまに10〜20Mbps以上出る日もありますが、1〜2Mbpsの日がほとんどです。子どものユーザーが多いため、放課後に通信量が一気に増えるのかもしれません。この速度低下は22時頃まで続きます。


 全体的に見ると、やはり通信速度は弱点のようです。ただし、他のMVNOが遅い昼は比較的速く、夕方以降は遅いという珍しい特徴があります。朝から昼すぎまでの通信量が多い人は回避できそうですし、他のMVNOが遅い昼だけトーンモバイルに切り替える、といった使い方もできそうです。また、速度が低下する夕方以降も1〜1.5Mbps程度は出るので、ライトな使い方なら影響は少ないでしょう。動画を除くデータ使い放題で月額1100円は非常に安いので、お得な活用法を検討してみてください。


 以上、トーンモバイルの解説でした。動画の容量制限と通信速度に注意が必要で、万人にオススメできるキャリアではありませんが、データ使い放題で1100円は非常に安いです。子どもやシニア以外でも、うまく使えば料金を大きく節約できる可能性があるので賢く活用しましょう。


著者プロフィール


シムラボ


 「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。


・Twitter(現X):@simlabo_jp


・サイト:https://www.simlabo.jp/


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  • トンモバは、CMがアレ‥ ���ä���١�
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