生成AI、人型ロボへ拡大=技術開発が波及

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2024年06月09日 21:01  時事通信社

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カナダの新興企業サンクチュアリAIが開発した第7世代の人型ロボット「フェニックス」。人の手指の動きに近づけたのが特長(同社提供・時事)
 【シリコンバレー時事】生成AI(人工知能)ブームが、人型ロボットの開発に波及している。最新技術によって状況や指示に対するロボットの理解力を上げ、行動に移させることができるようになってきたためだ。SF小説などで描かれてきた、人型ロボが身近にいる世界が現実味を帯びてきた。

 ◇人間の手再現

 机の上に置かれた六つの部品を、形状ごとに手で左右にえり分ける。かかった時間は約10秒。作業をこなしたのはカナダのサンクチュアリAIが4月に公開した第7世代の人型ロボ「フェニックス」だ。

 ローズ最高経営責任者(CEO)は「今存在する中で人間に最も近いシステムだ」と強調した。ロボットを活用して労働力不足解消を目指す同社は、人間の仕事の98%を手が担っていることに着目。人間の手を模し、さまざまな角度で動く手をロボットに備えた。

 同社のロボットは、自動車部品大手の製造現場に導入される見通し。マイクロソフト(MS)とも提携してシステムに生成AIの基盤モデルを活用することで、学習能力を高め、より精緻な制御を目指す。電気自動車(EV)大手テスラも工場で危険な作業を代替させるため、人型ロボの開発を進めている。

 ◇音声で指示も

 ロボットに音声対話機能を組み込む動きもある。2月にエヌビディアやMSなどから計6億7500万ドル(約1000億円)を調達すると発表した米新興企業フィギュアは、声で指示するとロボットがコーヒーを入れる様子を動画で公開した。

 フィギュアは1月、ドイツ自動車大手BMWと製造現場での活用を見据え契約。「チャットGPT」開発元の米オープンAIとも、人型ロボ向けの基盤モデル開発に乗り出した。

 AI半導体で存在感を高めるエヌビディアのフアンCEOは「次の波は、実体を持ったAIだ。全てがロボットになっていく」と語っている。今よりも応答速度や状況理解を向上させた生成AIの基盤モデルの開発が進んでおり、製造機械なども含めて応用の広がりが期待されている。 

米エヌビディアの開発者会議で、生成AIのロボットへの展開について語るフアン最高経営責任者(CEO)=3月18日、米カリフォルニア州サンノゼ
米エヌビディアの開発者会議で、生成AIのロボットへの展開について語るフアン最高経営責任者(CEO)=3月18日、米カリフォルニア州サンノゼ

このニュースに関するつぶやき

  • もうメイドロボとキャッキャウフフ出来る年齢ではないのが残念w せめて老後はマルチやミルファみたいな可愛いメイドロボに介護してもらいたいもんだ(^ω^)
    • イイネ!3
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