悪臭がする腫瘍で殻に閉じこもった33歳男性、手術成功で「学校に行きたい」(米)<動画あり>

0

2024年06月12日 05:10  Techinsight Japan

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Techinsight Japan

米カリフォルニア州リバーサイド郡マリエータに住むアーリンさん(Arlin、33)。15歳の時に首の後ろにニキビのような隆起ができ、18年かけて成長。このたび手術を受けた(『The Sun 「‘I FELT LIKE A MONSTER’ Watch incredible transformation of man
米カリフォルニア州在住の33歳の男性が最近、15歳の時に首の後ろに発生したという腫瘍の切除手術を受け、人生を取り戻した。ニキビ大だった腫瘍は手術前、メロン大に成長。膿を出し悪臭を放っていたそうで、手術のビフォーアフターを米リアリティチャンネル『TLC』新シリーズ「テイク・マイ・チューモア(Take My Tumor・私の腫瘍を取って)」が公開した。

【この記事の動画を見る】

カリフォルニア州リバーサイド郡マリエータに住むアーリンさん(Arlin、33)は18年前、「化膿性汗腺炎」を患い、首の後ろにニキビのような隆起ができた。「当初は小さいしこりに過ぎなかった」と明かすアーリンさんだが、それは次第に大きくなって痛みを伴い、皮下に膿が溜まるようになった。さらに膿瘍(膿が溜まった発疹)が破れて悪臭を放ち、服が汚れ、学校でいじめを受けるようになったという。

それまで活発でおしゃべりだったアーリンさんは、「自分はまるでモンスター」と感じて高校に通うのをやめ、18〜19歳の頃には友人らとの関係を全て絶ち、自分の殻に閉じこもった。


そんなアーリンさんは健康保険に未加入で治療を受けるお金がなく、10〜15人の医師の診察を受けてはきたものの「腫瘍が大きいし、解剖学的に手術をすることはできない」と言われ続けてきたそうだ。


母ジャクリーンさん(Jacqueline)はうつ状態の息子について、「あの子の腫瘍がここまで大きくなるのを望んでいたわけではないの。でも必要な時に助けてもらうことができず、腫瘍が成長してしまった」と明かし、「愛する者が苦しむのを見るのは本当につらいものなのよ」と続けた。

なお手術前のアーリンさんは、汗を十分にかくことができなくなる「無汗症」に苦しみ、酷い貧血のため2度の輸血を受けたほどで、寝ていることが増えていた。また腫瘍から血や膿が毎日のように出るため、常に清潔にして首の周りにタオルなどを巻いて対応していた。それでも患部が感染や炎症を起こすと酷い悪臭を放つため、ジャクリーンさんは家にキャンドルを備蓄するようになったそうだ。

化膿性汗腺炎は通常、手術、抗菌薬の内服や抗菌薬軟膏、ステロイドなどでの治療が可能だが、アーリンさんは皮膚の炎症が広範囲なうえ、感染症を頻繁に起こしていたため治療が困難になったという。

そんなアーリンさんに救いの手を差し伸べたのが、頭頸部がんの専門家、ライアン・オズボーン医師(Dr. Ryan Osborne)で、大きな腫瘍をキレイに切除し、患部に腹部から取った皮膚と皮下組織を移植する手術を見事成功させた。貧血が酷いアーリンさんのために、手術前に輸血を行い万が一に備えたそうで、術後のアーリンさんは順調に回復している。

ジャクリーンさんによると、腫瘍から出るあまりの悪臭に耐えかねて、看護師の一人が手術中に失神するハプニングもあったそうだが、アーリンさんは術後、活力が増し、痛みやうつの症状も少しずつ改善しているという。また汗が出るようになったほか、慢性的な貧血も安定しているとのことで、それまで一度も見せたことがないような穏やかな表情でこう述べていた。

「手術は自分の人生を変えるもので、今は心からホッとしている。傷が完全に癒えたら、いろいろなことを始めたい。学校にも行きたいし仕事にも就きたいね。」


一方でオズボーン医師も、アーリンさんの変化に気付いたようで、最後にこのように語った。

「後頭部の大きな腫瘍はアーリンから多くのものを奪った。彼の人格、そして魂でさえもね。でも手術後の彼は大きく変化し、よく食べ、正しい選択をし、体重も減り、視線を合わせることもできるようになった。彼は本来の自分に戻りつつあるんだよ。」


そしてアーリンさんのビフォーアフターを見た人たちは、オズボーン医師の仕事ぶりや人柄を称えるとともに、「アーリンさんが笑顔でいるのを初めて見た。とても嬉しいよ」「これでやっと頭を上げられるようになったね!」「早い回復を願っている」「おめでとう」といった励ましの言葉を残している。

ちなみにオズボーン医師はアーリンさんの手術の前に、米アリゾナ州に住むティムさん(Tim、62)の顔のスイカ大の腫瘍の切除に成功しており、ティムさんは術後「人の目を気にすることなく外出し、食事や車の運転も普通にできるようになった」と満面の笑みを見せていた。



画像は『The Sun 「‘I FELT LIKE A MONSTER’ Watch incredible transformation of man, 33, who lived with ‘giant smelly and leaky’ tumour that grew from ‘tiny pimple’」(Credit: TLC)、「‘LIFE-CHANGING’ Incredible transformation as man, 51, has giant head tumour removed in intricate 10-hour operation」』『TLC Instagram「After 16 years, Tim is clean shaven and tumor-free!」「Alexandra’s tumor has been growing for over a decade」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

    前日のランキングへ

    ニュース設定