インフラ関連でリーダー企業に厳選投資、「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」が見据える雄大な未来

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2024年06月12日 11:01  サーチナ

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サーチナ

「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」を運用するUTIアセットマネジメントのヘッド・オブ・リサーチであるサチン・トリベディ氏(写真)に聞いた。
 インドで実施された総選挙の結果、現職のモディ首相が引き続き政権を担うことが決まった。世界の中でも頭抜けた成長を続けるインドは、グローバル株式投資においても有力な投資の選択肢になっている。中でも、旺盛な投資が継続するインドのインフラ関連企業の成長は目覚ましく、「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」は、過去1年間のトータルリターンが63.08%(2024年4月末時点)になった。同ファンドを運用するUTIアセットマネジメントのヘッド・オブ・リサーチ兼ファンドマネージャーであるサチン・トリベディ(Sachin D.Trivedi)氏(写真)に、インド経済とインドにおけるインフラ投資の今後の見通し等について聞いた。【インタビューは選挙結果が発表される前の5月最終週に行われた】

 ――インドのインフラ関連株は、2023年は非常に良いパフォーマンスを上げ、2024年に入ってもその勢いは続いています。「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」と「MSCIインド(配当込み、円ベース)」を比較すると、過去1年間のトータルリターンは、インフラ関連株ファンドが56.60%と「MSCIインド」の47.68%を上回っています(2024年5月末時点)。過去5年(年率22.36%対20.92%)でもインフラ関連株が優位です。これまで、インフラ関連がインド株全体を上回るパフォーマンスを挙げられた理由は?

 インド政府はインフラ投資を重視してきました。インフラ投資に関する政府支出は過去5年間で3倍くらいの規模に拡大しています。近年は民間セクターの収益が改善した関係で、民間セクターによるインフラ整備も進んでいます。通信業界はバランスシートが改善し、通信インフラ設備を増設しています。また、不動産業界も需要が回復し住宅を中心としたインフラ関連投資に積極的に取り組んでいます。銀行も不良債権の処理が進み、自己資本比率が改善し、民間投資向け融資が伸びています。

 また、COP(気候変動枠組み条約締結国会議)コミットメントの増加による企業の「グリーン設備投資」も極めて重要なインフラ投資事業になっています。民間部門の新規設備投資は、2022年以降、政府の投資支出を上回る大きな規模で拡大しています。

 このようなインド国内の官民をあげての旺盛なインフラ投資が、関連産業を活性化させ、関連企業の成長につながっています。

 ――「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」が注目しているインフラ関連とは? また、インフラ株における個別銘柄の選定ポイントは?

 当ファンドで投資対象としているインフラ関連とは、道路、鉄道、港湾、電力、通信などインフラを所有する企業、および、そこに資金を提供する銀行など金融セクター、そして、セメントや建設などインフラを創設する企業群も投資対象にしています。

 投資ポートフォリオは、30〜40銘柄で構築していますが、その銘柄選定のポイントは、業界のリーダー、または、潜在的な成長率が高いセクターで市場シェアの高い企業を選好します。また、1年から5年の期間で見通して持続可能な収益を生み出す能力があることも重視します。適正な収益率で一貫した利益成長を実現していること、事業から健全なキャッシュフローを生み出している実績などが企業評価のポイントです。

 ――過去5年にわたって高いパフォーマンスを実現してきました。今後の投資環境について、どのように考えていますか? 総選挙が実施され、モディ首相が率いるBJP(インド人民党)が引き続き政権を担うことになると、今後はどのような分野への投資に重点が置かれますか?

 これまで2期10年にわたって政権を担ってきたモディ首相が、引き続き政権を担っていくことになりますが、モディ首相の政策は、「自立したインド」を掲げ、インドの成長のために必要なインフラを整備することに努めてきました。インフラを整備することによって、製造業のコストを下げ、GDPに占める製造業の比率を17%から25%に引き上げることを大きな目標に掲げてやってきました。国内の製造業を強化することによって、雇用を創出し、若い人たちに雇用の機会を拡大することを目指しています。

 たとえば、総延長3万5000kmの道路をつくる「バーラトマラ計画」はこれまでに2万7000kmを実行しましたが、この規模と同程度の「バーラトマラ計画」のフェーズ2の着工も計画されています。鉄道も、2024年までの過去6年間で年間投資額は倍増しましたが、国有鉄道計画(NRP)に基づき、インド鉄道は2021年度から2031年度までに1830億ドル(約28兆3650億円)を支出する計画です。

 また、国家電力計画(NEP)では、2023年度から2032年度にかけて電力容量を2倍に引き上げる計画で、このために、発電設備だけで3000億ドル(46兆5000億円)〜3700億ドル(57兆3500億円)の設備投資が必要といわれています。電力を需要地まで届ける送電網の設備投資も不可欠となり。送電網の整備にも2000億ドル(約31兆円)程度の新規投資が必要と試算されています。

 インドの都市インフラは依然として脆弱でもあり、今後の都市化の進展に合わせて、今後数十年にわたって様々なインフラ整備が必要になると考えられます。14億人を超える人口を支えるとなれば、それを支えるインフラ工事の大きさもイメージできると思います。インドにおけるインフラ投資は、非常に息の長いテーマといえます。

 ――ファンドとして、インフラ関連株への投資姿勢を変化させるようなことを考えていますか?

 温暖化対策、環境保全への対応は重要な視点と考えています。再生可能エネルギーやグリーン水素ミッションへの投資などが検討されています。このような新しい投資の可能性については、常に調査して関連企業の洗い出しに注力しています。

 ――今後のパフォーマンスの見通しは? 投資するにあたってリスクは?

 中長期的に考えて、インドのインフラ関連投資は大きな投資機会であり、関連企業は高い成長を維持するものと期待されます。ただ、これまでの株高局面で一部の銘柄には割高な水準まで株価が上がっている銘柄もあります。割高な銘柄は、割安な銘柄に入れ替えるなど、ポートフォリオの見直しは必要です。

 また、インド経済のリスクとして強く意識されるのはコモディティ価格の動向です。原油の80%を輸入に頼っていますから、原油価格が大きく値上がりするようなことがあれば、インフレが進み、経済が停滞することにもつながります。

 そして、毎年1100万人の新卒者が出て来る労働市場に、健全な形で雇用を提供していくことが常に時の政権が抱える大きな課題になっています。人々の生活を向上させるためのインフラ投資計画は重要ではありますが、若者に職を与えて経済全体をバランスよく発展させるという大きな政策をバランス良く回していくことが重要です。

 インドは世界最大の人口を抱え、しかも、若い世代が非常に多く、魅力的な人口構成になっています。現在、世界第5位の名目GDPですが、過去10年間の平均実質GDP成長率は5.7%と世界の平均を大きく上回る成長を遂げてきました。2028年には米国、中国に次ぐ、世界第3位の経済大国になると予想されています。成長途上にある魅力的なインドにあって、大きな成長が期待できるインフラ関連投資に、長期的な目線で投資することをご検討ください。

このニュースに関するつぶやき

  • インドのインフラ事業は約束が守られたことがない。それが国家事業でもね。去年が良かったから来年も良いとは限らない。去年はどんなインド投信でも+50%くらいになったぞ。
    • イイネ!12
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