年齢で夢や挑戦を諦めてはいけない。そう思わせてくれるエッセイ漫画が「アラフォー漫画家が見た服飾専門学校夜間部の実態とは」。タイトルの通り、40歳を機にデザイナーを目指した作者・小柳かおりさん(@kaokaokaoriri)が学校で勉学に励みながら、カルチャーショックを味わうといった内容だ。
(参考:漫画『アラフォー漫画家がファッションデザイナーを目指す話』を読む)
Xで公開されるや、1カ月ほどで9000を超えるいいねを獲得する人気を得ている本作。もともと少女漫画を描いていたという小柳さんだが、今はどのような心境で発信しているのか。(小池直也)
――『アラフォー漫画家がファッションデザイナーを目指す話』の反響はいかがですか?
小柳かおり(以下、小柳):ここまでの反応をいただけるとは思っていませんでした。いつもはよくて5000いいねほどで、1万に届くことはなかったです。もともと私の読者さんではない方に届いた印象がありますね。ちょうどXのアルゴリズムで漫画がバズりやすい流れもあって、その波に乗れたのかなと。
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――ご自身の作品をエッセイ漫画にしようと思ったのはなぜ?
小柳:2021年から漫画「アラフォー漫画家がファッションデザイナーを目指す話」をSNSで描き始めました。当時はバンタンデザイン研究所で1年間、基礎のデザインを学んでいて、その体験談をまとめていたんです。
本作は4月から週3で通い始めた服飾専門学校の夜間部で経験したことや、環境の違いに受けた衝撃を伝えたら面白いと思って描いています。高校時代に戻ったような感覚ですね。
――デザインを勉強しながらも漫画脳が働いているのですね。
小柳:漫画は小さい時に始めて商業誌でも描いていました。一度は辞めましたが、35歳からまたSNSで発表するようになったんです。今は日記のような感覚ですかね。
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――洋服作りを学ぶきっかけは?
小柳:母親が洋服作りをして、祖母は編み物で作品を作るプロでもあったので、幼い時から手芸が趣味だったんです。でも20代まで洋服作りは無縁でした。「原宿を歩いているような奇抜な恰好はしないし」と思っていて(笑)。
個人的に20年単位で人生は一巡するような気がしていて、仕事が落ち着いた40歳という大台を機に人生を振り返る機会がありました。次の60歳を思い描いた時に「会社を辞めても手に残るスキルがほしい」と。そこでふと洋服作りはどうかなと新しい夢が思い浮かんだんです。
――作画で心がけていることは?
小柳:もともと少女漫画を描いていることもあり、線が細くて目が大きいキラキラした絵柄なんですよ。でもエッセイの場合は多くの人に読んでもらいたいので、あえて等身を低くしたり、線を簡略化したり。
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SNSは更新頻度を上げて早く描かないといけないじゃないですか。そのためにも早く描くことは意識しています。どうしても細かく描いてしまうので、線はもっと減らしたいですね。それはそれで練習が必要なんですよ。
――影響を受けた作家はいますか。
小柳:20歳以降は全然漫画を読んでいなくて……。昔は高河ゆん先生やジョージ朝倉先生が好きで、彼らの模写からスタートしました。今は誰かの絵から影響を受けることはありませんが、線が少なくて可愛い3chaさんのような絵柄はいいなと思っています。
――これからはどのように活動をされる予定ですか。
小柳:今の学校はこれから3年は通う予定ですね。それと並行して、既に立ち上げたブランドを動かしていければ。11月には展示販売のイベントも企画しています。今回は3人の子を持つ妹がその経験を活かして、ママさん向けの服を一緒に作ってくれるんですよ。この活動に関しても漫画で発信していきたいです。
(小池直也)
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